スパニッシュ・オデッセイ

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『ニューシネマ・パラダイス』を見て、考えた

2018-01-02 14:50:49 | スペイン語
 正月は家でごろごろ、テレビ三昧の日々である。
 元日はイタリア映画、「ニューシネマ・パラダイス」をやっていた。1988年公開だから、もう30年も前の映画である。
 原題は“Nuovo Cinema Paradiso”で、スペイン語に翻訳すると、“Nuevo Cinema Paraíso”で、イタリア語とたいして変わらない。
 
 「パラダイス」はスペイン語では、[d]音が脱落しているが、[d]音の脱落現象はほかにもある。
 サッカーの中田英寿選手がイタリア語のインタビューで“Credo che”(クレド・ケ)と言っていたのを思い出すが、スペイン語では“Creo que”(クレオ・ケ)で、英語の“I think that”に相当する。
 イタリア語の credo の原形は credere で、スペイン語の creo の原形は creer である。
 英語の credo(信条)も関連語で、研究社の「新英和中辞典」には「ラテン語『私は信じる』の意から」との説明がある。credit, creed 等も関連語である。そういえば、かつて Creedence Clearwater Revival (CCR)というロック・グループがあったが、Creedence という語は上記の英和辞典には載っていない。ネットで調べてみると、credence のミス・スペリングだということだった。credence は「信用」という意味なので、やはりこれも関連語である。
 スペイン語 creer の派生語に increíble(信じられない、アンビリーヴァボー)という語があり、よく使われるが、英語形は incredible である。スペイン語を習い始めた当初、英語形をそのままスペイン語読みして、スペイン語教師に注意された覚えがある。
 次にスペイン語の基本動詞 oír(聞く)についてだが、実はこれも[d]音が脱落しているのである。これに相当するイタリア語は audire で、ラテン語も同形である。ラテン語の [au] が[o]に変化、さらに[d]音が脱落した形である。小学館「西和中辞典」にはoír の関連語として、英語の ear, audio, audition が挙げられている。
 スペイン語の日常用語の caer (落ちる、転ぶなど)も実は[d]音が脱落している。元になるラテン語は cadere で、関連語として accidente, cascada, decadencia, ocasión が挙げられている(英語形は容易に推測できよう)。

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