雲は完璧な姿だと思う。。

いつの日か、愛する誰かが「アイツはこんな事考えて生きていたのか、、」と見つけてもらえたら。そんな思いで書き記してます。

風立ちぬ

2013-08-14 00:28:20 | 凄い...映画/音楽/珈琲
「風立ちぬ」
遅ればせながら先日見ることができました。(^^)
スタジオジブリ、宮崎駿さんの最新作ということで今作も大ヒット!
のようですが......いやいや、
相変わらず心に「真っ直ぐに入って来る」作品で。
個人的にはとても良かったです。



心に真っ直ぐに届いて来る......という感覚は、
言ってみれば「音楽」もそうで。
宮崎駿さんの作品というのは
いつも大好きな音楽を聴いているような感覚で見ている自分がいます。
ジブリ作品も色々とありますがその辺の感覚が――――
頭や思考を介さずそのまま心へ真っ直ぐ届いて来る感覚というのが――――
「宮崎駿監督作品特有の感覚だなぁ......」
と、そんなふうに僕は感じています。



もう一つ、宮崎監督特有のものとして
独特の「ピュアさ」みたいなものを僕は感じて来ていたのですが、
今作は駿さんとしては初めてとなる「不思議」や「ファンタジー」
を抑えた大人向け作品とも聞いていたので、
「その辺りはどーなのかなーー。。。」
と、ちょっと斜めに構えつつ観に行ったりもしたのですが......
さすが!(´▽`*)
ソコも今作でもブレず!
健在!
でございました。



水彩画のようなタッチの絵は相変わらず美しく。
以前記したモネ的なフレームも今回は満載!で。
風に揺れる草葉の一本一本の動きも細かく描き込んでいくような感じは、
そこに「風」が見えてくるようで......
感じられもしました。

人の感情は口元や眉の動き、
目の中の光などを微妙に細かく変えて描いていて。
その効果を劇的にするには、
細かい描写の背景とはウラハラに、時にキャラクターの顔は
抽象画的なシンプルな線で描かれる方がよいわけで。

駅や街なども、
それを本当にリアルに描こうとしたら、
そこを行き交う人々の様々な顔、表情......
「気持ち」も描き込んだ方が上手く表現が出来るハズで。
現実の世界で僕等が感じている風景とは、実は、
いつもソコにいる人々が生み出す感情や空気のようなものでもあるワケで。
そんなふうにして、
さりげなく描き込まれている登場人物周りの人々の表情や動きの描き方も
とても細やかで丁寧。



どれもこれも宮崎作品一級の仕業。



始まった直後には
「(*・ω・)れれ!?スピーカー壊れてんの!?」
と思ってしまった音響は、
そのまま暫く見ていると、どうも
「モノラル!?」
らしく。
終始スクリーン裏のセンタースピーカーしか使っていない様な感じ。



大胆極まりなし。。



それは、最近の映画ではかなりイレギュラーで、
久々な感じではありましたが、きっと、
それも監督のコダワリなんだろうな......と思って見ていました。
個人的にはユーミンの曲はやっぱり
「ステレオ」で聞きたかったような気もしますが。はい。



しかし「モノラル」という音響のもたらす効果に関しては
改めて感じさせられたことが幾つかあって。
音響的な空間の広がりなどは、当然、一切無く。
映画としてはちょっと窮屈な感じもしてしまいますが、
それでも耳や意識は音の聞こえる方......
スクリーン裏のセンタースピーカー方向に傾けられていくので、
スクリーンに気持ちがドンドンと引寄せられていく感じ。
「台詞がハッキリと聞こえてくる」
「届いて来る」
という効果もありますし、
その音のシンプルさは見ている人に何となくの「古さ」や「懐かしさ」
郷愁感」みたいな感情も喚起させているのだろうな、とも思えます。
古き時代を描く作品の音響としてはマッチングも含めて恐るべき確信犯!?
クリエイティブ・アイデア!?
と言えるのかもしれません。
ココは賛否両論が分かれる所だとは思いますが、
その「勇気」と「コダワリ」にはまたちょっと感心してしまいました。



最後迄見終わると、
「戦争というこの国の負なる歴史」
に色々と配慮しているような部分も多々見受けられ、

「本当はもっと描きたかったことが沢山あったのではないのかな。。」

とも思われ。

「戦争って、こんな所にまで......
何十年という時間が経っていても、今の、
この時代に描かれるアニメ作品なんてモノにまで
影を落とすようなものなんだなぁ......」

なんて、そんなコトも考えてしまいました。
この映画は、そんな戦争という負なる時代が終わり、
長い時間がたった「今」という時を生きる僕等、大人達に、
凄くプリミティブなことを投げかけようとする作品なのでしょうか。

人間としてのプリミティブさ。

日本人という民族のプリミティブな部分。特性。

今や当たり前に思っていて
ナカナカ考えることも無かった様なことを今一度考えてみる。
正してみる。

厳しい時代を経てこの国が得たものとはなんなのか。
僕達が手にしたものはなんなのか。
僕等が手にしていたものはなんだったのか。

僕が手にしているものとはなんなのか。
豊かさとはなんなのか。

原発があることは豊かなのか?

おい、
お前は、俺は、
果たして豊かなのか?
恵まれているのか?
んん?

失ってしまったものはあるのか?
あるとして、それはなんだ?
そんなものなんか無いのか?

それはただ忘れてしまっていて、
思い起こしさえすればよいものなのか?

どうなんだ!?

......そんなことを、自分に正してみたくなりました。

「正して=ただして」は「糺してみる」でもあるのでしょうか。

映画を見て数日がたった今、ナントナク、
そんな感じで過ごしているのでございます。(゜ω゜)ウンウン



京都でもしかしたら一番好きな!?場所かもしれない、
世界文化遺産、下鴨神社(しもがもじんじゃ=賀茂御祖神社=かもみおやじんじゃ)
にある「糺の森 = ただすのもり」
最初......漢字が読めなかったの...(T.T)







糺し(ただし)に行くべし(><)/


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4 コメント

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私も観ました。 (ながめ)
2014-07-22 01:56:30
魔女の宅急便もとなりのトトロも、昔に何度も観たのに、もうラストが思い出せないほどです。
最後に観たジブリはもののけ姫だったかな……

でも、去年、風立ちぬは私も劇場に観に行きました。
小学生のときから引きこもって、18で水商売に飛びこんで……ちょうど10年経った頃でした。
泣いている人は親世代の方が多く、子供たちは途中から走りまわり始めて──後半やっとのめりこんで、ラストでぐっと来た私は、まだまだガキなんだなあと……
分かりやすいメッセージは確かにないかもしれない。
でも、長く生きてきた人の心にほど響く。
私もまた、10年後に観よう。
20年後にも観よう。
そう思う映画でした。

今日は彼女のお誕生日でもありますね。
あの娘もこの世界を見ていて、見続けていてくれたら、と思います。
返信する
ながめさんへ。 (amenouzmet)
2014-07-22 22:01:07
確かに子供には退屈な作品ですよね。
大人でも「特に......」という人も多いでしょうし。
宮崎さんの作品としてはやはり特異なもののように思います(^_^)
返信する
Unknown (稲穂耳)
2017-11-09 15:26:41
うずめさん
糺の森行きます。
清水寺、鞍馬、上賀茂、下賀茂
阿弖流為さんと田村麻呂さんがメインですけど。
(*'ω'*)
返信する
稲穂耳さんへ。 (amenouzmet )
2017-11-09 18:05:50
てんこ盛りで(^_^)楽しそーですねー♪
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