山本あけみ「緑ゆたかな環境を子どもたちへ」

建築士や生活者として、都市計画・公共施設マネジメント・地球温暖化対策・SDGsなど、独自の視点で日々発信

平成24年 第一定例会が終わりました。

2012-03-26 | 議会報告

第一定例会(平成24年2月16日~3月22日)が開催され、一般質問をいたしました。

質疑と答弁の内容を下記のとおりまとめました。

是非ご覧になってくださいませ。

また、杉並区議会のホームページに動画がアップされています。

http://www.gikai.city.suginami.tokyo.jp/vod/24-01/240217.htm

 

 

「放射第5号線と都市計画高井戸公園周辺のまちづくりについて」

本年2月3日、東京都による放射第5号線久我山区間と都市計画緑地玉川上水緑道についての工事説明会があり①工事用車両の通行経路②施工順序③平成23年度工事(搬入路設置工事、樹木植栽工事)④安全対策⑤環境対策について説明がありました。また昨年12月26日都市計画高井戸公園が正式に東京都の優先整備区域に入り、平成24年度予算で既に旧NHKグラウンドの取得金額が計上されています。

杉並区南部地域を大きく変化させるこの2つの事業が及ぼす区民生活への影響等質問をしました。

 

Q1放5工事用車両の通行時間帯など住民への配慮が必要では? 

A1 都では交通誘導員配置と通学時間帯配慮の安全対策を実施、区は必要な要望をしていく。

 

Q2岩崎橋の歩行者用通路は片側一か所、幅1m70cmだが、この通路は通常の歩行者や高齢者、車椅子、ベビーカーを押す人、そして白い杖を使いながら特別支援学校に通う視覚障害の生徒さんなどの往来に不十分。滞りなく放5を渡るため岩崎橋拡幅が必要では?

A2 都と警視庁の右左折規制協議の結果に基づく信号の間隔決定後、歩行者の滞留度合から判断する。

 

Q3玉川上水沿へ横断道が少なく分断され、新たな緑地は陸の孤島となり、近づきづらく防犯上大変危険な場所になるのでは?

A3都や警視庁による横断箇所協議後、必要であれば要望をして行く。

 

Q4久我山の1,3km区間が完成しても、それに続く暫定供用区間の道路整備が完成しないと新たな渋滞を巻き起こす。都が4車線化すると説明をしている暫定供用区間の現状は?

A4昭和48年から51年にかけての地域住民と当時の日本道路公団、東京都などで構成された協議会での協定締結を踏まえ、継続して協議していく。

 

Q5現在の久我山駅に向かう岩通通りで行われている車両の通行時間規制の継続は?

Q6富士見ヶ丘駅近辺の道路は幅が狭い上に交通量が多く事故件数も多い。岩通通りや富士見丘通りを含む生活道路への通過交通の抑制により区民の安全を守ることへの区の見解は?

A56都は岩通通りの規制は工事中及び完成後も変更の予定なしと説明。区も変更必要なしと考え、都や交通管理者と調整しながら通過交通の流入防止のための工夫に努め、交通安全を図って行く。

 

Q7放5開通後、岩通通りホタルまつりや富士見丘通り夏祭りの開催が危ぶまれるのでは?

A7地域行事は区民交流や商店街振興など重要。継続開催と考え、出来る限りの協力・支援をしていく。

 

Q8久我山3か所の大きなグラウンドを含む一帯が都市計画高井戸公園として東京都により優先整備区域に指定されたが進捗は?

A8(田中区長)3か所全てが指定されたことで大きく前進、今後は基本計画の策定、設計、整備と順次進められる予定。区は区民意見を踏まえ、東京都に積極的に意見を述べていく。

 

(いつものパークウェイの時に載せている3枚の写真、今回からパークウェイはしばらく載せません。)

 

Q9今後の整備に地域住民の意見を取り入れるべきと考えるがいかがか?

Q10今後この地域の用途地域変更の予定は?また、その場合の手順は?景観計画との関連は?

A9,10

「まちづくり構想」を受け止め、地元意見を聞きながら地区計画策定を目指し、その中で用途地域の見直しを行う予定。平成24年度に住民意向調査などを行い、「まちづくり計画」を策定し、平成25年度に住民説明会などを開催し、都市計画の手続きを進めていく。景観計画の基本的な考え方の変更なし。

  杉並区に新たに出来る大きな都立公園への区民の期待は大きく、私の元へは防災機能の他に子供たちが自由な発想で遊べるスペースやこの地域に少ない図書館、世代を問わずに利用できるコミュニケーションスペースを作って欲しいなどの声を多数頂いております。山本あけみはこれらの声を杉並区へ届け、そして、区は区民要望を東京都に届けて行ってもらいたいと考えております。「放射第5号線」と「都市計画高井戸公園」という二つの大きな東京都の事業は隣接し、みどりの形成や利便性向上から一体のものとして進めていく必要性があります。ランドスケープデザインを取り入れた新たな都市整備計画を杉並区から提案をするといった、前向きでより一層踏み込んだ形での整備推進を要望していきます。

 

 

「区立小中学校の教育について」

Q1杉並区の国語教育や外国語活動の充実による児童・生徒の言語能力をはぐくむ教育の必要性と

区立学校で行われる教育活動の現状とは?

A1言語能力育成は重要、国語は「言葉の教育」を、英語はコミュニケーションを図る態度を養っていく。

 

Q2中学校保健体育科で必修となる武道の危険性の認識と指導者の安全指導力量向上を含む対応策は? 

A2保健体育科教員の安全指導の資質・能力向上に努め、専門指導員の派遣により適切な安全指導を指導・助言していき、その力量向上のための研修を実施。

 

Q3教師が教育についての見識を広める目的に行う海外の友好都市や先進地域への教育視察・研修派遣に大変大きな成果を期待できると思う、区の考えや今後の方向性は?

A3教員が海外に行き見識を広めることは資質・能力向上等効果が期待できる。文部科学省や東京都教育委員会実施の海外派遣研修等への積極参加を働きかける。


3.11を忘れない

2012-03-10 | 活動日誌

明日で東日本大震災から1年になります。

肉親を失った方々にとっては区切りなど付かぬほど短いと感じ、

また、ご家族に未だ行方が分らない方がいらっしゃるなら、

早く発見されることを念じ続け、さぞ長く感じた一年だったでしょう。

 

大震災、原発事故、放射能、とこれまで向き合ったこともないほどの大惨事に言葉を失いながら過ごした

あっという間の一年でした。

 

杉並区でも矢継ぎ早の復興支援、放射能対策、これから起きるであろう東京の震災対策を打ち出して入るものの、

備えへの不安はぬぐいきれない感があります。

 

明日、杉並公会堂では「南相馬市を応援しよう!3.11を忘れない」として災害援助のビデオ上映などのセレモニーをし、

午後は区内各駅で募金活動をいたします。

私も久我山駅で13時過ぎから募金活動をいたしますので、お近くを通られたら是非お声をかけてくださいませ。

 

被災された方々のお心が、少しでも早く癒されますよう、お祈りを申し上げます。

 


平成24年第一定例会一般質問・教育その3

2012-03-08 | 議会報告

今回の一般質問の最後に教育の現場での研修制度の一環として教師の留学制度を推進してはどうかという提案をいたしました。

内向きの足元だけを見ている議論では良い教育はできないと思います。

瑞々しい子たちの感性を刺激し続けることができる教育とは?と問い続けることが必要だと考えています。

 

以下、質問内容です。

さて、皆様は「ガラパゴス化現象」という言葉をご存知でしょうか?

2007年に発売された『2015年の日本』(野村総合研究所著によると、技術やサービスなどが日本市場で独自の進化をとげて、世界標準からかけ離れてしまうという現象が起こっており、生物の世界でいうガラパゴス諸島における現象にたとえられて「ガラパゴス化」といわれているとあります。日本特有の商慣行や独自の機能にこだわりのある消費者により、海外とは異なる独特の市場が作られ,このような日本市場の異質性は、生物の世界でいう諸島内で独自の進化をとげた固有の生物が数多くあるガラパゴス諸島の現象に例えられているというものです。

 

 長引く景気低迷やこれから起こる人口減少による国内需要の低迷は経済活動において、より一層のグローバル化を求めることになるにもかかわらず、海外への留学者数減少などに見られるような国民の内向きの思考には前述のガラパゴス化現象が一層進み、この先経済発展を遂げられず日本全体が萎縮していくのではないかという懸念が生まれてきます。

 

 教育においてはさまざまな改善策が日々続けられていくことを望みますが、その中では、教師自身も内向き思考にならないように教育についての見識を広めることが必要だと考えています。

 

 先日、北欧の国、フィンランドのミッケリ市という都市に教育関連の施設の視察に行ってまいりましたが、これは国際的にも評価の高く、PISAの学習到達度調査において10年以上も最上位にあるフィンランドの教育現場を実際に見ることによって、今後の区政運営の一助にすること、また、教育先進国であるフィンランドの都市と友好的な関係を築くことにより、杉並区の基本構想にも掲げられている「次世代を担う子どもや青少年が国内外の交流等の体験活動を通じて、健やかな成長を育んで行く」ことができる杉並区として、区内外にそのイメージを強固なものとし、かつ今後の実践的な活動に発展させることができないかを模索するという目的でありました。

 

 フィンランドと日本では人口・地理的条件・歴史や国民性の違いはありながらも学ぶことは多いと感じております。人口約520万人という北海道とほぼ同等の少なさであり、また、資源に恵まれないという条件ながらも教育こそ次世代の国を作る資本であるとの考え方から教育改革に取り組み、ノキアという世界的な企業を作り出したこと。グローバル化促進のため第二外国語の英語教育に力を注ぎ、その体制で教育を受けた人は英語をほぼ話すことが出来るという現状を見て知ったことは私にとって大変な成果でした。

 

実際に日々教育の改革に取り組んでいる人こそ、こういった体験をして欲しいと考えています。

 

そこで最後にお尋ねをいたします。

教師が教育についての見識を広める目的に行う海外の友好都市や先進地域への教育視察・研修派遣については大変大きな成果を期待できると思いますが、区の考えや今後の方向性についてはいかがでしょうか。

 

最後に、住宅都市「杉並」のさらなる発展に向けて10年ビジョンの区政を模索するという大きな節目において、区議会議員として何が求められ、どういったことが出来るのか?日々考えながら私も模索を続けておりますが、今後とも杉並区の発展に向けて杉並区議会が活動を続けていくことへの一助となることをお約束をして質問を終わらせていただきます。

 

 

 


平成24年第一定例会一般質問・教育その2

2012-03-05 | 議会報告

引き続き、教育関連の質問です。中学生の武道必修化に伴い懸念される事故の未然防止を願っています。

以下、質問内容です。

また、来年度より、中学校において男女とも武道が必修科目となります。 これは、子供の体力低下などを受けて学習指導要領が2008年3月に改訂され、2012年度から中学1,2年時の武道である柔道・剣道・相撲の選択必修が決まったもので、国の教育振興基本計画の中にある「我が国固有の伝統的な文化である武道の振興を支援する。」という項目を受けたという背景があります。

 

 この中の柔道に対しては安全性を危惧する声が多数あり、朝日新聞の社会欄においては「柔道授業高いリスク」とし、頭・首の負傷事故は部活の2.4倍とし、また、毎日新聞は社説で「柔道死亡事故、必修化前に安全徹底を」と警鐘を鳴らしています。

 

 日本スポーツ振興センターの柔道死亡事故データには資料が残っている28年間の学内での死亡例として114人、障害が残った人数は275人という事例があります。この中には一般の道場のデータは含まれないため、全国の正確な被害者数の把握はされていません。また、全日本柔道連盟資料によると2009年、2010年の死者数はそれぞれ7人と毎年多くの被害が報告されています。

 

 2010年3月に設立された「全国柔道事故被害者の会」ではご自身の子どもさん達の死亡や後遺障害へと至った経緯をまとめ、事故撲滅を目指して活動をされています。

 

 一方で他国をみると、柔道人口は日本の3倍、その85%が18歳以下というフランスでも死亡事故・後遺障害の被害者はゼロとのことで、イギリス、ドイツ、カナダ、アメリカ、オーストラリアの各柔道連盟の報告でも死亡はゼロということです。

 

 フランスでは柔道指導は大変厳しい国家資格が必要であるのに対し、日本では来年度から資格制度が始まりますが、今年度から始まる武道必修化への体勢はまだ整っていません。

 

 授業ではじめて柔道を経験する初心者の生徒への指導には技術のみならず、医学的知見に基づいた指導、つまり投げ技をかけ、頭を強く何回も振りまわされた場合の脳への影響や、絞め技という頸動脈を圧迫することの危険性を認識するなど、安全性管理においても熟達した指導者であることが求められ、単に柔道の経験者というだけでは指導者にはなりえないということを再認識する必要性があります。杉並区内において絶対に被害者を出してはいけない、という強い思いのもとでお尋ねいたします。

 

中学校保健体育科で必修となる武道の危険性について、区の認識と指導者の安全指導についての力量向上を含む対応策についてはどのようにお考えなのでしょうか、ご所見をお伺いいたします。

 


平成24年第一定例会一般質問・教育その1

2012-03-02 | 議会報告

まちづくりに続き、教育に関して一般質問をしました。

杉並区の公立の小中学校では学級崩壊などの事例は報告されておらず、

地域ごとの格差も少ないと感じています。

これに甘んじることなく、より良い教育を実行できる杉並区になって行って欲しいと思います。

 

以下、質問の内容です。

次に「区立小中学校の教育について」お尋ねいたします。

 

 まず、教育の本来的な目的とは何でしょうか?

それはひとりひとりが将来自活をして生活者と成っていくために必要な知識を系統立てて取得をするための手段であるといえると思います。そういった意味において幼児期から学童期に入る過程は「教育」という概念を一人ひとりの子供が認識しはじめ、将来の自立に向けて歩みだす大きなスタート地点に立っているといえるでしょう。

 

 平成203月まで学習指導要領等の教育課程の基準によらない特別の教育課程の編成・実施を可能とする特例については、同年4月から文部科学大臣の指定により行うことが可能となりましたが、この動きに先行する形で杉並区では独自の教育体制を築く先駆的な取り組みがされてきました。

 

 区内小・中学校ではそれぞれ独自のホームページも完備し、その中で<教育目標><校風・伝統><学校周辺の環境><特色ある教育活動 >を掲載し、一層の充実を図っていることに関しては心強い限りです。

 

 教育の中でも自分の考えていることを言葉を用いて伝えていくという能力は教育のみならず、ひとが生きて行く上で必要な他者とのコミュニケーションをとる最良の手段であり、重要と言えるでしょう。

 

 また、教育という範囲においては全ての学力向上には、問題点を理解し、その先にある答えを導き出すためのまず第一に身につけなければならない能力を高めるという点で国語教育が最も重要と考えます。

 

 そしてまた、今後より一層進むであろうグローバル化においては外国語に触れ、理解する必要性が増してくるでしょう。そこでお尋ねいたします。

 

 杉並区での国語教育や外国語活動の充実による児童・生徒の言語能力をはぐくむ教育の必要性と区立

学校で行われる教育活動の現状とはどのようなものなのでしょうか、お伺いします。