山本あけみ「緑ゆたかな環境を子どもたちへ」

建築士や生活者として、都市計画・公共施設マネジメント・地球温暖化対策・SDGsなど、独自の視点で日々発信

民主大敗を受けて

2013-06-24 | 活動日誌

一昨日、東京都議会議員選挙が終わりました。結果は報道の通り、民主党は大きく議席を減らしました。予想されていた事とはいえ、大変残念な結果でした。

区議会の補欠選挙に出馬をした3年前、都議会議員の方々が大勢応援に駆けつけてくれましたが、その殆どが議席維持が出来なかったことは本当に残念です。

しかしながらもっと残念なことは、民主党が都民の信託を得るに足りなかったということであり、信頼の回復までには根気強く地方議員である私たちが努力を続ける必要があると思います。国政に左右されがちではありますが、地元に根を張り、区民のご信託を得られるしっかりとした活動をしていきたいと考えています。

党本部が掲げている「暮らしを守る力になる」というスローガンは決して間違っていない、政権政党となる前から訴えていた「コンクリートから人へ」という事も間違っていないと考えます。

教育・福祉・医療にもっと予算を振り向けていかなければ、生活者である私たちが安心・安全を感じ、幸せになることをはできないと強く思います。ましてや次世代を担う子どもたちへこれ以上借金を増やしていくような政策を甘受することは決して出来ません。

議員になって3年目を過ぎ、自分の立ち位置や役割、今後の方向性が定まってきましたと感じています。以前は住宅のインテリア設計をして来たので、区議になるまで政治の世界とは無縁でしたが、政治活動をはじめてからは他党には無い、地方議員でも国会議員と意見の交換が出来る風土がある民主党には存在意義があると考え始めています。本当に不思議なほど、自分の意見を抑圧されるということはがこれまでありませんでした。

民主党は割れるといった批判がありますが、大勢の議員が対等に意見を交わすことが出来る風土の中では割れるのは当たり前のように感じます。必要なのはそれを集約し党としてまとめていけるのか、ということだと思います。

今年度は都市計画委員の委員長を拝命しました。都市整備部及び環境部に関する事項を審議する重要な役割です。

具体的には、○ まちづくりに関すること ○ みどりの育成・保護に関すること○ 道路、公園、河川に関すること○ 生活環境の整備に関すること
などです。

これまで住宅の建築に携わってきた専門性を活かし、委員長として取り組みを進めてまいります。 

今後ともよろしくお願い申し上げます。                          

 

 


平成25年第2回定例会 一般質問のご報告「建築士と区政との関わり・ハードとソフトが連携したまちづくり」

2013-06-01 | 議会・一般質問のご報告

5月31日に一般質問で議場に立ちました。

テーマは

「建築士と区政とのかかわりについて・ハードとソフトが連携したまちづくりについて」

動画→平成25年5月31日http://www.gikai.city.suginami.tokyo.jp/vod/25-02/250531.htm

質問と答弁の要旨、そして質問の全文を掲載いたします。

 

<要旨>

「建築士と区政とのかかわりについて」

これまで杉並区内で活動してきた建築士団体「東京都建築士事務所協会」「日本建築家協会」「東京建築士会」の3つの会がそれぞれの活動を継続しながら合同で「杉並建築会」として活動を始めることになりました。山本あけみは、バリアフリーや耐震化促進、省エネ住宅・低炭素まちづくり推進、木造密集地解消など防災性向上に関して専門的な高い知見を持つ建築士と区政との連携を進め、区政への貴重な提言を反映させていく事で、杉並区のより一層の安心・安全なまちづくりを目指してまいります。

 

質問1  

まちづくり全般、防災計画、杉並区地域エネルギービジョン実現に向け建築士が大きくかかわることで有益な効果が得られると考えるがいかがか?今後「杉並建築会」との連携によってどの様な有益な効果が期待できるか区の所見は?

答弁1(区長)  

まちづくりをはじめとする区政の様々な分野で、建築士の皆さんの技術力を区政に活かしていただけることは、意義のあることとであり、今回地域貢献を目的として、杉並区内の建築事務所協会、建築家協会、建築士会の三団体が「杉並建築会」として発足し、それぞれの特徴を活かし、三本の矢の如く連携することで、今まで以上にお力を発揮していただけるものと考えている。まちづくりには、時間がかかり、簡単にできるものではありません。地域には様々なご意見もある中「杉並建築会」として区内で活動している利点を活かし、かつ専門的見地から区民に働きかけをしていただいたり、区と協働して安全なまちづくりなどに貢献していただけることを期待している。

質問2  

これまで建築士など専門家と連携した事業にはどの様なものがあるか、現状を伺う。

答弁2  

まちづくりの分野では都市計画審議会やまちづくり景観審議会の委員としてご審議頂いているほか、区民の自主的なまちづくり活動を支援するため建築士など専門家をまちづくりコンサルタントとして地域へ派遣する制度や建築設計事務所協会に木造建築の耐震診断事業、災害時要援護者の建物防災支援アドバイザーの派遣事業を委託するなど、建築士の持つ高い技術力や専門性を活かした事業を連携して実施。

 

「ハードとソフトが連携したまちづくりについて」

 杉並区では今年度より多心型まちづくりとして6つの地区(荻窪・西荻・阿佐谷・高円寺・西武線沿線・久我山)に担当副参事を置き、地域特性を活かし「まちづくり」や「商店街振興」を進め、商業・業務の活性化、生活利便性向上を計画的に進めています。その進捗と今後の課題を伺いました。

※山本あけみは、久我山地区における東京都事業「放射第5号線」「高井戸公園」整備、そして区事業「玉川上水・放5周辺地区 地区計画」策定により大きく変化をしていくまちづくりを、みどりあふれる省エネ・低炭素まちづくりを目指すなど、より良い方向へ向かう統合的なまちづくりとなるよう、これからも提言してまいります。

動画→本会議録画中継・平成241119http://www.gikai.city.suginami.tokyo.jp/vod/24-04/241119.htm

質問1  まちづくり担当の副参事の設置を受けて、現在、どのような体制で、まちづくりを    進めているのか伺う。

答弁1  

まちづくりを進めるうえでの体制について、本年4月以降、まちづくり担当の副参事と地域担当の副参事を中心に、6地区ごとに、都市整備部と区民生活部の関係職員による組織横断のチームを編成し、地域に出向いている。

質問2  

地域に出向く中で、どのようなことをまちづくりの課題として捉えているか伺う。さらに、地域におけるまちづくりの課題を踏まえて、今後6地区においてどの様な道筋でまちづくりを進めていくのか、区の所見を伺う。

答弁2  

6つの地区には、地域が主体となった様々なまちづくりの動きがあります。例えば、久我山地区では、放射5号線の整備や高井戸公園の計画が進みつつある中で、町会や商店会等が一体となった「久我山まちづくりの会」による活動や「ホタル祭り」など、熱心な地域活動がございます。区としてはこうした地域におけるまちづくりの機運の高まりをハードとソフトの両面から支援することにより、地域の個性や特性を活かしたまちの魅力をさらに高めていく事が課題と考える。今後は各地区のチームごとに地域に出向いて収集した情報等を整理し共有するとともに、各地区の個性を踏まえたまちづくりのテーマや目標を設定していく事が必要と考える。

 

<全文>

私は民主・社民クラブの一員として、通告に従い区政一般について質問をさせていただきます。質問項目は、「建築士と区政とのかかわりについて」と「ハードとソフトが連携したまちづくりについて」です。

最初に、「建築士と区政とのかかわり」についてお尋ねいたします。

昨今、当区でも活発に行われている「まちづくり」とは、文字通り「まちをつくる」ことでありますが、現在においてはこの言葉が使われる場合、「まち」は既存のもので、新たに「つくる」ことを指し示す例は少ないと感じられます。建物や道路といったハード面や、歴史文化などのソフト面を、保護・改善する事によって、さらに住みやすいまちとする活動全般を示していると思われます。衰退した地域の復興を目指す再生活動は「地域おこし・まちおこし」とされていますが、明確な定義をせずに、都市開発あるいは地域社会の活性化を含むなど、論じる人によって、様々な文脈で使われている言葉であると言ってよいでしょう。

さて、この「まちづくり」という言葉は1980年代以降からひらがなの「まちづくり」と表記されることが多くなってきました。これまで漢字の表記を使っていた時代にはイコール都市計画であり、体系的・広域的で企業・行政・学識者中心で作り上げていくことに注力が注がれていたのに対し、ひらがなの「まちづくり」を使うようになってからは、より狭い範囲で身辺的・地域的というように変化をしてきました。

それを例えて言うならば、以前は「鳥の目」つまり上空から地上を俯瞰した視点でしたが、住民による「虫の目」、つまり身近な生活の場を生活者の視点で考えていくことに主眼が置かれるようになりました。

杉並区におけるまちづくりの実例と思われる地区計画においては、今から30年前の1983年に告示された「蚕糸試験場跡地周辺地区 地区計画」があります。1980年から調査が始まったこの計画では・不燃化の促進・ブロック塀改修・生垣化などの居住環境の整備そして防災上重要な道路の整備が盛り込まれました。それまでの高度成長期のインフラ整備である都市計画に則った整備がひと段落し、次のステージとして住民参加型の虫の目による「まちづくり」の展開が始まり、それ以降も様々な形で住民参加型のまちづくりが今でも継続をしているのです。

まちづくりはソフトに対する理念だけでなく、ハードの部分、つまり建築物を含むまち全体を対象として進められます。ソフトを議論することに関しては特段資格が必要ではないのですが、一方の建築物に関しては建築士の有資格者でしか設計ができないと定められています。建築士は建築物の質の向上に寄与するため、建築士法に拠って国家資格として定められました。「建築士の名称を用いて、建築物に関し、設計、工事監理その他の業務を行う者をいう」と定義されています。建築士の中でも一級建築士は国土交通大臣の免許を受け業務を行うものであり、鉄筋コンクリート造から木造まであらゆる工法の建築物を設計し、学校や病院など公共建築物のような複雑・高度な技術を要する建築物を含む、すべての施設の設計および工事監理を行うことができるという大変高い技術と知識を必要とする仕事です。一級建築士の合格率は過去5年間の平均が約10%と、世の中を騒がせた耐震偽装事件以降より一層ハードルの高いものとなり、日夜勉強を積み重ねてやっと取得ができる資格です。試験内容は複雑高度な技術を要する建築物の設計及び工事監理や、二級建築士、木造建築士の指導に携わるのに必要な知識、技術、また職業倫理が問われます。杉並区においてはこういった一級建築士の方々が日常の業務の傍ら、まちづくりへも大きく貢献をしてこられたのではないかと推察いたします。

そこで質問をいたします。

質問1.

これまで建築士など専門家と連携した当区の事業にはどの様なものがあるか、

現状をお伺いいたします。

私も一級建築士には遥か及ばない二級建築士ではありますが、建築士の視点を活かしてこれまでまちづくりに取り組み区政へと提言を続けてまいりました。

そんな中、今春大変喜ばしいニュースが私の元へと届きました。

これまで区内で活動をしてきた建築士団体である「東京都建築士事務所協会 杉並支部」、「日本建築家協会 関東甲信越支部 杉並地域会」そして「東京建築士会 杉並支部」という3つの会がそれぞれ自身の活動を継続しながらも合同で「杉並建築士会」として活動を始めることになったのです。所属する建築士の方々の中には全国的にも著名な建築家の方や大学の名誉教授もいらっしゃいます。この方々が「杉並」ということで一つにまとまり、まちづくりを含む建築の専門家として杉並のまちを見直し、その解決策を杉並区への提言へとつなげていこうという動きを始めてくれたのです。

 改めて区の直面している課題をみますと、道路や街並みなどハードの部分としてのまちづくり全般や木造密集地帯の解消などの防災計画、そしてわたくしがこれまで建築との深いかかわりを指摘してきました今年度策定の「杉並区地域エネルギービジョン」を地区計画などの手法を使って実現していくためには、建築の専門家としての建築士の視点が欠かせないのではと考えます。

そこで質問をいたします。

質問2.

まちづくり全般・防災計画・杉並地域エネルギービジョン実現に建築士が大きくかかわることで有益な効果が得られると考えるがいかがでしょうか?

また、今後建築士の3会合同の「杉並建築会」と区との連携によって、どの様な有益な効果が期待できるか、区のご所見をお伺いいたします。

今後、杉並の建築士の方々の専門家としての高い知見と、長年住み慣れた杉並に対する熱い思いを、積極的に区の施策へとつなげていくことを要望いたしまして次の質問に移ります。

 

次に、ハードとソフトが連携したまちづくりについてお尋ねいたします。

当区ではこれまでの間、まちづくりや地域コミュニティなど、地域の課題に対して、区のそれぞれの所管課で精力的に取り組んでこられました。しかし、地域の課題と区の所管課が一対一の関係とは限らず、むしろ複数の所管課にかかわる課題が多くあることが浮き彫りとなってきました。

こうした中、区では本年4月に新規事業「多心型まちづくり」として、地域の課題に対して横串をさすよう、都市計画等のハードな施策と、産業振興や文化振興などのソフトな施策とを連動させ、地域の活力や魅力を高めるまちづくりを住民とともに進めていく組織として、荻窪、西荻窪、阿佐ヶ谷、高円寺の各駅と、西武線沿線3駅および久我山駅周辺の6地区に、まちづくり担当の副参事を設置されました。

「多心型まちづくり」がなぜ必要か、それはこれからの杉並の活力を維持し更なる活性化につなげるためであろうと理解をしております。

杉並の都市形成を振り返ってみますと、JR中央線荻窪駅より東、つまり阿佐ヶ谷高円寺は1925年時点という大変早い段階で既に人々が居住をはじめ、市街化した結果、区画整理などの基盤整備のタイミングを失ったと考えられます。結果として木造密集地と言われる防災性に課題を多く含む地域が作り出されました。その後、早稲田通り以南から区部中央と東に関しては1940年までに、それに続き、早稲田通り以北、区部南西部においては1960年ごろまでに市街化が進んだといわれています。

私が住む久我山は杉並区の中でも最も遅く市街化が進んだ地域ではありますが、以前の農道がそのまま生活道路として使われている。 

「多心型まちづくり」では、すでにまちづくり担当の副参事を中心に、各地域に出向きつつあるということで、地域の方からは新たな取り組みに対する期待も高まっていると聞きます。 

そこで質問をいたします。

質問3

まちづくりの担当の副参事の設置を受けて、現在、どのような体制で、まちづくりを進めているのかを伺う。

そこで質問をいたします。

質問4

また、これまでに地域に出向く中で、どのようなことをまちづくりの課題として捉えているか伺う。さらに、地域におけるまちづくりの課題を踏まえて、今後、6地区において、具体的にどのような道筋でまちづくりを進めていくのか、区の所見を伺う。

昨年の決算特別委員会に置いて、流山市における戦略的に緑を増やし、まちのブランド価値を上げ、市場価値を生み出し、それが引いては低炭素のまちづくりにつながる、という提言をさせていただきました。新規に開拓をしていくまちはコンセプトによって方向性をつけることが容易と思われます。これからの課題は、杉並区のように市街化が進み、成熟した住宅都市が今後どのように変化を遂げていくことになるのか。その行く末を注視している研究者の多くいることでしょう。一つの方向性だけを追うことなく、あらゆる情報を収集し、それえを集約して今後の杉並区を再び作り直していく、その志をもってこそ、次世代へ残していけるまちづくりができるといえると考え、それを実現できる杉並区であってほしいと強く要望いたしまして、わたくしの質問を終わります。