雲は完璧な姿だと思う。。

いつの日か、愛する誰かが「アイツはこんな事考えて生きていたのか、、」と見つけてもらえたら。そんな思いで書き記してます。

根によって立つ

2012-08-27 00:00:01 | 面白い
今日、J-WAVEの「ヴィンテージ・ガレージ」と言う番組で、
「北海道スペシャル」と名打って、
二週に渡り「北の国から」などで有名な作家、
倉本聰さんのインタビュー特集を放送していました。
富良野で収録したものの様でしたが、たまたま先週、
運転中に一回目の放送を耳にして。
そのあまりの面白さに釘づけになってしまい、
今週もまた出かけた先で、
運転をしながらずっと聞きいってしまいました。



「さだまさし」さんとの
「北の国から」のテーマ曲が出来るまでのエピソードとか。
北海道に移り住むキッカケとなったNHKとの大げんかの話しとか。
業界で「干されて」しまい、それで北に逃げたのだとか。
「敗北」と、負けを表すのに「北」が付くのは何故か?とか。
実感を持ってそういうことなんだと感じた......みたいな話しとか。
勝者は大抵南の方へ向かうでしょ!?みたいな話しとか。
北海道に移り住んだ時は、
一旦札幌に住みながら一年間北海道中を隅々まで回って、
最終的に住む所を富良野に決めたこととか、その理由とか。
高倉健さんとの逸話とか、フジテレビの裏話とか、
富良野での色々な仕事や、
カフェ作りやホテルの庭作りの話しなどなど......
いやいや、本当にどの話も興味深く、
そして、笑えて楽しいものでした。



最後にナビゲーターのロバート・ハリスさんが、
番組恒例だという
「ちょっと難しめの質問」
というのをしていました。
それは、

「物語を書く上で、
倉本さんが最も大事にしていることとは何でしょうか?」

という感じの質問。
少々不確かな部分もありますが、
おおよそはそんな感じでした。
その質問に対して、
倉本さんはだいたいこんなふうに答えていました。
コチラも僕の聞いていた記憶を文字に起こしている状況なので、
一字一句正確ではありませんが......

 

「物語というのは一本の木の様なものだと思うのですね。
木は根によって立つ。
されど根は人の目からは見えず、その見えない、
描かれない根の部分をしっかりと作る、想像していく。
それが物語には一番大事なこと。
僕は、この部分を作っていく作業が一番好きだし、
面白いと思っているんですよ......」



決して表に出ない部分をしっかりと作っていくことが
最終的に作品に説得力や、力を持たせていくことが出来る。
それを「倉本塾」においても、
生徒さん達にいつも強く教えているとのことでした。



その話しを聞きながら、
僕は以前ここで記した木の話しなどを思い浮かべつつ、
もう一つ思い出していたことがあって。
それは、
モーパッサンというフランスの有名な作家にまつわる話し話でした。
彼は倉本さんと同様に、
小説だけでなく劇作家や詩人としての作品も数多く残した作家さんです。



彼は、若き頃のある日、
先輩である小説家のグスタフ・フローベルに
小説を書くための勉強法を一つ教わります。
それは......



「パリの街に出かけてゆきたまえ。
そして一人のタクシー運転手を捕まえることだ。
その男には他のどの運転手とも違ったところなどないように君には見える。
しかし君の描写によって、
この男がこの世界中の他のどの運転手とも違った
1人の独特の人物に見えるようにまるまで、
君はこの男を研究しなければならない」



こんな努力、作業、そしてセンスも、
倉本さんの言う見えない「根」の部分でしょうか。
きっと、どの分野でも、
良い作品と言うのは表に出ている以外の部分が途轍も無く広く、深く、
そして、その部分の大きさと質とが、
また作品に反映されるのではないかとも思います。
そんな部分を読み解いていくのも、
時に見る人や受け取る側の楽しみではないかと思いますし、
倉本作品に登場する人々に感じる「リアリティ」の秘密が
とても良くわるお話でした。



「昨日、悲別で」
僕が倉本さんに最初に出会った本。
勿論この作品のテレビドラマも好きでしたが、
小説としても凄く影響を受けた、僕の大好きな一冊です。
よーく見ると、この本......
「深谷高等学校図書館」とあります......
未だレンタル中......
かえ......そうか......な......( ̄_ ̄ i)タラー


にほんブログ村 その他日記ブログ 日々のできごとへ

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ひも道、五箇条。 | トップ | オネアミスの翼 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿