前文科次官「文書は事実」 「萩生田氏関与の可能性」 東京新聞 2017年6月23日 19時36分
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017062301001725.html
政府の国家戦略特区制度を活用した学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設計画を巡り、文部科学省の前川喜平前事務次官は23日、東京都内の日本記者クラブで記者会見した。安倍晋三首相の意向を伝える萩生田光一官房副長官の発言とされた文書は「精査の必要があるが、書かれている内容はほぼ事実だと思う」と述べ、萩生田氏について「何らかの関与があった可能性は高いのでは」との見方を示した。「首相が先頭に立って説明責任を果たしてほしい」とも求めた。
文書は「作成時点で実際に職員が聞いた事実が記されており、100パーセント間違いないものと評価している」と述べた。
(共同)
【ノーカット】前川喜平前文部科学事務次官 記者会見 6月23日
https://www.youtube.com/watch?v=LB_hBw-2MCE
学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設計画を巡り、前川喜平・前文部科学省事務次官が23日、日本記者クラブで会見しました。前川氏は文科省の追加調査で明らかになった、内閣府が同省に早期開学を促したとされる文書について「ほぼ100%間違いないもの」と断言しました。
2017年6月23日 前川喜平前文科事務次官 記者会見
『全体の絵を描いたキーパーソンは和泉洋人総理補佐官』
『個人の尊厳』 『国民主権』

「総理が先頭に立って説明責任を」 前川前次官が会見 TBS News i 2017年6月23日 18時14分 (2017年6月23日 19時40分 更新)
http://www.excite.co.jp/News/society_g/20170623/Tbs_news_94671.html
安倍政権を揺さぶる、いわゆる加計問題が大きく動いたのは、この人の発言からでした。文部科学省前事務次官の前川氏です。23日の会見で語ったこととは・・・。
文科省の再調査結果の公表後、初めての会見を行った前川前事務次官。
「文部科学省は一定の説明責任を果たしたと思いますし、私は文部科学省の出身者として、文部科学省が何とか追加調査を行うことにより隠蔽のそしりから免れたことはうれしく思っております。これらの事実関係につきましては、さまざまな理由をつけて官邸あるいは内閣府はその事実関係を認めようとしていないという状況にあるわけであります。そういった姿勢は私から見れば不誠実であると言わざるを得ない。『総理のご意向』という文言、こういった文言を含んだ文書がございますが、この内容につきましては、内閣府においては自分の口から発した言葉を自ら否定しているという状況ですから、あり得ない話ではないかと思っている。素直に読めば獣医学部の開設時期を平成30年4月にしてほしいと、この一点なんですね。それが加計学園のことであることは関係者の間では事実上公然の共通理解」(前川喜平前文科事務次官)
前川前事務次官はこのように述べ、内閣府や官邸の対応を批判しました。
「必要があれば、第三者性の高い組織を設けて政策決定プロセスを検証するという方法も考えてしかるべきではないか。総理自ら先頭に立って説明責任を果たしていただきたい」(前川喜平前文科事務次官)
(23日17:38)
前川前次官が田崎史郎、山口敬之、読売、NHKら安倍応援団を批判!安倍政権によるメディアの私物化は、民主主義を殺すと リテラ 2017.06.23
http://lite-ra.com/2017/06/post-3268.html
「総理自ら先頭に立って、説明責任を果たしていただきたい」──本日、日本記者クラブ主催の記者会見に出席した前文科省事務次官の前川喜平氏は、毅然と安倍首相の姿勢を問いただした。
きょうの記者会見の開催については、萩生田光一官房副長官の関与を示す新たな文書の発覚を受けてのものではないか、あるいは東京都議選の告示日であることから何か関連があるのではないかと見られていたが、記者会見をオファーしていた記者クラブ側と前川氏の都合を調整した結果だといい、前川氏は「私には政治的意図はございません」と強調。
だが、前川氏は前事務次官として、官邸および内閣府の態度に対して「責任を果たしていない」「真相を明らかにすることから逃げようとしている」と厳しい評価を下し、安倍首相による「規制改革派と岩盤規制に固執する抵抗勢力」という主張を、「勧善懲悪のような構図」「問題の本質を見誤る考え方」と喝破。「『岩盤規制』対『規制緩和』という構図は、為にする議論のすり替え」と言い、プロセスの不透明さと加計学園しか該当しないような規制が加えられていったという「穴の開け方」をあらためて問題にすると、第三者機関による選定プロセスの検証・調査を求めた。
さらに前川氏は、新たに発覚した萩生田官房副長官の発言がまとめられた新文書についても言及。萩生田官房副長官は、作成者である専門教育課課長補佐の「不確かな情報を混在させて作った個人メモ」と処理しているが、前川氏は「(課長補佐は)極めて優秀ですし、しっかりした人物」「虚偽の内容を盛り込んだり聞き間違いが入ったりした文書をつくることはあり得ない」「内容はほぼ事実だと思う」と証言。対して、萩生田官房副長官など官邸の対応を「情報発信者の信頼を失わせることで情報の信頼を失わせる意図」と見破り、「萩生田官房副長官の何らかの関与があった可能性は高いと思っています」と述べたのだ。
ただし、前川氏は「全体のシナリオを描いていた」人物として、萩生田官房副長官とは違う名を挙げた。和泉洋人首相補佐官だ。
「私の目から見ますと、和泉総理補佐官がいちばんのキーパーソンではないかと」
「10月21日付けの萩生田副長官のご発言の内容を見ても、萩生田さんは和泉さんと話をした結果として、それを文科省に伝えている。やはり情報発信源になっているのは和泉さんではないか。和泉補佐官がいちばん全体のシナリオを描いて、全体の統括もしている、そういう立場にいらっしゃったのではないかと思っています」
前川氏は以前より、昨年9月上旬に和泉首相補佐官に呼び出され、「総理は自分の口から言えないから私が代わって言う」として特区における獣医学部新設を早く進めるようにと迫られていたことを証言している。そのことからも、「いちばん総理のご意志に近いところ」にいたのは和泉首相補佐官ではないかと前川氏は見るのだ。
また、森友問題と加計問題について前川氏は「よく似ている」とし、この森友・加計のように地方と国、国のなかでも複数の省庁にまたがる問題では「全体を調整する機能がどこかに必要」「どこかに司令塔がなければできないと思う。その司令塔の役割を果たしている人がいる」と論及。会見では具体的な名前を挙げていなかったが、「週刊朝日」(朝日新聞出版)6月23日号のインタビューではその“司令塔”について、こう語っていた。
「役所のどこを押せばどう動くかということを熟知した人間がいなければなりませんし、そういう才能を持った人なんて、そう多くはいません。官邸の中でも、私には今井尚哉首相秘書官(叔父は安倍首相と近い今井敬経団連名誉会長)、和泉首相補佐官くらいしか思い当たりません」
今井秘書官といえば、本サイトでもたびたび報じてきたが、安倍首相の行動日程やスピーチ原稿をすべて仕切り、永田町では“影の総理大臣”とまでいわれるほど安倍首相に対する影響力が強いとされる人物。加計、森友問題のプロセスでもなにかしら役割を担ったのだろうか、解明が必要だ。
このように、本日の会見では新証拠が飛び出したわけではないものの、理路整然と問題の焦点を明らかにした前川氏。しかし、会見でもっとも注目すべきは、いたって冷静に事実関係や見解を述べた前川氏が、スピーチの最後にはっきりと強い口調で「もうひとつの問題」に踏み込んだことだろう。
「この(獣医学部をめぐる)一件を通じて、まったく別の問題として認識を新たにしたのは、国家権力とメディアとの関係です」
「ひとつは、私に対する個人攻撃だと思われる記事が5月22日の読売新聞に掲載されました。私としては不愉快な話でしたが、その背後に何があったのかはメディアの関係者のなかできっちり検証されるべき問題だと思っています。私は個人的には、官邸の関与があったと考えております」
官邸の関与で読売の醜聞記事はつくられた──。たしかに、前川氏はこれまでも記事が出る2日前から読売の記者よりコメントがほしいと求められ、その一方で、記事が出る前日には文科省幹部を通じて「和泉補佐官が話をしたいといったら応じるか」というアプローチがあったことを明かしている。前川氏はこの和泉首相補佐官の動きを「私の想像ですが『嫌な報道をされたくなかったら抑えてやる』ということかと思いました」と語ったが、もはや官邸が読売を使って前川氏に揺さぶりをかけたことは疑いようがないだろう。
だが、前川氏はメディアへの指摘をつづけた。次はNHKの不可解な報道についてだ。
「私に最初にインタビューを行ったのはNHKです。ですが、その映像はなぜか放送されないままになっています。いまだに報じられておりません。真相を表す内部文書のなかでも非常に決定的な『官邸の最高レベルが言っていること』という文言が入った9月26日という日付けつきの文書がございますけども、これは朝日新聞が報じる前の夜にNHKは報じていました。しかし、核心の部分は黒塗りにされていました。これはなぜなんだろうと」
本日、本サイトで伝えたように、これらのあからさまな“加計学園問題封じ”は、安倍首相に忖度する報道局長と、安倍首相にもっとも近い記者と呼ばれる岩田明子が幅を利かせる政治部によって断行されたものだ。権力にすり寄るためにインタビューがお蔵入りとなる、前川氏はその当事者としてNHKの姿勢を問うたのだ。
さらに前川氏は、「報道番組を観ておりますと、コメンテーターのなかには、いかなる状況証拠や文書が出てきたとしても、官邸の擁護しかしないという方がいらっしゃいます」と発言。「そういう方のお名前は差し控える」と述べたが、誰がどう考えてもこれは田崎史郎のことだろう。そして、「森友学園のときもそういうことが繰り返し行われていた」とし、田崎と並ぶ御用ジャーナリストである山口敬之の問題にまで言及したのだ。
「森友学園の問題で官邸を擁護するコメントを出しつづけた方のなかには、ご本人の性犯罪が警察によってもみ消されたのではないかという疑惑を受けていらっしゃる方もいるわけでございます」
官邸に刃向かって問題を告発しようとした前川氏にはメディアを使って恫喝まがいの行為を働き、片や安倍首相という最高権力者と一体化したジャーナリストには、起こした犯罪さえもみ消してあげる。──本サイトはこうした安倍政権のやり方こそが民主主義を破壊行為であり、メディアも同罪だと指摘しつづけてきたが、前川氏も同じようにこれを問題視したのだ。
「(読売新聞の報道への官邸の関与について)もしこういうことが私以外の人にも起きているとするならば、これは大変なことだというふうに思います。監視社会化とか警察国家化と言われるようなことが進行していく危険性があるのではないか。あるいは“第4の権力”とまで呼ばれているメディアまで権力に私物化されてということになると、これはもう日本の民主主義は死んでしまうと。その入口に我々は立っているのではないかという危機意識を私自身ももったんですね。そのことがこの問題の大きなインパクトだというふうに思っています」
民主主義の死。前川氏はもっとも強い言葉でそう表現し、「国家権力とメディアの関係を国民の視点から問い直すという必要性、またそのメディアの方々のなかで自浄作用が働くことを私は強く期待したい」と述べたのだ。
しかし、前川氏から発せられたこの大きな指摘に、当のメディアの一部は相変わらず向かい合おうとしなかった。実際、一般質疑で最初にマイクを握った産経新聞の記者は「文書を流出させたのは前川氏か」と質問。取材源の秘匿というジャーナリストの倫理をもち合わせているならこんな質問を行うわけがなく、前川氏も「情報流出源にはコメントしない」と返答した。無論、読売新聞とNHKからの質問は出なかった。
前川氏はきょうの会見のなかで、「重要な人物で、一切発言しておられない人」として加計学園理事長の加計孝太郎氏の名前を挙げ、メディアに向けて「加計孝太郎さんを早くつかまえてほしい」と氏への取材を呼びかけた。問題の最重要人物がメディアから追いかけられていないという異常事態、それこそがメディアの弱腰を裏付けているだろう。
果たして前川氏からの警鐘を、どこまでメディアは真摯に受け止められるか。加計学園問題の真相究明に、いま、メディアの力が試されているのである。
(編集部)
安倍の官邸崩壊<本澤二郎の「日本の風景」(2646) 2017年06月23日
http://blog.livedoor.jp/jlj001/archives/52178047.html
<激しい内部闘争>
森友事件の発覚を「官邸炎上」と分析報道したが、いまは「官邸崩壊」である。内部に詳しい事情通などから、加計事件や強姦もみ消し事件の分析が具体的に、筆者にさえも電話で伝えてくる。「安倍倒れる」もその一つだろう。普段の2000から3000のアクセスが、昨日の「安倍側近の強姦魔」に対して、5261件もあった。女性の敵への怒りが、本日6月23日告示の都議選にも影響を与えることは間違いない。官邸内では、それぞれの勢力が抗争を繰り返していることも判明、まさに官邸崩壊である。
<霞が関の反乱>
都議から政界入りした靖国派の萩生田官房副長官の発言と行動が、文科省の内部文書で暴かれたことで、安倍は逃げ場を失ってしまった。その問題文書も、NHKが普通のニュースではなく、人気の解説報道で暴露した。NHKも安倍直近の、問題の岩田に対抗する記者・編集者の存在を裏付けた。
それは不買運動に拍車がかかっている読売内部も同様、動揺している。読売はナベツネの子分が、日本新聞協会と日本記者クラブの会長と理事長を抑えているが、前者の不祥事が発覚して混乱している。正義の報道のはずが、実際は違うという証明である。
安倍支援のNHKと読売の動揺は、官邸にも深刻な動揺を与えている。そのはずで、文科省と財務省を中心に安倍批判が強まっている。その矛先が、安倍の最側近の萩生田に向けられている。
それも当然のことで、萩生田は安倍夫妻と共に、そして下村夫妻と共に、加計問題の利害関係人である。安倍御自慢の「戦略特区」も、言ってみれば利害関係人が、竹中ら疑惑の学者らを動員して、加計に数百、数千億の公的資産を流し込むシステムであることが、くっきりと見えてきている。このことに日本国民も、これまでの数少ない報道と安倍や菅、萩生田の発言で、なんとなく理解してしまった。
いわば、犯罪の巣になってしまった官邸に、官僚群の霞が関が抵抗勢力の先頭に立ったのだ。その先陣を、文科省事務次官経験者の前川喜平が堂々と切ってみせた。前川に怖いものなしだ。縁者には、中曽根弘文や大勲位も控えている。中曽根でさえも想定しなかった腐敗ということになろう。
大勲位の好きな言葉は「王道」である。銅板に掘ったものが、我が家の玄関に飾ってある。最近見つけたのだが、和室には「暮れてなお命の限り蝉しぐれ」敬呈本澤仁兄康弘、の書もある。安倍にテコ入れ過ぎたナベツネに、大勲位も不満であろう。
霞が関の人事権を掌握(内閣人事局)しての、官邸の大暴走は、つまるところ身内への利権提供でしかなかったことになる。官邸崩壊はいわば必然といえる。
都議選を総指揮する下村もまた、加計の利害関係人として、あぶり出されてしまった。
臨時国会開会要求に怯えるのは、官邸だけではない。信濃町も、である。山口が、あわてて閉会中の審議を受け入れるべきだ、と珍しく正論?を吐いて注目を集めている。都議選で全員当選の公明党も、いま池田大作を「裏切って」(「」は引用者)の右翼化に、内部は激しく動揺している。
<文字通り安倍は裸の大将>
「女性の活躍無くして日本経済は成り立たない。女性が思う存分活躍できる社会」だと、21日も官邸でわめいた首相である。しからば、なぜTBS強姦魔の逮捕状を握りつぶしたのか、という日本の全女性の疑問に、納得させる答えを出す必要があろう。
行く先々で役人の用意したメモを棒読みするだけの、単なる裸の王様どころか、裸の大将に過ぎない安倍である。
かくして、自民党内の煮えたぎっていたマグマが、噴き出す瞬間を迎えている。そんな時に、安倍チルドレンの不祥事が次々と起きてきている。男性議員は女性問題、今回の42歳・官僚出身の女性議員は、稲田や高市レベルという?男性秘書を言葉の暴力で貶める様子が、ネットに登場したことには筆者もびっくりである。議員辞職すべきだろう。
嘘の連発で4か月やり過ごしてきた官邸に、平河町も怒りだした。一部の議員が、公然と安倍批判を口にし始めた。「安倍解散は出来ない」ことを確認したせいだ。解散権のない首相は、文字通り裸の大将に過ぎない。簡単に転ぶ。
<経済官僚と正副官房長官の激突>
一連のスキャンダル報道には、官邸内の菅―萩生田の党人派と、官僚派の抗争激化であることが判明してきた。官僚派の代表格は、経済産業省出身の今井とそのグループとの攻防戦である。
後者には霞が関がバックについている。菅は官邸の金庫を握っているが、子分は少ない。菅の子分の萩生田は、文科省内部の行政文書に、衝撃を受けて冷静に対応できない。感情的に反発、怒りまくるだけなので、いまや萩生田批判が突出している。
「安倍の威を借りた狸」との評価がもっぱらのようだ。その安倍も、萩生田を擁護すれば、火の粉が頭上に飛んでくる。動くに動けない。菅のストレスも尋常ではなく、記者会見でも、まともな質問にうろたえてしまう。そのことを国民も感じている。「分をわきまえない市議上がりの政治屋」と見られて久しい。
<文科省の内部告発やまず>
文科省大臣の松下政経塾上がりの松野も、連日、うろたえる姿を映像で見せつけている。部下の官僚は、安倍に反旗を翻す前川を支持しているのだから、なんともサマにならない。大義は文科省にあるためでもある。公然と記者の取材に応じる文科省官僚も出てきた。政局の先が見えるからだ。
これからも、文科省の内部告発は止まらない。菅のストレスの原因である。
<麻生と菅の激突>
菅は、もう一つの敵との戦いを抱えている。副首相の麻生太郎との永遠の攻防戦である。
麻生からすると、派閥の拡大に専念する理由なのだ。他方、自民党幹事長就任に勝負をかける菅である。幹事長になって人事権を行使して、部下を増やしたい、その先に国盗りもあると考えている、と周辺は見ている。
いまでは安倍のコントロールも効かない。「安倍倒れる」の情報の震源地との見方も出ているという。安倍と菅の確執に加えて、麻生との勝負も、加計事件で激しさを増してきている、と元官邸の中枢で働いてきた人物の鋭い分析である。
疑心暗鬼・呉越同舟の、安倍の官邸崩壊との分析が、現在は一番正しい。読売らしい内閣改造論報道も、これと関連しているはずだ。
2017年6月23日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)
加計学園 開学工事の工期「萩生田氏文書」通り 毎日新聞2017年6月23日 07時00分(最終更新 6月23日 09時22分)
https://mainichi.jp/articles/20170623/k00/00m/040/167000c
獣医学部建設を巡る主な経緯
認定前に元請け明示
学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)の獣医学部新設計画を巡り、国が今年1月に計画を認める以前から建設予定地の愛媛県今治市では、学園から工事を請け負う業者の名前が挙がるなど、安倍晋三首相の友人が理事長を務める法人による開学を前提に動いていた実態が浮かんできた。一連の経緯は、萩生田光一官房副長官の発言を記録したとされる文部科学省の文書の内容と符合し、この文書が作成された昨年10月の段階から「加計ありき」の構図だったことが鮮明になりつつある。【松井豊、小林祥晃】
• 【画像】「10/21萩生田副長官ご発言概要」と題した文書
• <動画>籠池氏「100万円返す」 記者「真ん中が白い…」
• <加計学園問題>苦しさ増す政権 首相側近発言の新文書
• <加計学園問題>逃げ切りを許すな 「お友達は優遇」「邪魔者は排除」
• <東京都議選>共謀罪・加計で自民大逆風 有権者「ふざけるな」
• <加計学園問題>萩生田氏の会見中止に コメント1枚のみ
文科省が20日に公表した「10/21萩生田副長官ご発言概要」には、「総理は『平成30(2018)年4月開学』とおしりを切っていた。工期は24ケ月でやる」と記載。文科省は「副長官の発言ではない」との見解だが、文書が昨年10月に作成されたことは認めている。今治市での獣医学部新設の構想は、昨年1月に市が政府の国家戦略特区に指定されて以降、具体化。市は市有地を提供したり、財政支援したりする方針を打ち出していた。
県建設業協会幹部によると、同協会今治支部役員が昨年12月ごろ、菅良二市長に対し、構想が実現した場合、学部の新設工事の元請けを地元業者とするよう陳情。これに対し、菅市長は、岡山市に本店がある建設会社の名前を挙げ、元請けではなく下請けを前提に「そこに行ったらどうか」と促したという。この建設会社は実際に元請けとなり、4月から工事を進めている。
加計学園が学部開設の事業者として内閣府に認定されたのは今年1月になってからで、事業者が決まる前から工事を請け負う業者を市長が把握していた可能性がある。また、学園の計画では、獣医学部は18年4月開学で、17年度に獣医学部棟などを、18年度に大講義棟などを完成させる予定。工期を2年とした「ご発言概要」に沿った計画となっている。
このほか、昨年10月31日には学園が「近々内閣府による公募があると想定している」として、今治市が獣医学部を誘致する予定地でのボーリング調査を市に申し出、市が即日承認している。市議会は今年3月、16・8ヘクタールの土地(約36億円相当)を加計側に無償譲渡することを可決した。
今治市企画課は22日、県建設業協会今治支部役員から市長への陳情について、毎日新聞の取材に「市長に確認したところ、指摘の事実はない」と書面で回答した。加計学園は学部新設工事を巡る経緯について「現在、大学設置審査手続き中であり、これにかかる問い合わせには回答していない」としている。
加計問題「広域的に学部ない地域」 獣医師会は要請を否定 2017年6月23日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201706/CK2017062302000132.html
学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設を巡る問題で、日本獣医師会は二十二日、国家戦略特区での新設が事実上、同学園に絞り込まれた「広域的に獣医学部のない地域に限り新設を認める」との条件について、「国に要請したことは全くない」と否定した。この条件を加えた理由について「獣医師会の意見に配慮した」という内閣府の説明を覆す証言が出たことで、行政手続きの妥当性を強調する政府側の根拠が揺らいでいる。
昨年十一月の国家戦略特区の諮問会議で、獣医学部新設の方針が決定。会議の直前に「広域的に」という条件が水面下の交渉で加えられた。加計学園と競合していた京都産業大学は、隣接する大阪府に獣医学部があることから申請を断念した。
獣医師会の北村直人顧問は、二十二日の総会後の会見で「『広域的に』との文言が入ったことは青天のへきれき。『加計ありき』でこの文言ができたと感じた」との見解を示した。
北村氏によると、昨年九~十月、山本幸三地方創生相ら三大臣と面会。その席で、双方から地理的条件に関する話は出なかったと証言。諮問会議までに内閣府、文部科学省、農林水産省の事務方とは意見交換をしたこともないという。
今月十五日の文科省の調査結果で、萩生田(はぎうだ)光一官房副長官の指示で「広域的に」の条件が加わったとされるメールが発覚。萩生田氏やメールを文科省に送信した内閣府は、官邸の関与を否定している。北村氏は「加計ありきの決め方は、官邸主導と言われても仕方ない」と疑問を投げ掛けた。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017062301001725.html
政府の国家戦略特区制度を活用した学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設計画を巡り、文部科学省の前川喜平前事務次官は23日、東京都内の日本記者クラブで記者会見した。安倍晋三首相の意向を伝える萩生田光一官房副長官の発言とされた文書は「精査の必要があるが、書かれている内容はほぼ事実だと思う」と述べ、萩生田氏について「何らかの関与があった可能性は高いのでは」との見方を示した。「首相が先頭に立って説明責任を果たしてほしい」とも求めた。
文書は「作成時点で実際に職員が聞いた事実が記されており、100パーセント間違いないものと評価している」と述べた。
(共同)
【ノーカット】前川喜平前文部科学事務次官 記者会見 6月23日
https://www.youtube.com/watch?v=LB_hBw-2MCE
学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設計画を巡り、前川喜平・前文部科学省事務次官が23日、日本記者クラブで会見しました。前川氏は文科省の追加調査で明らかになった、内閣府が同省に早期開学を促したとされる文書について「ほぼ100%間違いないもの」と断言しました。
2017年6月23日 前川喜平前文科事務次官 記者会見
『全体の絵を描いたキーパーソンは和泉洋人総理補佐官』
『個人の尊厳』 『国民主権』

「総理が先頭に立って説明責任を」 前川前次官が会見 TBS News i 2017年6月23日 18時14分 (2017年6月23日 19時40分 更新)
http://www.excite.co.jp/News/society_g/20170623/Tbs_news_94671.html
安倍政権を揺さぶる、いわゆる加計問題が大きく動いたのは、この人の発言からでした。文部科学省前事務次官の前川氏です。23日の会見で語ったこととは・・・。
文科省の再調査結果の公表後、初めての会見を行った前川前事務次官。
「文部科学省は一定の説明責任を果たしたと思いますし、私は文部科学省の出身者として、文部科学省が何とか追加調査を行うことにより隠蔽のそしりから免れたことはうれしく思っております。これらの事実関係につきましては、さまざまな理由をつけて官邸あるいは内閣府はその事実関係を認めようとしていないという状況にあるわけであります。そういった姿勢は私から見れば不誠実であると言わざるを得ない。『総理のご意向』という文言、こういった文言を含んだ文書がございますが、この内容につきましては、内閣府においては自分の口から発した言葉を自ら否定しているという状況ですから、あり得ない話ではないかと思っている。素直に読めば獣医学部の開設時期を平成30年4月にしてほしいと、この一点なんですね。それが加計学園のことであることは関係者の間では事実上公然の共通理解」(前川喜平前文科事務次官)
前川前事務次官はこのように述べ、内閣府や官邸の対応を批判しました。
「必要があれば、第三者性の高い組織を設けて政策決定プロセスを検証するという方法も考えてしかるべきではないか。総理自ら先頭に立って説明責任を果たしていただきたい」(前川喜平前文科事務次官)
(23日17:38)
前川前次官が田崎史郎、山口敬之、読売、NHKら安倍応援団を批判!安倍政権によるメディアの私物化は、民主主義を殺すと リテラ 2017.06.23
http://lite-ra.com/2017/06/post-3268.html
「総理自ら先頭に立って、説明責任を果たしていただきたい」──本日、日本記者クラブ主催の記者会見に出席した前文科省事務次官の前川喜平氏は、毅然と安倍首相の姿勢を問いただした。
きょうの記者会見の開催については、萩生田光一官房副長官の関与を示す新たな文書の発覚を受けてのものではないか、あるいは東京都議選の告示日であることから何か関連があるのではないかと見られていたが、記者会見をオファーしていた記者クラブ側と前川氏の都合を調整した結果だといい、前川氏は「私には政治的意図はございません」と強調。
だが、前川氏は前事務次官として、官邸および内閣府の態度に対して「責任を果たしていない」「真相を明らかにすることから逃げようとしている」と厳しい評価を下し、安倍首相による「規制改革派と岩盤規制に固執する抵抗勢力」という主張を、「勧善懲悪のような構図」「問題の本質を見誤る考え方」と喝破。「『岩盤規制』対『規制緩和』という構図は、為にする議論のすり替え」と言い、プロセスの不透明さと加計学園しか該当しないような規制が加えられていったという「穴の開け方」をあらためて問題にすると、第三者機関による選定プロセスの検証・調査を求めた。
さらに前川氏は、新たに発覚した萩生田官房副長官の発言がまとめられた新文書についても言及。萩生田官房副長官は、作成者である専門教育課課長補佐の「不確かな情報を混在させて作った個人メモ」と処理しているが、前川氏は「(課長補佐は)極めて優秀ですし、しっかりした人物」「虚偽の内容を盛り込んだり聞き間違いが入ったりした文書をつくることはあり得ない」「内容はほぼ事実だと思う」と証言。対して、萩生田官房副長官など官邸の対応を「情報発信者の信頼を失わせることで情報の信頼を失わせる意図」と見破り、「萩生田官房副長官の何らかの関与があった可能性は高いと思っています」と述べたのだ。
ただし、前川氏は「全体のシナリオを描いていた」人物として、萩生田官房副長官とは違う名を挙げた。和泉洋人首相補佐官だ。
「私の目から見ますと、和泉総理補佐官がいちばんのキーパーソンではないかと」
「10月21日付けの萩生田副長官のご発言の内容を見ても、萩生田さんは和泉さんと話をした結果として、それを文科省に伝えている。やはり情報発信源になっているのは和泉さんではないか。和泉補佐官がいちばん全体のシナリオを描いて、全体の統括もしている、そういう立場にいらっしゃったのではないかと思っています」
前川氏は以前より、昨年9月上旬に和泉首相補佐官に呼び出され、「総理は自分の口から言えないから私が代わって言う」として特区における獣医学部新設を早く進めるようにと迫られていたことを証言している。そのことからも、「いちばん総理のご意志に近いところ」にいたのは和泉首相補佐官ではないかと前川氏は見るのだ。
また、森友問題と加計問題について前川氏は「よく似ている」とし、この森友・加計のように地方と国、国のなかでも複数の省庁にまたがる問題では「全体を調整する機能がどこかに必要」「どこかに司令塔がなければできないと思う。その司令塔の役割を果たしている人がいる」と論及。会見では具体的な名前を挙げていなかったが、「週刊朝日」(朝日新聞出版)6月23日号のインタビューではその“司令塔”について、こう語っていた。
「役所のどこを押せばどう動くかということを熟知した人間がいなければなりませんし、そういう才能を持った人なんて、そう多くはいません。官邸の中でも、私には今井尚哉首相秘書官(叔父は安倍首相と近い今井敬経団連名誉会長)、和泉首相補佐官くらいしか思い当たりません」
今井秘書官といえば、本サイトでもたびたび報じてきたが、安倍首相の行動日程やスピーチ原稿をすべて仕切り、永田町では“影の総理大臣”とまでいわれるほど安倍首相に対する影響力が強いとされる人物。加計、森友問題のプロセスでもなにかしら役割を担ったのだろうか、解明が必要だ。
このように、本日の会見では新証拠が飛び出したわけではないものの、理路整然と問題の焦点を明らかにした前川氏。しかし、会見でもっとも注目すべきは、いたって冷静に事実関係や見解を述べた前川氏が、スピーチの最後にはっきりと強い口調で「もうひとつの問題」に踏み込んだことだろう。
「この(獣医学部をめぐる)一件を通じて、まったく別の問題として認識を新たにしたのは、国家権力とメディアとの関係です」
「ひとつは、私に対する個人攻撃だと思われる記事が5月22日の読売新聞に掲載されました。私としては不愉快な話でしたが、その背後に何があったのかはメディアの関係者のなかできっちり検証されるべき問題だと思っています。私は個人的には、官邸の関与があったと考えております」
官邸の関与で読売の醜聞記事はつくられた──。たしかに、前川氏はこれまでも記事が出る2日前から読売の記者よりコメントがほしいと求められ、その一方で、記事が出る前日には文科省幹部を通じて「和泉補佐官が話をしたいといったら応じるか」というアプローチがあったことを明かしている。前川氏はこの和泉首相補佐官の動きを「私の想像ですが『嫌な報道をされたくなかったら抑えてやる』ということかと思いました」と語ったが、もはや官邸が読売を使って前川氏に揺さぶりをかけたことは疑いようがないだろう。
だが、前川氏はメディアへの指摘をつづけた。次はNHKの不可解な報道についてだ。
「私に最初にインタビューを行ったのはNHKです。ですが、その映像はなぜか放送されないままになっています。いまだに報じられておりません。真相を表す内部文書のなかでも非常に決定的な『官邸の最高レベルが言っていること』という文言が入った9月26日という日付けつきの文書がございますけども、これは朝日新聞が報じる前の夜にNHKは報じていました。しかし、核心の部分は黒塗りにされていました。これはなぜなんだろうと」
本日、本サイトで伝えたように、これらのあからさまな“加計学園問題封じ”は、安倍首相に忖度する報道局長と、安倍首相にもっとも近い記者と呼ばれる岩田明子が幅を利かせる政治部によって断行されたものだ。権力にすり寄るためにインタビューがお蔵入りとなる、前川氏はその当事者としてNHKの姿勢を問うたのだ。
さらに前川氏は、「報道番組を観ておりますと、コメンテーターのなかには、いかなる状況証拠や文書が出てきたとしても、官邸の擁護しかしないという方がいらっしゃいます」と発言。「そういう方のお名前は差し控える」と述べたが、誰がどう考えてもこれは田崎史郎のことだろう。そして、「森友学園のときもそういうことが繰り返し行われていた」とし、田崎と並ぶ御用ジャーナリストである山口敬之の問題にまで言及したのだ。
「森友学園の問題で官邸を擁護するコメントを出しつづけた方のなかには、ご本人の性犯罪が警察によってもみ消されたのではないかという疑惑を受けていらっしゃる方もいるわけでございます」
官邸に刃向かって問題を告発しようとした前川氏にはメディアを使って恫喝まがいの行為を働き、片や安倍首相という最高権力者と一体化したジャーナリストには、起こした犯罪さえもみ消してあげる。──本サイトはこうした安倍政権のやり方こそが民主主義を破壊行為であり、メディアも同罪だと指摘しつづけてきたが、前川氏も同じようにこれを問題視したのだ。
「(読売新聞の報道への官邸の関与について)もしこういうことが私以外の人にも起きているとするならば、これは大変なことだというふうに思います。監視社会化とか警察国家化と言われるようなことが進行していく危険性があるのではないか。あるいは“第4の権力”とまで呼ばれているメディアまで権力に私物化されてということになると、これはもう日本の民主主義は死んでしまうと。その入口に我々は立っているのではないかという危機意識を私自身ももったんですね。そのことがこの問題の大きなインパクトだというふうに思っています」
民主主義の死。前川氏はもっとも強い言葉でそう表現し、「国家権力とメディアの関係を国民の視点から問い直すという必要性、またそのメディアの方々のなかで自浄作用が働くことを私は強く期待したい」と述べたのだ。
しかし、前川氏から発せられたこの大きな指摘に、当のメディアの一部は相変わらず向かい合おうとしなかった。実際、一般質疑で最初にマイクを握った産経新聞の記者は「文書を流出させたのは前川氏か」と質問。取材源の秘匿というジャーナリストの倫理をもち合わせているならこんな質問を行うわけがなく、前川氏も「情報流出源にはコメントしない」と返答した。無論、読売新聞とNHKからの質問は出なかった。
前川氏はきょうの会見のなかで、「重要な人物で、一切発言しておられない人」として加計学園理事長の加計孝太郎氏の名前を挙げ、メディアに向けて「加計孝太郎さんを早くつかまえてほしい」と氏への取材を呼びかけた。問題の最重要人物がメディアから追いかけられていないという異常事態、それこそがメディアの弱腰を裏付けているだろう。
果たして前川氏からの警鐘を、どこまでメディアは真摯に受け止められるか。加計学園問題の真相究明に、いま、メディアの力が試されているのである。
(編集部)
安倍の官邸崩壊<本澤二郎の「日本の風景」(2646) 2017年06月23日
http://blog.livedoor.jp/jlj001/archives/52178047.html
<激しい内部闘争>
森友事件の発覚を「官邸炎上」と分析報道したが、いまは「官邸崩壊」である。内部に詳しい事情通などから、加計事件や強姦もみ消し事件の分析が具体的に、筆者にさえも電話で伝えてくる。「安倍倒れる」もその一つだろう。普段の2000から3000のアクセスが、昨日の「安倍側近の強姦魔」に対して、5261件もあった。女性の敵への怒りが、本日6月23日告示の都議選にも影響を与えることは間違いない。官邸内では、それぞれの勢力が抗争を繰り返していることも判明、まさに官邸崩壊である。
<霞が関の反乱>
都議から政界入りした靖国派の萩生田官房副長官の発言と行動が、文科省の内部文書で暴かれたことで、安倍は逃げ場を失ってしまった。その問題文書も、NHKが普通のニュースではなく、人気の解説報道で暴露した。NHKも安倍直近の、問題の岩田に対抗する記者・編集者の存在を裏付けた。
それは不買運動に拍車がかかっている読売内部も同様、動揺している。読売はナベツネの子分が、日本新聞協会と日本記者クラブの会長と理事長を抑えているが、前者の不祥事が発覚して混乱している。正義の報道のはずが、実際は違うという証明である。
安倍支援のNHKと読売の動揺は、官邸にも深刻な動揺を与えている。そのはずで、文科省と財務省を中心に安倍批判が強まっている。その矛先が、安倍の最側近の萩生田に向けられている。
それも当然のことで、萩生田は安倍夫妻と共に、そして下村夫妻と共に、加計問題の利害関係人である。安倍御自慢の「戦略特区」も、言ってみれば利害関係人が、竹中ら疑惑の学者らを動員して、加計に数百、数千億の公的資産を流し込むシステムであることが、くっきりと見えてきている。このことに日本国民も、これまでの数少ない報道と安倍や菅、萩生田の発言で、なんとなく理解してしまった。
いわば、犯罪の巣になってしまった官邸に、官僚群の霞が関が抵抗勢力の先頭に立ったのだ。その先陣を、文科省事務次官経験者の前川喜平が堂々と切ってみせた。前川に怖いものなしだ。縁者には、中曽根弘文や大勲位も控えている。中曽根でさえも想定しなかった腐敗ということになろう。
大勲位の好きな言葉は「王道」である。銅板に掘ったものが、我が家の玄関に飾ってある。最近見つけたのだが、和室には「暮れてなお命の限り蝉しぐれ」敬呈本澤仁兄康弘、の書もある。安倍にテコ入れ過ぎたナベツネに、大勲位も不満であろう。
霞が関の人事権を掌握(内閣人事局)しての、官邸の大暴走は、つまるところ身内への利権提供でしかなかったことになる。官邸崩壊はいわば必然といえる。
都議選を総指揮する下村もまた、加計の利害関係人として、あぶり出されてしまった。
臨時国会開会要求に怯えるのは、官邸だけではない。信濃町も、である。山口が、あわてて閉会中の審議を受け入れるべきだ、と珍しく正論?を吐いて注目を集めている。都議選で全員当選の公明党も、いま池田大作を「裏切って」(「」は引用者)の右翼化に、内部は激しく動揺している。
<文字通り安倍は裸の大将>
「女性の活躍無くして日本経済は成り立たない。女性が思う存分活躍できる社会」だと、21日も官邸でわめいた首相である。しからば、なぜTBS強姦魔の逮捕状を握りつぶしたのか、という日本の全女性の疑問に、納得させる答えを出す必要があろう。
行く先々で役人の用意したメモを棒読みするだけの、単なる裸の王様どころか、裸の大将に過ぎない安倍である。
かくして、自民党内の煮えたぎっていたマグマが、噴き出す瞬間を迎えている。そんな時に、安倍チルドレンの不祥事が次々と起きてきている。男性議員は女性問題、今回の42歳・官僚出身の女性議員は、稲田や高市レベルという?男性秘書を言葉の暴力で貶める様子が、ネットに登場したことには筆者もびっくりである。議員辞職すべきだろう。
嘘の連発で4か月やり過ごしてきた官邸に、平河町も怒りだした。一部の議員が、公然と安倍批判を口にし始めた。「安倍解散は出来ない」ことを確認したせいだ。解散権のない首相は、文字通り裸の大将に過ぎない。簡単に転ぶ。
<経済官僚と正副官房長官の激突>
一連のスキャンダル報道には、官邸内の菅―萩生田の党人派と、官僚派の抗争激化であることが判明してきた。官僚派の代表格は、経済産業省出身の今井とそのグループとの攻防戦である。
後者には霞が関がバックについている。菅は官邸の金庫を握っているが、子分は少ない。菅の子分の萩生田は、文科省内部の行政文書に、衝撃を受けて冷静に対応できない。感情的に反発、怒りまくるだけなので、いまや萩生田批判が突出している。
「安倍の威を借りた狸」との評価がもっぱらのようだ。その安倍も、萩生田を擁護すれば、火の粉が頭上に飛んでくる。動くに動けない。菅のストレスも尋常ではなく、記者会見でも、まともな質問にうろたえてしまう。そのことを国民も感じている。「分をわきまえない市議上がりの政治屋」と見られて久しい。
<文科省の内部告発やまず>
文科省大臣の松下政経塾上がりの松野も、連日、うろたえる姿を映像で見せつけている。部下の官僚は、安倍に反旗を翻す前川を支持しているのだから、なんともサマにならない。大義は文科省にあるためでもある。公然と記者の取材に応じる文科省官僚も出てきた。政局の先が見えるからだ。
これからも、文科省の内部告発は止まらない。菅のストレスの原因である。
<麻生と菅の激突>
菅は、もう一つの敵との戦いを抱えている。副首相の麻生太郎との永遠の攻防戦である。
麻生からすると、派閥の拡大に専念する理由なのだ。他方、自民党幹事長就任に勝負をかける菅である。幹事長になって人事権を行使して、部下を増やしたい、その先に国盗りもあると考えている、と周辺は見ている。
いまでは安倍のコントロールも効かない。「安倍倒れる」の情報の震源地との見方も出ているという。安倍と菅の確執に加えて、麻生との勝負も、加計事件で激しさを増してきている、と元官邸の中枢で働いてきた人物の鋭い分析である。
疑心暗鬼・呉越同舟の、安倍の官邸崩壊との分析が、現在は一番正しい。読売らしい内閣改造論報道も、これと関連しているはずだ。
2017年6月23日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)
加計学園 開学工事の工期「萩生田氏文書」通り 毎日新聞2017年6月23日 07時00分(最終更新 6月23日 09時22分)
https://mainichi.jp/articles/20170623/k00/00m/040/167000c

獣医学部建設を巡る主な経緯
認定前に元請け明示
学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)の獣医学部新設計画を巡り、国が今年1月に計画を認める以前から建設予定地の愛媛県今治市では、学園から工事を請け負う業者の名前が挙がるなど、安倍晋三首相の友人が理事長を務める法人による開学を前提に動いていた実態が浮かんできた。一連の経緯は、萩生田光一官房副長官の発言を記録したとされる文部科学省の文書の内容と符合し、この文書が作成された昨年10月の段階から「加計ありき」の構図だったことが鮮明になりつつある。【松井豊、小林祥晃】
• 【画像】「10/21萩生田副長官ご発言概要」と題した文書
• <動画>籠池氏「100万円返す」 記者「真ん中が白い…」
• <加計学園問題>苦しさ増す政権 首相側近発言の新文書
• <加計学園問題>逃げ切りを許すな 「お友達は優遇」「邪魔者は排除」
• <東京都議選>共謀罪・加計で自民大逆風 有権者「ふざけるな」
• <加計学園問題>萩生田氏の会見中止に コメント1枚のみ
文科省が20日に公表した「10/21萩生田副長官ご発言概要」には、「総理は『平成30(2018)年4月開学』とおしりを切っていた。工期は24ケ月でやる」と記載。文科省は「副長官の発言ではない」との見解だが、文書が昨年10月に作成されたことは認めている。今治市での獣医学部新設の構想は、昨年1月に市が政府の国家戦略特区に指定されて以降、具体化。市は市有地を提供したり、財政支援したりする方針を打ち出していた。
県建設業協会幹部によると、同協会今治支部役員が昨年12月ごろ、菅良二市長に対し、構想が実現した場合、学部の新設工事の元請けを地元業者とするよう陳情。これに対し、菅市長は、岡山市に本店がある建設会社の名前を挙げ、元請けではなく下請けを前提に「そこに行ったらどうか」と促したという。この建設会社は実際に元請けとなり、4月から工事を進めている。
加計学園が学部開設の事業者として内閣府に認定されたのは今年1月になってからで、事業者が決まる前から工事を請け負う業者を市長が把握していた可能性がある。また、学園の計画では、獣医学部は18年4月開学で、17年度に獣医学部棟などを、18年度に大講義棟などを完成させる予定。工期を2年とした「ご発言概要」に沿った計画となっている。
このほか、昨年10月31日には学園が「近々内閣府による公募があると想定している」として、今治市が獣医学部を誘致する予定地でのボーリング調査を市に申し出、市が即日承認している。市議会は今年3月、16・8ヘクタールの土地(約36億円相当)を加計側に無償譲渡することを可決した。
今治市企画課は22日、県建設業協会今治支部役員から市長への陳情について、毎日新聞の取材に「市長に確認したところ、指摘の事実はない」と書面で回答した。加計学園は学部新設工事を巡る経緯について「現在、大学設置審査手続き中であり、これにかかる問い合わせには回答していない」としている。
加計問題「広域的に学部ない地域」 獣医師会は要請を否定 2017年6月23日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201706/CK2017062302000132.html
学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設を巡る問題で、日本獣医師会は二十二日、国家戦略特区での新設が事実上、同学園に絞り込まれた「広域的に獣医学部のない地域に限り新設を認める」との条件について、「国に要請したことは全くない」と否定した。この条件を加えた理由について「獣医師会の意見に配慮した」という内閣府の説明を覆す証言が出たことで、行政手続きの妥当性を強調する政府側の根拠が揺らいでいる。
昨年十一月の国家戦略特区の諮問会議で、獣医学部新設の方針が決定。会議の直前に「広域的に」という条件が水面下の交渉で加えられた。加計学園と競合していた京都産業大学は、隣接する大阪府に獣医学部があることから申請を断念した。
獣医師会の北村直人顧問は、二十二日の総会後の会見で「『広域的に』との文言が入ったことは青天のへきれき。『加計ありき』でこの文言ができたと感じた」との見解を示した。
北村氏によると、昨年九~十月、山本幸三地方創生相ら三大臣と面会。その席で、双方から地理的条件に関する話は出なかったと証言。諮問会議までに内閣府、文部科学省、農林水産省の事務方とは意見交換をしたこともないという。
今月十五日の文科省の調査結果で、萩生田(はぎうだ)光一官房副長官の指示で「広域的に」の条件が加わったとされるメールが発覚。萩生田氏やメールを文科省に送信した内閣府は、官邸の関与を否定している。北村氏は「加計ありきの決め方は、官邸主導と言われても仕方ない」と疑問を投げ掛けた。
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