おやじのつぶやき

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面接点0点は憲法違反!

2005-01-24 20:49:39 | 教育
 都立高校の推薦入試の受付が始まった。例年、都立では募集人員の何割かを推薦で合格させる。推薦入試は、通常は、中学校からの調査書、面接、自己PRカードをそれぞれ点数化し、その合計点数によって合否を判定する。毎年、募集数の何倍もの受験生が応募することになる。これ皮切りに都立高校の入試がスタートする。
 さて、1月23日付け「東京新聞」に昨年の都立拝島高校の推薦入試で面接0点が10人を超えていたという記事が掲載された。それによると、昨年の推薦入試の際、200点満点の面接において0点が10人以上あったという。
 そして、教育評論家の阿部進氏の「『あなたは試験を受けなかった』と言っているのに等しい。人格否定ではないか。」という内容のコメントを載せた。さらに、東大名誉教授(教育学)の大田堯氏のコメント「零点というのは、『可能性がない』と言っているのに等しい。憲法の基本的人権や教育基本法の『個人の人格を尊び』という原則にも反する」という内容を掲載した。
 どちらの発言にも「と言っているのに等しい」と同じような表現があるので、どちらも発言通り掲載したとはいえないが、それにしてもちょっと待って下さい!って思う。
 そもそも推薦入試は、保護者や中学生がその学校の期待する生徒像や学校の理念・目的に共感して、ぜひ入学したいとの意欲をもって受けるはずのものだ。
 拝島高校では、事前に期待する生徒像を公開している。そこには、「中学で欠席が非常に少ない」「頭髪・制服などのルールを守れる」「授業を真剣に受け、学力の向上を目指す」などがあげられている。その「生徒像」を評価基準として受験生1人につき2人の教師が15分程度面接を実施したとのこと。2人の面接官の点数配分、合計の点数換算などは定かでないが、2人とも0点ということは、常識的に考えれば、受験生自身の、面接態度、服装、意欲、受け答えなどがきわめて非常識だったということではないか。
 一般的には、高校入試(ふだんのテストも)は、できるだけ答案をよく見て、なるたけ点数をあげて合格させる「加点法」、それに対して、大学入試は、できるだけミスを見つけてなるたけ点数をあげないで不合格にする「減点法」だと言われている。そのやり方で0点ということは、よほどのことだ。
 あくまでも「期待する生徒像」の観点から見て「0」ということで、何も人格そのものを否定したものではない。また、何もその人間を「可能性がない」と決めつけたのではない。その学校で学ぶには無理があるとしただけだ。だったら、大学入試で点数によって可能性がないと不合格にせずに、皆の可能性を育むよう、まず大田さんのいた東大から受験生を全員合格させたらいい。ましてや、憲法だの教育基本法をもちだして大上段にふりかぶる必要はない。
 普通の試験だって、白紙で0点ということはあるのだから。   
 拝島高校も、本当にずるければ、最初から50点を与えて(面接に来たことで一律50点加えておく)、そこから加点していけば何の問題もなかったのだ。1年後にこうして新聞記事になることもなかった。
 都教委も都教委。「入試の評価方法は各校の判断に任されている」だと。こういうときにこそ、「各校に任せてある判断については、それぞれ妥当性をもって判断している」くらいのことは言ってもらいたい。
 それにしても、阿部さん、大田さん、まだまだお元気だったのですね。なによりですね。

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