スパニッシュ・オデッセイ

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部分冠詞(2)

2014-08-01 09:44:29 | トリビア
 「部分冠詞」についてウィキペディアで調べてみたら、次のように書いてあった。
 「部分冠詞は、フランス語、イタリア語などに独特の冠詞で、不可算名詞のための不定冠詞と考えられる。起源的には、部分の属格から発生したもので、そのため属格の前置詞と定冠詞が合わさった形をしている。」
 今度は「属格」を調べなければならない。
 「部分の属格:全体の一部分であることを示す。
•He is the tallest of the three. 彼は三人のなかで一番背が高い。
•He is of noble birth. 彼は高貴な生まれである。
分離の属格:奪格に由来する。
•He is independent of his parents. 彼は両親から独立している。(< 両親については、彼は独立している。)
•rob 人 of 物 = 人から物を奪う(< 物について、人から奪う)」
 小難しいことを書いているが、英語の“of”について考えてみよう。
 ふつう、「の」と訳すことが多い。所有の意味でまず習うが、最上級の表現として上の例文も習う。これが難しく言えば、「属格」ということだ。さらに、分離でいえば、“get out of here”(ここから出て行け)というような文の“of”が分離の意味で、日本語訳は「から」や「を」になる。
 ちなみに分離の意味を強調すると“of”が“off”になる。
 スペイン語の前置詞“de”も「の」と訳す時もあるし、「から、を」と訳す時もある。“salir de la casa”(家を出る)が一例である。
 ぐだぐだと書いたが、「パンを食べる」というのは長さが1mもあるような巨大なパンの塊から「一部を分離、つまりちぎって」食べるということで、“manger du pain”は直訳は「大きなパンからちぎって一部分を食べる」ということなのだった。
 液体の場合、部分冠詞を使うのはもっとわかりやすい。「ワインを飲む」は“boire du vin”だが、ボトル入りのワインではなく、ワイン樽から一部を取って飲むという、昔ながらの風景を想像していただきたい。Haga clic, por favor.

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