こんばんは
今日は親戚が集まり、長女の七五三と次女のお食い初めを祝っていただきました。2人とも元気に成長していってくれたら良いなぁと思っています。
さて、少し古い記事ですが、フェイスブックで紹介されていて気になったので、僕も紹介させていただきます。
医師不足把握に新指標 地理条件、偏在是正に活用方針
https://mainichi.jp/articles/20171119/ddm/003/040/073000c
毎日新聞2017年11月19日 東京朝刊
厚生労働省は医師の地域偏在を是正するため、地域ごとに医師がどの程度足りないかを示す新たな指標を導入する方針を固めた。そのデータを基に、医師派遣に関する都道府県の権限を強めるなどして平準化を図る。有識者検討会で年内に対策を取りまとめ、来年の通常国会に医療法の改正案を提出する方針だ。
不足する地域での医師確保には、都道府県の権限を強める。多くの大学医学部の定員には、一定期間の地元勤務を条件に奨学金返済を免除する「地域枠」があるが、都道府県が定員増などを大学に要請できるようにする。地域枠の卒業生を医師不足地域に派遣したり、病院ごとの臨床研修の定員を調整したりする機能も持たせる。また、地域医療の核となる病院の院長になる要件に、医師不足地域での勤務経験を加え、キャリア形成の優遇を図る。
診療科の偏在も改善を進める。この20年間で、麻酔科や放射線科、精神科の医師は6~8割程度増えたが、激務の外科医や産婦人科医は横ばいだ。厚労省は診療科ごとの各都道府県の需要を予測し、必要な専門医数の目安を示して勤務先を誘導する。来年度導入される新専門医制度でも、研修病院が都市部や大学病院に偏らないよう日本専門医機構が都道府県と調整することを、法律に明記する。【熊谷豪、河内敏康】
医師不足の解決策、なかなか難しいところですが、「時間的距離」を短くすること。これが僕がとりあえずできることと思っている考えです。
いきなり人は増えませんし、医師がその地域に集まらない理由は色々あります。
前も書きましたが、地方に行けば行くほど「子供の教育」などは気になる人には気になると思います。僕は公立、国立の小・中・高・大学ときましたし、特別塾なども浪人した時に予備校に行った他は経験はないです。
子供達に関しては、妻と「別に行きたければ行けば良いし、私立の中学とか出なくても良いと思うけどね」というような話をしています。
そんな僕でもあまり田舎に行くと「生活や勉強などで子供や妻が大変だよね。」と思いますし、行くのであれば単身赴任だろうなと思います。
医師になると必ず「地方で勤務」することが法律で決められたりしたら、医師のなり手もいなくなるかもしれません。というよりは、専門医を取らない選択肢も出てくるかもしれません。
医師になった人たちの中には「医師」がどちらかというと副業になっているような方々もいます。昨日、出版社で打ち合わせをしていた時にそういう話が出てきました。「医師の中には・・医師としての勤務は週3回くらいで常勤待遇にしてもらって、他に起業をしていたり、別のことをしている方がいますよね」と。
この働き方がおかしいとは思っていません。もともと、人によっては「医師」になったことが「成績が良かった」「ステータスや安定性」などが理由の方がいますので。そういう方々は地域に行くデメリットが大きいと考えて、反発するかもしれません。
僕は「医師という仕事が思った以上に楽しかった」ことと「人を残すこと(教育)が最も大事」と思っているので、大学病院などの勤務、人を育てることをいつも考えています。地域医療が大事ではないとは思いませんが、自分が思っているような仕事ができないと、人は抑鬱状態になったりすることがあります。
先日も「優秀な方が地方の重役になったら、やることが少なくなってしまって抑鬱状態になった」というような話もありました。
「地方に行きたくて、そのような経験をしたい人を優遇する」システムであれば、僕は別に反対はしません。地方に行くことで一時的に収入が上昇し、今まで見たものとは異なる疾患群を見ることは勉強になります。そういう機会を活かせる人は活かせます。ただそれは全員ではなくて、そこに行きたくないのに無理やり行かされたような人がどういう勤務になるかは知りません。
もし地方に行かせたいのであれば、いくつかの優遇(院長になる人は・・・というような寝ぼけた話ではなく。そもそも基幹病院の院長になりたい人が多いとは思いませんし、開業するのに制限をしたら・・・ますますおかしくなると思います)条件を作らないとダメですね。人が足りなくて、オンコールは続くけど、患者自体は少ない。けど、来るかもしれないから病院から離れることもできない・・・。これだと疲れるだけで、なんの経験にもならない。そういう病院も多数あります。
また、強制的に「地方に行かせる」という制度であれば、基本的に反対です。それは就業の自由(職業選択の自由)、居住移転の自由の制限を医師のみが受けるのであれば、それに伴う何かが必要だと思います。
昔、CBTが始まると知った時に「実際に受けることになる後輩たちのメリットが乏しいから、せめてCBT合格者はどこの病院でも病院実習ができるようにするべきだ」と考えていた僕だから思うことかもしれませんが、デメリットがあってメリットが少ないなら何かを対策を行うべきである・・・と思います。
僕は基本的に患者さんが来ない病院は医師に取っても経験値が少なくなり、医師の経験が少なくなれば良い医師がそれだけ少なくなる可能性があると思っています。できることならば、そういう病院に無理やり行かせるのではなくて、病院の集約化と時間的距離の短縮により対応するようにしてもらいたいものだと思います。
研修の定員を調整し、地方に無理やり若手医師を誘導する・・・。それは国が行うべき対策としては如何なものか・・・。そこに人が集まる理由はあり、そこに人が集まらない理由もあります。それを無理やりおかしなことをしたら、今の体制も崩れると思います。
僕は首都圏の方が結構厳しい体制でやっていると思いますので、人をこうしたら良いのではないかと無理やり動かせば・・・多分、2004年以来またおかしくなるのではないかなと。
繰り返しますが、やるのであれば不要な病院をむしろ潰した上で、医師を基幹病院に集約化し、患者もそこに集まるように誘導する(やるなら逆だと)。その上で患者数が増えれば経験値が増えますので、若手医師も集まる環境が作れます。でかい病院ができれば、そこを中心に街を作るのもアリだと思います。働く人が増えれば、それを対象にする職業の方も増え、街を作ることも可能です。アメリカナイズされていますが、地方から患者が集まるのであれば、ホテルも含めて必要です(亀田総合病院とかはそんな感じでしたっけ?)。
全ての病院が同じようにできるのは無理です。そのために人を均等割しようとしたら、遊兵が増えてしまいます。その時に「医師」一人一人の能力も低下し、無理やり分散させたことで需要な大きな都市部から崩壊するような気がします。
僕は全ての日本医療の情報を持っているわけではありませんので、上の方々がどのように考えてこれを思いつかれたかは存じません。
しかし、いくつかの知人からの話や僕の知る情報を集めると「現場は不安視しているな」と思っています。それは無理やり地方にいかせられる不安視もあると思いますが、考えている人は「思っているほど都会が潤っているわけではない」と思っています。今の人数で「医師が過不足なし」なので良い研修ができます。医師が余っているのであれば、経験値が少なくなるので、そこは研修には不向きな病院です。
ちょうど良いところから医師をとって、医師が不足している(ように見える)病院に移せばどうなるか。
そんな気がする今日この頃です。
まぁ、僕がここで呟いたから何かが起こるとは思わないのですが、なんとなく。
いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。