八王子市のお散歩日記

自然豊かな八王子市内をお散歩しながら植物・昆虫・野鳥等を日記で綴る

2023年 高尾山:セッコク(石斛)、ムヨウラン(無葉蘭)等

2023-05-27 20:32:20 | 花と蛾

4月23日以来の高尾山登山です。晴天の土曜日とあって大勢の登山者が来ていました。最近は若い人たちが目立つように思います。

今はセッコク(石斛)の最盛期で自生のセッコクが1号路と6号路に多く、ケーブルの清滝駅や高尾山駅には植栽されたセッコクが咲いていました。ラン科の単子葉植物で着生植物。高尾山では1,6号路の杉の大木に着生している。

ケーブル清滝駅構内

ケーブル高尾山駅構内

6号路

1号路

6号路にはイナモリソウとホシザキイナモリソウが咲いていました。

イナモリソウ(稲森草):他にも1号路に咲いていました。前は5号路にも咲いていたのが無くなり最近減少したように思います。アカネ科の多年草で江戸時代に鈴鹿の稲森山から採取したものを売り出したことから名付けられた。

ホシザキイナモリソウ(星咲稲森草):イナモリソウの変種で花弁の縁が内側に折り畳まれて咲くため細い星型に見える。牧野富太郎博士が高尾山で発見したもの。他に変種として葉に斑が入るフイリイナモリソウ(斑入稲森草)がある。

5号路にフイリヒナスミレ(斑入雛菫)の葉がありました。花はなくても綺麗な葉です。

ウリノキ(瓜の木)が咲き始めていました。ウリノキ科の落葉低木。花は6~8本の花弁が外側にくるりと巻き上がり、黄色い雄蕊は6~8本で白い雌蕊は雄蕊より長く突き出る。

紅葉台南巻道のツレサギソウ(連鷺草)がちょうど咲いていました。ラン科の多年草。長い唇弁が特徴。

 

サルナシの花は終わっていました。

ワニグチソウ(鰐口草)は今年も何とか2株だけ咲いていました。キジカクシ科の多年草で名前は神社で参詣者が鳴らす「鰐口」に似ているため名付けられた。

冨士道でウメガサソウ(梅笠草)の咲いているのが1株だけ何とか見つかりました。イチヤクソウ科の常緑小低木で花期は6~7月。下向きに笠のように咲くので撮影しにくい。1枚目の写真は前年の果実と共に写っています。

 

薬王院に咲いていたユキノシタ(雪の下)。大きく撮影すると綺麗な花なので挙げておきます。

ムヨウラン(無葉蘭)も咲いていました。3号路に行っていないので分かりませんが、場所によってはまだ蕾のものもあるのでしばらくは楽しめるでしょう。ラン科の多年草で菌従属栄養植物。

ムヨウランの蕾

ムヨウラン

 

ムラサキムヨウランが一株だけ見つかりました。ムヨウランの品種で全体が紫色をしています。

近くに白いサイハイランがありましたので挙げておきます。

1号路に戻ると

タチガシワ(立柏:キョウチクトウ科の多年草)に果実が出来ていました。この仲間は結実率が低く果実がなかなか見つからないので、何とか弾けて白い毛が付いた種子が出るまで残っていてほしいものです。中心部分でV字形になっているのが果実です。

ツチアケビ(土木通)はまだ蕾でしたが5本出ていました。

石垣にヤブムグラ(薮葎)の小さな花がが咲いていました。アカネ科ヤエムグラ属の多年草。この仲間にはよく似たものがあるので、あるいは間違っているかもしれません。ご指摘頂ければ幸いです。

今日出会った蛾は

オオカギバ(大鉤翅):カギバガ科の開張5~6cmある大型の蛾で幼虫はウリノキを食す。日中飛ぶときはモンシロチョウやスジグロシロチョウと見間違う。

ベニシタヒトリ(紅下灯蛾):ヒトリが科の蛾で後翅(前翅の下になる)の色が紅色に黒色の斑紋がある。後翅が見えないのが残念です。

最後に人家に咲いていた花で園芸種だと思いますが名前が分からない花を挙げておきます。

以上

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2022年 片倉城跡公園:カイコバイモ(甲斐小貝母)とカタクリに蕾が出来ました。

2022-03-09 17:05:16 | 花と蛾

片倉城跡公園を散策です。

カイコバイモ(甲斐小貝母)3株に蕾が出来ていました。間もなく咲くでしょう。咲くといっても下を向いて咲きますのであまり変わり映えがしませんが。

 

カタクリにも蕾が出来ていました。ただし、公園内部のカタクリはまだ葉が出ているだけで蕾は1本もありません。咲くのはだいぶ先になるでしょう。

 

ミスミソウがあちこちに多く咲いています。

住吉神社にシモフリトゲエダシャクが1頭いました。シモフリトゲエダシャク(霜降棘枝尺)は名前にフユが付きませんが冬尺蛾の1種で前翅長26mmぐらいの比較的大きな冬尺蛾です。最も遅く出て来るようです。

片倉つどいの森公園にウスベニスジナミシャクが飛んでいました。この波尺は模様の色の変化が激しい蛾ですが前に挙げたものと比較していただくと良く分かります。

ご参考:5日に掲載したウスベニスジナミシャク

以上

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2022年 片倉城跡公園:早春の蛾ウスベニスジナミシャク(薄紅筋波尺)等

2022-03-05 16:06:41 | 花と蛾

今日も片倉城跡公園近辺を散策です。今日は春一番が吹いたようで暖かく山々が霞んで見えました。関西地方では黄砂が飛んでいたようですが、こちらのは恐らくスギ花粉が沢山飛んでいたのでしょう。

雑木林に早春の蛾ウスベニスジナミシャクが1頭止まっていました。ウスベニスジナミシャクはシャクガ科ナミシャク亜科で早春、3月~4月に出て来る蛾。ご覧の通り縞模様が特徴的で模様の色彩には変化が多い。大きさは開帳20~24mmといわれるが、この個体はご覧の通り前翅長17mmぐらいです。蛾や蝶の大きさは開帳が使われることが多いが、開張だと標本の形にして翅の先端と先端の間を計測しなければならないが、前翅長の方がこの写真のように簡単に測れて分かりやすい。幼虫はブナ科の木の葉を食するので雑木林に多く見られる。

  

今日の花は上の畑地に咲いていたナズナ(薺)で春の七草のひとつです。別名ペンペングサは果実の形が三味線の撥に似ているためとか。この時期、畑地にはオオイヌノフグリとホトケノザと共に沢山咲いています。

アマナの葉も沢山出ていました。間もなく蕾が出てきて花を咲かせるでしょう。

以上

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2022年 片倉城跡公園:ヒロバフユエダシャク(冬尺蛾の1種)、フクジュソウ(福寿草)等春の兆し

2022-02-04 16:02:19 | 花と蛾

片倉城跡公園の桜の幹に冬尺蛾の1種であるヒロバフユエダシャクを1頭見つけました。何処にいるかわかりますか?

ヒロバフユエダシャクはシャクガ科エダシャク亜科の冬尺蛾で開帳30~40mm。もう少し後で出て来るよく似たシロフフユエダシャクよりやや大きい。2月頃から3月にかけて出てきます。翅の退化した雌も探してみよう。

この蛾が出て来ると春近しという感じがしますが、春の兆しを探してみよう。

片倉城跡公園は行く途中の農家でフキノトウが出ているのを見つけました。3個ほどありました。

片倉城跡公園では

ミズバショウの芽が出ています。

フデリンドウの芽もあちこちに出ていますが、まだ蕾は持っていません。

 

コナラだと思いますがドングリの根が出ており、中には殻が割れて幼芽が見えているものもありました。毎年沢山のドングリが芽吹くのですが成長するものはありません。

 

福寿草の芽吹き:蕾は2個ありますが咲くにはもう一息です。昨年はもう咲いていました。今年は咲くのが遅い。

今日は立春。春近しです。

ハリギリの大木の上に果実が出来ています。

ヤマウコギ(山五加木)の冬芽:ウコギ科・属の落葉低木で花期は5月、果実は7~8月に赤褐色から黒紫色に熟す。冬芽は鱗芽で2mmほどの卵形。褐色の芽鱗が3~4個ある。半月形で維管束痕は7個。葉痕の下に鋭い棘がある。

リョウブ(令法)の冬芽と葉痕:リョウブ科・属の落葉小高木で花期は6~8月、果実は蒴果で褐色に熟す。昔、若芽を食料にするため令によって植えさせたためこの名が付いたという。冬芽は頂芽が円錐形で鱗芽。芽鱗は2~3個あるが剥がれやすく冬の間には裸芽になる。葉痕は三角形~ハート形で維管束痕は1個。冬芽の上で剥がれかかっているのが芽鱗。

この芽鱗は4個に見える。

以上

 

 

 

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2021年 高尾山:ツルマサキ(蔓征木、蔓柾)、クサボタン(草牡丹)の果実等

2021-12-22 11:01:25 | 花と蛾

12月21日。10月28日以来久し振りの高尾山登山です。

今日も山頂からの富士山は綺麗です。明日は冬至で、今日も山頂からダイヤモンド富士が見られるので、その撮影のため良い場所を確保するため昼前から三脚を備え付けている人がいました。今日は天気がいいのでダイヤモンド富士が綺麗に見えるでしょう。

昨日寒かったので氷のシモバシラが出来ているかと思い見に行ったのですが、残念ながら出来ていませんでした。

高尾山口駅から小仏川へ廻る途中で大きなツルマサキがあり非常に多くの果実を付けていました。ツルマサキはニシキギ科・属の常緑つる性木本で他の樹木に気根で絡みつき大きくなります。キヅタと同じで元の樹木を枯らすことはなさそうです。花期は6~7月で果実は10~11月頃熟し、4裂して橙赤色の仮種皮に包まれた種子を出すのはマサキと同じです。ただし、マサキはツルマサキほどの多くの果実は付けません。

  

ご参考:マサキの果実

小仏川沿いにミヤマフユイチゴ(深山冬苺)の果実がありました。先日多摩森林科学園でフユイチゴ(冬苺)を掲載しましたが、ミヤマフユイチゴの葉は尖っているのが分かります。

ご参考:フユイチゴの果実

蛇滝道ではツルギキョウの果実が沢山ありました。花期にはこんなに沢山咲いていなかったのですが。花はバラバラと咲くのに果実になると残っている期間が長いからですね。

 

ご参考:ツルギキョウの花

山頂にあるムラサキオニシバリはまだ蕾です。

アブラチャンの綺麗な冬芽、花芽と葉芽が出来ていました。葉芽は紡錘形、花芽は球形、葉痕の維管束痕は1~3個です。

ご参考:アブラチャンの花:花後に葉が出ます。

一丁平北巻道にあるクサボタンは白い髪の毛のような綺麗な綿毛の付いた果実になっていました。

 

ご参考:クサボタンの花

萩原作業道ではまだヒヨドリジョウゴの果実が残っていました。

旧甲州街道ではサネカズラの果実が沢山ありました。これもこれだけまとまって見られうのは珍しい。

 

ご参考:サネカズラの花(赤色が雄花、緑色が雌花)

 

以上

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