Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

脳腫瘍術後はICU?

2017年12月10日 | 神経
Florman JE, Cushing D, Keller LA, et al.
A protocol for postoperative admission of elective craniotomy patients to a non-ICU or step-down setting.
J Neurosurg. 2017 Dec;127(6):1392-1397. PMID: 28298034.


テント上の脳腫瘍の予定手術後に、術後リカバリーで4時間観察して、プロトコルに従って200例を病棟に帰したら、そのうち3例が不穏になり、1例がけいれんし、1例が神経学的変化を起こした。永続的な後遺症を残した人はいなかった。

予定の脳外術後にICU入室は必要か、
世界的にどれくらいの患者さんが脳外術後にICUに来ているのか、
脳外に限らず術後の観察目的の入室というのはそもそも必要か、
術後合併症は当然ある一定の確率で発生するが、ICUで観察されていたらそれは減るのか、早く発見されるのか、患者予後の改善につながるのか、
どれくらいの合併症の増加は容認されるのか。

こういう、プロトコルを作って入室患者を減らしたらどうなるか、という研究の多くで、患者予後に影響しないという結果になる。それが、入室基準が過剰であることを意味するのか。

いろいろ難しい。

そもそも結論なんてあるのか?
コメント
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