晴耕雨読で住まいを造ろう

都会を離れ農的暮らしをしながら、日々住まいについて考え、家造りを家族と共にDIYで実現させた日記・・その後

竪穴(防火)区画

2019年07月21日 |  設計の仕事
18日に起こった悲惨な火災事故、と言うより事件を二ユースで見ていて、つい職業意識が働いた。

「これって、三層の吹き抜けじゃん?」

つまり三階建ての床が、防火上の区画をされずにつながっている構造であり、劇場、オペラハウスなどの目的ならあり得るが、一般的には防火区画を設けて火や煙が上の階へ移らないようにしなければならない。
別の言い方をすれば、火災に弱い(火が燃え移りやすい)建物であるということだ。


避難階段うんぬんの話もあるが、基準法上の避難階段が必要な建物ではないのははっきりしている。(三階建てだから)
しかし、螺旋階段しかなかったとしたら、これも少し問題だ。

なぜなら螺旋階段は避難に適した構造とは言えないからだ。


竪穴区画の建築基準法施工令第112条は、ものすごく難解で、既述したように特別な用途や、それなりの構造あるいは設備を有する建物は制限を逃れることができるので、ま、他者である私が、この建物をとやかく批判することは避けるが、もし階段が室内に丸見えの螺旋階段だけ、また法的に竪穴区画が必要ない規模と構造であったとしても、その(安全)設計思想に、私は疑問を感じる。

壁の無いオープンな室内、上下階につながる開放感あふれる見栄えの良い螺旋階段。
それはそれでオフィスの設計思想として望ましいことだと考えるが、この悲惨な結果を想像できなかったことは残念だ。


基本建築基準法関係法令集 (オレンジ本)
国土交通省住宅局建築指導課,建築技術研究会
建築資料研究社


誤記:螺旋階段しか無かったらと書きましたが、これは私の誤りで、区画された通常の階段があるようです。屋上の画像にある塔屋部分が階段です。
   となると、螺旋階段は、各フロアーで働くスタッフの上下移動の利便性だったのでしょうか?



コメント
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