スパニッシュ・オデッセイ

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comerse las eses (2)

2015-03-10 15:08:35 | スペイン語
 
【『西和中辞典』小学館、桑名一博編集代表、2004、p.2005)より拝借】
 これは音節末の[s]音が気音化または消失する地域の地図である。
 まず、コスタリカのスペイン語について述べる。図をご覧になれば、コスタリカの周りは黒く塗られているが、コスタリカだけはまっ白であることがわかる。。中米ではコスタリカだけが周囲の国のスペイン語とは違っている。キューバ近辺が白くなっているのはジャマイカ(英語国)とハイチ(フランス語国)であるためで、スペイン語の音節末[s]音気音化または消失とは関係がない。
 “Cómo está usted?”(お元気ですか)はコスタリカでは、カタカナで表記すると「コモ・エスタ・ウステッ」のように発音されるが、パナマやニカラグアなどでは[st]のように子音が連続した場合、[s]の音が脱落する。つまり、「コモ・エッタ・ウッテッ」のように発音されるのであるが、コスタリカ人はそれをからかって、“s”を発音しないことを“se comen las eses”(“s”を食べる)と表現する。
 「文字」という意味のスペイン語“letra”は女性名詞である。アルファベットの“s”の名称は“ese”で、文字“s”は“la ese”となる。その複数形が“las eses”というわけである。
 一方、“hez”という単語もある。あまりはっきりとは書きたくないので、「食物が体からアウトプットされたもの」ということでご勘弁いただきたい。通常、この言葉は“heces”という複数形で用いられる。発音はラテンアメリカでは上述の“eses”と同じになる。
 そこで、コスタリカ人は周辺の国の人たちは、音節末の“s”を発音しないことにかけて、「ニカラグア人、パナマ人、エルサルバドル人などは“heces”を食べる」と言って、笑っているわけである。
コスタリカでは、「s で書くか、c で書くか、迷った時は c で書け」と教えている先生もいるようなことを以前書いたが、s より c の方がイメージがいい理由の一つは heces と関係があるのではないかと思った次第である。
ともかく、筆者はおかげさまで heces (eses) を食べずにすんだのである。
 コスタリカ ペルー メキシコ クソ喰わず

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