クラブ・マナーズニュース

マナーズを巣立たれたみなさま、縁者のみなさまとつながっていたい!そんな私が月3回「0」の付く日にブログをアップします!

「保税展」って何でしょう?

2024年02月29日 | 楽しいお話し

 菜種梅雨を思わせるような長雨が続いたかと思うと、今度は台風並みの強風が吹き荒れたり… 今年は閏(うるう)年なので、4年に一度の珍事、なのでしょうかねえ

 さて。
ジュエリーマナーズ「春の保税展」が1か月後に迫ったとは言え、毎回、ジュエリーの話題はちょっとなあ、と思ったものの… 「宝石の話しは面白い」「何となく知っているように思っていても、じつは知らないことばかり」「とっても興味深い」等々、私の予想以上に宝石の話を楽しんでいただけたようで、とってもうれしいです。
 なので、今回と3月10日の次回も、引き続きジュエリーの話題にすることにしました。読み物として、雑学として楽しんでくださいね

 そもそも「保税展とは何か?」ということについてご説明します。
前回、保税展の説明は、ガレリア内原のホームページ内の「保税展」の項目を参照してください、とリンクを貼りましたが、やぱり、私からいろいろな例をあげながら、説明するほうが楽しんでいただけるかも。

 内原で開催される年に2回の「保税展」に出展されるジュエリーは、関税等の税金を留保したままのもので、厳密に言えば、「外国から到着した貨物」という扱いになります。こういうものを「保税品」と呼びます。
 そして、このような保税品は、税関の許可を受けた倉庫や工場、博物館等でしか保管したり、展示したりすることが出来ず、そういう場所のことを「保税蔵置場」と言います。つまり、内原で年に2回開催される保税展の会場、六本木本社の地下2階にあるホールが、まさにその「保税蔵置場」の指定を受けている場所、なのです。
 このように、保税制度によって保税品を扱い、保税蔵置場を持てる企業は大きな信用が基盤となり、希少な存在です。
 ということで。春と秋の保税展は、一般の方々には開放されることはないく、特別に招待される方々しか入場できまない、という普通のジュエリーフェアとは趣を異にする展示会なのです。
 そして、保税展で扱われるジュエリーは保税品であり、保税蔵置場でしか保管、展示が出来ないため、内原の地方の支社等にも移動させることが出来ません
 こういう理由で、春と秋の保税展には、特別に招待されたお客様が「全国」から来場されます
 私達が海外旅行に行く時、成田や羽田の空港で出国手続きを終えた後、「免税店」をのぞいたりしますよね。そう、保税蔵置場は税務的には日本ではありませんので、保税展とは、あの免税店のようなもの。それが期間限定、ジュエリー限定の大きな催しになった…と思っていただければわかりやすい、でしょうか。

 では、この保税品は購入できるのか?
はい、購入可能です その方法が… また楽しいわけです
 保税品は、しつこいく書きますが、通関前の商品です。なので、表記は「米ドル」の表記になっています。
 たとえば、「$1300」と表記されたリングにゾクゾクっときた、としましょう。でも、即座には「それがいくらかのか?」はピンときませんよね。私のような「超数字オンチ」は、1ドルが100円でなければチンプンカンプン、はっはっは
 考えに考え、このように思います。「もしかしたら、次回の保税展にはやってこないかもしれない…(どういうことなのか、あとで説明をします)と。そして、覚悟を決めて購入するとしました
 その日の為替のレートは、$1=¥150,71。1ドルが150円71銭。ですから、その日のレートで日本円に換算し、そこに消費税を加算する…という計算をします。
 こんなふうに時々、会場で電卓を手に計算をする、というのも面白いのですよ。人の頭とは面白いもので、目の前のものが「いくらくらいのものなのか?」がわからないと、見ていてもつまらなくなります。なので、私は大抵、片手に電卓を持って、「ほっほー、これは〇円なのねえ、きゃ~~~~」みたいにして見て廻ります
 購入を決めても、そのお品はすぐには持ち帰れません。なぜならば、通関の手続きが済んでいないからです。でも、もちろん通関手続きは内原にお任せで、通関の費用も内原が負担してくれます。

 そう言えば。よく海外旅行に行かれた時に「この旅行の記念のとして」と、リングやピアスを購入。でも、帰国後、よく考えてみたら、数年後のサイズ直しや修理を頼むのはどうしたら良いのか?そんなことを頼めるところってある?等々、困ることが多い、というお話をよく耳にします でも、同じ外国のジュエリーではあっても、保税展の場合は、サイズ直し、アフターサービスは内原が担当。これも大きな安心です
 時には、デザインによってサイズ直しが出来ない、と言う場合もあるでしょう。でも、そういう場合は、その工房にオーダーすることも可能です。オーダーするからといって、価格は別に加算されるわけではなく、その日の為替レートで計算するだけ。ただ、出来上がるまで2,3カ月はお待ちいただくことにはなりますが… けれど、ちょっと考えてみてください。ご自分のリングが、たとえばイタリアの工房で、ご自分のためだけに作られることを

 そうです、先ほど書いた「もしかしたら、次回の保税展にはもうやってこないかもしれない…」についてご説明をしなければなりません!
 保税展に出展されるジュエリーは、内原が世界の工房やブランドから「保税展の期間の1ケ月、お借りしたもの」です。輸入を済ませた内原の在庫品ではありません。
 ですから、保税展が終わると、各国の各工房に帰っていきます
そして、もうそれっきり、二度とやってこない ということもあるわけ、です。
 出展ブランドについては、次回の3月10日の回に詳しくご紹介しますが…
イタリアに「Crivelli(クリヴェリ)」というジュエリーの企業があります。このイタリア最大のジュエリー企業でデザインされ、製作された宝石達は、世界中のブランドや高級ジュエリーの店舗に卸されていきます。自社のブランドとしては展開していないので「Crivelli(クリヴェリ)」という名前は、内原のお客様以外はご存知ないのではないでしょうか。
 話を元に戻します。
この「Crivelli(クリヴェリ)」は、内原との長い関係から、現在ではタイアップしてジュエリーを製作している会社なので、必ず次の保税展にもたくさんのジュエリーを出展してくれます
 ただ イタリア最大のジュエリー企業、この企業のジュエリーは世界展開している、とご紹介した通り、このクリヴェリが扱う宝石の数は膨大です。
 なーのーでー。次回の保税展には必ず出展されるブランドであっても、「目を付けていながら、断腸の思いで諦めたリング」や「次の保税展で購入しようと決めていたピアス」が、次の回の保税品としてやってくるかどうか
 正直なところ、次の回に同じものがやってくる、という可能性は非常に低い…のです ご理解いただけるでしょうか?

 じつは… 私には、20年以上が経過した今でも、忘れられないリングがあります。まさに、それが「クリヴェリのダイヤのリング」でした
 そのデザインが奇抜でありながら、とっても上品、ノーブル。一目ぼれしました リボンを結んだようなデザインでした。いや、リボンというよりは、日本の熨斗模様(束ね熨斗)、お祝いの引き出物などに使われる熨斗を束ねた模様、というほうが的確です。なかなか日本では出会えない、まさにイタリアの最新のデザインだったのです
 その後、クリヴェッリからも、他の工房からも、いろいろ、似たようなデザインのリングが出展されましたが… 逃した獲物は大きい、とでも言うのでしょう… どれも「諦めたクリヴェッリ」には及ばない、トホホ。
 これが保税展の醍醐味でもあり、特徴でもあります

 そう言えば… 前回、とても人気の高かったバーレーンという国から出展された「アルザイン」というブランドも、今回はやってきません。次回、秋の保税展に出展されるかどうかもわかりません。要するに、保税展に出展されるジュエリーとは、まさに「一期一会」なのですよね

 ジュエリーに限らず、輸入した商品というものは、その企業や店の「在庫」となるわけですから、企業側は「早く売れて欲しい」と願うのが常です。だからこそ、人の目には留まっても、購入には至らないようなものは仕入れたくはない…(こういう事情で、デパートや宝飾店のジュエリーのデザインは、結果的に似たり寄ったり、になってしまうもの、なのですね。仕方のない事でしょう、お商売ですものね。)
 でもね、保税展は「お借りしたもの」であり「保税展が終わると、各国に帰っていく」ものですから、本当にいろいろな種類のものがあります
 博物館や美術館、特別展でしか見られないような高価なジュエリーや、アラブの王族用でしょう?!というようなもの、これはレッドカーペットでポーズする時に見せる用?というような奇抜なデザインのもの、等々にもお目にかかれますし、もちろん、自分で普段使い出来るジュエリーもたくさん出展されます

 一昨年だったでしょうか。上野の美術館で「宝石展」というものが開催されました
私達夫婦の友人のお子さんに、「とびきりの宝石好き(鉱物好き、と言うべきかもしれません)」の6年生のお嬢さんがいます。
 その彼女にせがまれて、私は宝石展に一緒に行ったのですが… 一通り熱心に会場を見て廻った後、彼女が私に言った一言「まどかおばさん、今日はありがとう でもさあ、いろんな宝石あったけど、保税展のほうが、ずっと素敵な宝石があるよねえ。」私は、当時まだ4年生だったこの子の感想に大爆笑をしてしまいました

 というわけで。今回は「保税展って何?」というお話をしました。
確かに、私は小さな頃からの宝石好きではありますが、そういう「宝石好きのためのチャンス」ということではなく、毎回の保税展で感じることは「オトナの楽しみとして、見識を深めるにはもってこいの催しだな」ということ。
 「保税展」をそういう楽しみにしていただくのも一興だと思います
 もちろん、またいつかね…と、保税制度や保税品、保税蔵置場を雑学として知っていただくも良し、です

 地下2階の保税蔵置場のお隣のホールには、保税品ではない、他のブランドのジュエリーもたくさん並びます。こちらもいろいろな趣の違う工房からの出展がありますので、十分に楽しんでいただけるでしょう。
 何より、こちらは「円表記¥」なので、この会場に入ったとたん、ホッとしたりするのも面白いです

 「春の保税展 2024」 

 3月22日(金) 午後0時 ~ 午後6時まで

 3月28日(木) 午前10時 ~ 午後6時まで

 3月30日(土) 午前10時 ~ 午後6時まで

 3月31日(日) 午前10時 ~ 午後6時まで

 4月4日(木)~ 4月7日(日)午前10時~午後6時まで

 日比谷線・大江戸線「六本木駅」 千代田線「乃木坂駅」下車
 東京都港区六本木7-2-7 「ガレリア UCHIHARA」 地下2階 保税蔵置場・地下ホール


コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「春の保税展」日程と、ダイ... | トップ | 保税展 出展ブランドについて »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

楽しいお話し」カテゴリの最新記事