Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

EGDT dead or alive

2017年04月02日 | 感染
という感じのタイトルのeditorialが以前あったのさ。
なんでそんなタイトルにしたかというと、もう一週間以上前の話だけど、EGDTについての文献を2つ読んだから。
一つはこれ。こっちは勉強会に回すので触れないでおいて、もう一つはこれ。

Kalil AC, Johnson DW, Lisco SJ, et al.
Early Goal-Directed Therapy for Sepsis: A Novel Solution for Discordant Survival Outcomes in Clinical Trials.
Crit Care Med. 2017 Apr;45(4):607-614. PMID: 28067711.

(今気がついたが、first authorが最初のeditorialと同じだ)

EGDTについてのメタ解析、31の観察研究と6つのRCTが対象(N=19998)。観察研究ではEGDTが有意に死亡率を低下させたが(relative risk=0.77, p<0.0001)、RCTでは有意差なし(RR=0.92, p=0.27)。介入バンドルと予後には関連がなく、抗菌薬の投与が早いこと(死亡率低下)、重症度が高いこと(死亡率上昇)が関連していた。

つまり、観察研究で予後改善傾向が認められたのは、ScvO2をどうしたとかCVPをどうしたとかとは関係なく、抗菌薬を早く投与したのが理由らしいということと、どうも重症患者にガンガン補液したり輸血したりすると悪いことが起こるようだ、ということ。

分かりやすい。
メタ解析は文献自体は面白くないことが多く(結果が読む前から想像できるか、多施設RCTやらないと結局ダメでしょと思うか)、孫引きにしか使えなかったりするけど、これは面白かった。

うーん。
それにしても、31も観察研究やる必要あったのかい?
コメント
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