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隠れキリシタンを発見したプティジャン神父

2017-09-12 18:16:04 | 名前
 1612年及び1613年にキリスト教禁止令が出され、1873年に廃止されるまでキリスト教信者は隠れキリシタンとして生き延びる。
 幕末の開国当時はキリスト教禁止令はまだ廃止されていないが、「1859年(安政6年)、幕府は開港場居留地において、外国人の信仰の自由を認め、宣教師の来日を許可した」(ウィキペディア「禁教令」より)。 
 そして、長崎には1865年に大浦天主堂が完成する。
 
 【創建時の大浦天主堂(ウィキペディア「大浦天主堂」より)】
 大浦天主堂は当時珍しい洋風建築だったので評判になり、近くに住む日本人は『フランス寺』『南蛮寺』と呼び見物に訪れた。なぜ「フランス寺」と呼ばれたかというと、大浦天主堂の神父のプティジャンがフランス人だったからである。彼は訪れる日本人に教会を開放し、自由に見学することを許していた。すると、ほどなく隠れキリシタンの一行が現れたのである。詳細はウィキペディア「ベルナール・プティジャン」を参照されたい。

 【プティジャン神父(ウィキペディアより)】
さて、ここで神父の名前について述べる。ベルナール・プティジャン(Bernard-Thadée Petitjean)の姓の Petitjean は petit と Jean に分解できる。
 petit は「小さい」という意味の形容詞で、日本語にも「プチトマト」や「プチ整形」、「プチ家出」などの語に取り入れられている。
 Jean は典型的なフランスの男子名で、英語の John に相当する。John は日本の「太郎」に相当するようなありふれた男子名である。つまり、Petitjean は言ってみれば、「小太郎」である。
 プティジャン神父が小男だったかどうかはわからないが、たぶんご先祖様の Jean が小男だったので、Petitjean というニックネームを頂戴したのだろう。それが姓になったものと想像する。
 Petitjean を英語に逐語訳すると、 Littlejohn になるが、英語にもこの姓があるとか。そういえば、「リトルジョン」は筆者にもおなじみの名前である。テレビドラマ「コンバット」に登場する大男である。
 
 
 Little John と分けて書けば、ロビン・フッドの楽しい仲間(メリー・メン)の副長格である、大男のリトル・ジョンが有名であるが、それと関係があるかもしれないとのこと(ウィキペディア「コンバット」参照)。
 スペイン語で Jean や John に相当するのは Juan (フアン)だが、Pequeñojuan (ペケーニョフアン)という姓があるかどうかは知らない。Juan に縮小辞をつけると、Juanito という形ができるが、この方が自然で、個人名としてはよく使われていると思う。ただ、こんな姓があるかどうかは不明である。
 最後に、英語には longjohn という普通名詞がある。通常、pants, trousers, socks, shoes と同様、複数形で使われる。意味は「ももひき」である。Longjohn という姓があるかどうかは知らない。
 

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