暇になっても忙しい

定年を迎え、会社との雇用契約も終了。以前よりもだいぶ自由になる時間が増えてしまった今、さて何をしようかと。

全駅の階段を走破した感想

2009年04月04日 | 東京地下鉄巡礼団
巡礼そのものよりも、地下鉄の階段についての、お問い合わせをいただきます。

その中では「全駅の階段を走破した感想は?」というのが多いので、まとめてみました。

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最近の階段には、主張があって特徴があると言うことですね。

戦前に作られた銀座線はもとより、丸ノ内線、日比谷線、都営浅草線、東西線のあたりまでは、精々、一駅平均が50段から70段程度で、しかも途中に改札階がふくまれますので、一気に上り下りしても20から30段程度でしかありません。

この程度ですと、人が上り下りするため、階段に滞在する時間は、20-30秒程度ですから、階段に特徴や主張を持たせる暇も無いわけで、階段は駅ホームの付属物という位置づけから一歩として出ることはありませんでした。

ところが、平均が100段に近づき、超えるようになった、千代田線、有楽町線、半蔵門線、都営三田線、新宿線になりますと、エスカレータ(高低差の移動スピードは分速12-13m)に乗っても1分近く滞在することになります。

こうなりますと、地下鉄を降りてから地上に出るまで、あるいは、人々の地下鉄全体の滞在時間に占める、階段滞在時間の割合が長くなり、単なる駅ホームの「付属構造物」として、隠れているわけには行かなくなりました。

ただ、現実には、そのような事態を迎えても、階段のデザインに反映させたり、趣向を加えたりされることはなく、従来通りの「付属物」、それも、長大になってしまった「付属物」でしかありませんでした。

従って、この平均100段近辺の千代田線、有楽町線、半蔵門線、都営三田線、都営新宿線のあたりが、上り下りしている人からすれば、多少「ダル」というか、中途半端な印象をぬぐうことができません。

階段自身が「付属物」から脱却して、はっきりとした主張も持ち、特徴を持ち始めたのが、南北線です。 このあたりの苦心惨憺ぶり、何とかしなければと気づきながらその解が見つからない苦しみの例は、南北線の「後楽園駅」などを見ればわかるでしょう。

こうした、苦労の甲斐あって、階段そのもののデザインにもそれなりに力をかけ、大きく花開いたのが大江戸線、そして副都心線になって、もっとも洗練されてきたと言って良いでしょう。
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大体、こんなところが、全駅の階段走破の感想です。

イラストを準団員のかたから送っていただきました。


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