2年前の4月のこと。
『特別天然記念物、作業員が誤って伐採…市教委「深く反省」』とのニュース。全体のほぼ半分が失われた。
熊本県山鹿市菊鹿町相良に自生する国の特別天然記念物「相良のアイラトビカズラ」(推定樹齢は1000年)が誤って伐採されてしまったとのこと。
'190513 私はその1年前に高知県立牧野植物園で「トビカズラ(飛び葛)」(Mucuna sempervirens)の花に出会うことができました。
同園の株は相良の個体由来で、1980年頃に導入したものを栽培管理しているそうです。
偶然前を通りかかった時はあまりの凄さにびっくりしました。
和名の由来は諸説あり、源平合戦の時に観音像が空を飛んでこの木に飛び移り、焼き打ちを逃れたという伝説から「飛葛」と名付けられたと言われています。
長く日本国内に1個体のみが自生すると思われていましたが、2020年9月に長崎県佐世保市の九十九島の中の時計島(とこいじま)という無人島で、'2010年には熊本県天草市倉岳の裾野で新たに自生しているのが発見されており、国内には自生は3個体ということになります。
相良も含めて、いずれも古い時代に中国から持ち込まれて逸出し野生化したものではないとかと考えられています。
’220425 今回3年ぶりに見た「つくば植物園」の株
マメ科トビカズラ属の常緑つる性大型木本で、中国南部~南西部原産
つくばの個体も熊本県相良の由来でしょうか?
4月下旬から5月に幹や太い枝の節から花序を伸ばします。
長さ7~8cmある暗紫色の花を10から20個付けます。
かつてはなかなか開花せず、日清・日露戦争時に咲いたため「世に異変が起きる花」として恐れられてたそうです。
牧野植物園では毎年たくさん開花しているそうです。
果実は見たことがありませんが、細かく鋭い毛が生えていて、触ると刺さるので危険とのことです。
(※京都府立植物園及び高知県立牧野植物園の解説を引用し、編集)
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