田舎へ行ってご/見てご!

二地域居住(田舎暮らし)、花・写真、古民家めぐり、旅、日々のあれこれなど。

春の花:飛葛

2022年04月30日 | 花さんぽ・花めぐり

2年前の4月のこと。

特別天然記念物、作業員が誤って伐採…市教委「深く反省」』とのニュース。全体のほぼ半分が失われた。

熊本県山鹿市菊鹿町相良に自生する国の特別天然記念物「相良のアイラトビカズラ」(推定樹齢は1000年)が誤って伐採されてしまったとのこと。

'190513 私はその1年前に高知県立牧野植物園で「トビカズラ(飛び葛)」(Mucuna sempervirens)の花に出会うことができました。

同園の株は相良の個体由来で、1980年頃に導入したものを栽培管理しているそうです。

偶然前を通りかかった時はあまりの凄さにびっくりしました。

和名の由来は諸説あり、源平合戦の時に観音像が空を飛んでこの木に飛び移り、焼き打ちを逃れたという伝説から「飛葛」と名付けられたと言われています。

長く日本国内に1個体のみが自生すると思われていましたが、2020年9月に長崎県佐世保市の九十九島の中の時計島(とこいじま)という無人島で、'2010年には熊本県天草市倉岳の裾野で新たに自生しているのが発見されており、国内には自生は3個体ということになります。

相良も含めて、いずれも古い時代に中国から持ち込まれて逸出し野生化したものではないとかと考えられています。

’220425 今回3年ぶりに見た「つくば植物園」の株

マメ科トビカズラ属の常緑つる性大型木本で、中国南部~南西部原産

つくばの個体も熊本県相良の由来でしょうか?

4月下旬から5月に幹や太い枝の節から花序を伸ばします。

長さ7~8cmある暗紫色の花を10から20個付けます。

かつてはなかなか開花せず、日清・日露戦争時に咲いたため「世に異変が起きる花」として恐れられてたそうです。

牧野植物園では毎年たくさん開花しているそうです。

果実は見たことがありませんが、細かく鋭い毛が生えていて、触ると刺さるので危険とのことです。

(※京都府立植物園及び高知県立牧野植物園の解説を引用し、編集)

 


春の花:羅生門葛

2022年04月29日 | 花さんぽ・花めぐり

ラショウモンカズラ(羅生門葛)」(Meehania urticifolia

'220425 花冠の様子を平安京の羅生門で武将が切り落とした鬼女の腕にたとえたもの。

ネーミングの発想が凄いですね。本州~九州、朝鮮半島、中国に分布。

山地のやや明るい林内や林縁に生え、全体に香気がある。

シソ科ラショウモンカズラ属の多年草 

花期:4~5月 花茎は直立し、高さ20~30cmになる。

'220413 花冠は紫色で長さ4~5cmほど。

下唇の中央裂片は、大きく、下方に反り返り、濃紫色の斑点がある。

'050910 葉はハート形で、ふちに鈍い鋸歯がある。

花後、地面にランナーとも呼ばれる細い茎を伸ばしてふえていく。

冬は葉が枯れて休眠し、春になると再び芽吹く。


春の花:蓮華躑躅

2022年04月28日 | 花さんぽ・花めぐり

'220415「レンゲツツジ(蓮華躑躅)」(Rhododendron molle subsp. japonicum)

名前の由来は花が輪状に並ぶ姿を仏の蓮華に例えたとされる。

北海道西南部から九州まで分布

ツツジ科ツツジ属の落葉低木 樹高1~2m 

葉には毒があり、牛馬が食べて中毒をおこすことがある。

'220425 単独で生えることは少なく、日当たりの良い高原などに群生する。

中でも「湯の丸高原」の群生地(60万株)は有名で天然記念物に指定。

花期:4中旬~5月 花色は朱赤色ですが、変化が多く、やや薄い色のものもある。 

花冠は直径5~6cmの漏斗型で5中裂する。雄しべは5個。

’220425 レンゲツツジの花色が黄橙色、黄色の品種「キレンゲツツジ(黄蓮華躑躅)」( f. flavum

本州・四国・九州の山地の林縁や草地に生える。 


春の花:赤星石楠花

2022年04月27日 | 花さんぽ・花めぐり

’220413 つくば植物園

アカボシシャクナゲ(赤星石楠花)」(Rhododendron hyperythrum

ツツジ科ツツジ属の常緑低木 台湾原産 樹高:2m~4mになる。

花期:4月中旬~下旬 花冠は長さ約5cmの漏斗状鐘形で5裂、蕾時はピンク

花の中央部に赤い斑点模様がついておりこれが名前の由来。

'201029  暑さにたいへん強く、接ぎ木の台木用として大量に生産されているそうです。


春の花:ケマンソウ

2022年04月26日 | 花さんぽ・花めぐり

高山植物の女王と称されるコマクサの仲間「ケマンソウ(華鬘草)」(Lamprocapnos spectabilis) 

私は別名「タイツリソウ(鯛釣草)」の方が馴染みがあります。

海外では、この花の形を心臓に例え「bleedeng heart (血を流す心臓)」などの名前で呼ばれます。

ケシ科コマクサ属の耐寒性多年草 中国東北部~朝鮮半島原産

草丈:30~60cm、花期:4~6月  

蕾の時はハート形で開くと両側に巻き上がります。花の長さ3cmほどで紅色、先端が白色

釣竿のように伸びた花序に1列に10数花を下垂させるようにつけます。

この様子が仏堂の欄間の飾り、華鬘(けまん)に似ていることが名前の由来。

葉は牡丹の葉に似ていますは、葉や根には毒があるので注意が必要。

白花(アルバ:Alba)の園芸品種

こちらは同じ仲間の「ヒメケマンソウ(姫華鬘草)

別名:ヒメタイツリソウ(姫鯛釣草)、アメリカコマクサ(亜米利加駒草)

米国東部原産 花期:4~7月 細長いハート形で、淡い紅色~紅紫色

全体的にケマンソウより小ぶりで、葉も細かく切れ込みます。