おやじのつぶやき

おやじの日々の暮らしぶりや世の中の見聞きしたことへの思い

成果主義に踊らされる!

2006-02-16 23:12:55 | 教育
 どの分野の企業でも評価主義が大流行。しかし、早期に取り上げた企業でも、このままでいいのか、という評価主義の行きすぎの反省も踏まえて、評価主義にも一定の歯止めがかけられつつある。
 ところが、そうした民間よりさらに一歩も二歩も遅れて、近年、公務員にもそうした評価制度が導入されてきている。さらに、さまざまな問題点が浮き彫りにされて来ているにもかかわらず、またまた遅れて公立学校などの教育職員にも一般職と同じような評価制度が導入されてきている。
 評価制度によって、教職員のやる気を起こさせる、直接的には、成果が著しい者に対しては給料をアップし、極めて低い者は昇級を伸ばす(減収)ことにした。このために、それぞれ1年間の目標を設定し、その成果を段階別に自己評価、管理職は部下の成果を評定する。
 こうした制度導入に対して、最近の公立学校の教職員に対する世間からの厳しい批判と、これまでの公務員批判とが重なって、世間では好意的に受け止められている。それほど、世間の目は厳しいとも言えよう。
 しかし、それが成果即給料となって機能していくとき、いったいどういうことが現場で起こってくるだろうか。成果主義は、目の前にはっきりと成果たるべきものを見せることである。誰の前に?管理職の前に。学校の成果は誰の前に?教育委員会の前に。・・・
 こうして、どこの学校でも同じような成果主義が横行し始めている。高校での例は、遅刻指導。服装指導。センター試験での高得点。難関大学合格率アップ、等。中学校では、学力テスト。生徒指導。部活動等。これに、学校選択制が加わる。統廃合まで結びつく!
 競争はいいことだ!今まで競争原理を持ち込まなかったから、学校は堕落した!今こそ競争原理に基づく淘汰(学校も職員も)によってこそ、再生が可能になる!こうした考えが、現場から反論できない重い枷となって、学校にじわじわとのしかかってくる。教職員同士もそれにさらされてくる。人事異動もそこにすべてが収斂される。
 そうした風潮に嫌気をさした教員が次々と辞めていく事態も。教科指導で実力のある教員が、定年前に辞めていく。辞められない同僚は、ただ黙々と従っている。ただただ「与えられた」職務に「忠実に」従っている。それらの人たちは「負け犬」か?
 かつて、教師の一部は、「デモシカ教師」と批判された。教師「でも」やるか、教師「しか」出来ない・・・。こうした教師は、プロとしての見識のない教師像として、揶揄された。「サラリーマン教師」を嘆かわしいこととして、批判されたこともある。そこでの教師は、お金や時間にとらわれず子供たちへの教育に情熱をかける教師像とはアンチの、ただ労働時間だけ働けばいい、給料と引き換えで働く教員として批判された。
 教師は聖職者ではない!労働者だ!と「高らかに」宣言して闘った日教組は、学校週休2日制導入に積極的に取り組んで、その通りになった。「デモシカ・・」も「サラリーマン・・」も日教組の「教師も労働者だ」宣言への、痛烈な批判であった、と思う。
 今は、すべての教師を「お金」主義に陥らせている!仕事熱心=成果=厚給=良い教師。仕事適当=成果なし=薄給=ダメ教師。キーワードはすべて「成果」ということにある。成果に対する「評価」で決まることのおかしさに、今こそ気づくべきではないだろうか。
 そのうち、どこの大学に入ったら、報奨金。(すでに塾や予備校ではこのようになっている。本人はもちろん、「支店」も表彰される。「ごほうび」という「金」によって!)
 反対に、ろくでもない大学ににしか入れられなければ、罰金(減俸)。親からもうちの子が有名大学に入れなかったのは、あなたの教え方が下手だから、と訴訟が起きる。(すでに鳴り物入りで作った高校は、希望大学に入れなかったら、授業料は返還するとして生徒募集をしている!)
 東大に入ったからといって、その後は順調かというと、けっしてそうではない!すべてを東大入学者数に結びつけていくマスコミ、特に新聞社系の週刊誌がいかに害毒を流しているか。今週からもうそれが始まった!憂鬱な季節が始まった、と嘆く高校教師。販売数を増やすためには、なりふりかまわず煽り立てる週刊誌こそ諸悪の根源だ!
 一方で、公立校の悲惨な状況を目の当たりにした親が、塾の費用を必死に工面して(貯金を切り崩し、パートで働き、小遣いを減らし・・・)我が子を私立に入れる話が朝日の朝刊に連日掲載されている。そうして塾通いのあげく有名私立に受かり・・・、はたしてその子が将来「幸せ」になるか、親たちも満足するかは、全くの未知数である。
 主に超有名大学卒業生が働く、天下の「朝日」は言論戦で本当に闘っているのだろうか。

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