暇になっても忙しい

定年を迎え、会社との雇用契約も終了。以前よりもだいぶ自由になる時間が増えてしまった今、さて何をしようかと。

選挙の掲示板

2007年08月15日 | インターネットと放送の融合
ようやく参議院選挙も終わり、そこそこに大きく目立った掲示板も撤去されました。

最終的に何人が立候補するのかわからないので余裕を見るのかもしれませんが、随分と空白部分が多く、間伐材にしてもそのまま廃棄してしまうのはもったいないような気がします。

あの使い終わった選挙の掲示板はその後どうなるのでしょうか。

少しずつ銀座の地下道の広告などはそばを通ると声をかけるような看板をみかけるようになりましたが、この選挙用掲示板もそのうちそのように変わっていくのでしょうね。

テレビやラジオの政見放送などほとんど有権者に省みられることのないやりかたよりも、RFIDタグを埋め込まれた選挙カードを持つ有権者が掲示板のそばを通りかかると
掲示板の候補者が一斉に演説をぶち始める。 或いは聴きたい候補者の演説は携帯に流し込まれる。

そのまま演説を聴かずに通り過ぎようとすると「その無関心な態度が日本の政治をわるくするんだ!」などと後ろから喚き立てられたりして。

そんなことがはじまったらうるさくて仕方が無いですね。


ネットと放送 4

2007年07月23日 | インターネットと放送の融合
オリンピックが終わって一息つく間もなくパラリンピックが始まった。

オリンピックと比べると参加選手の数も少ないパラリンピックだが、私たちインたーネットのウェブチームにとってはたいへん意義深く、重要なイベントとなった。
また、組織委員会のウェブに対する扱いぶりも様変わりであった。

一番大きな違いは、オリンピックでは最大のスポンサーであるテレビ局が参加していないこと、放映権を購入したテレビ局がいないということだった。

オリンピックでは競技会場にも入らせてもらえなかったインターネット中継チームが、唯一のライブ中継メディアとして正式認証を得て最前面に出ることになった。

組織委員会から「メディア」の腕章をもらい私たちのカメラマンやマイクを持ったインタビュアが「LIVE TV」のビブを付け会場のベストポジションにスタンバイする光景に、否が応でも張り切らざるを得ないほど気分が高揚するとともに責任の重さを痛感したものであった。 

結果的には5競技27種目、全体の約80%の競技をカバー、延べ放映時間は82時間であった。 「テレビ局が放送しないなか、インターネットで選手の活躍を応援しています。」というカナダやノルウェーの留守家族の方々からいただいたメールも大いに励みとなった。 新しい試みとして、中継中に手入力ではあるが字幕をいれたり、選手紹介の映像と選手データを同時に流すなど、今でいうデータ放送に先駆けることも試行することができた。

ネットと放送 3

2007年07月16日 | インターネットと放送の融合
4.放送局で作成編集したプロモーションビデオの提供

米国CBS,ドイツZDF始め中国、オーストラリア、イタリア各国の放送局が独自に作成した3分間程度のショートビデオをネットで公開することで合意。

プロの取材陣が本気で作るシナリオ、プロのカメラマンの画面構成、音声の処理、インタビュー、ナレーション、編集などどこをとっても、我々ネット関係者の素人が作るものとはレベルの差が大きく、当時のインターネットの環境で見ても、プロの作成したビデオ持つことによってサイトそのものがレベルアップしたように思えた。

ネットと放送の融合を言うときにインフラのことよりもむしろこうした応用、スキルセットの相互活用にも言及すべきだと思う。

実際に提供されたビデオも面白い内容が多かった。たとえば、
・ミシェル・クワンの来日前の足の怪我の状態、
・横綱曙が英語で説明する相撲の歴史 
・長野の小学校で教えるドイツ語の授業風景、
・小澤征爾氏へのインタビュー

今で言えば、プロの投稿するYouTubeといったところか。

TV局の方も、放送時間の関係で実際にはTV放送できなかったビデオにネットで「放送」する機会が作れること、ショートビデオとは言え繰り返しオンデマンドで内容が見られることなどから我々ネット側からの依頼で始まったプロジェクトではあったが、時間が経つにつれ投稿本数が増え、予想を上回る約70本のビデオを収録することができた。

5.オリンピックFMラジオ放送のネットでの中継

FM電波そのものがカバーする範囲が限られていたせいか、FM局は当初からネットの利用に前向きであった。ローカルニュースとオリンピックの話題に絞った内容だったのでどの程度聴いてもらえるのかと案じたものだが、ふたを開けると日本語ばかりでなく、英語、フランス語での放送だったこともあり、地球の裏側から楽しみに聴いているというメールをいただきスタッフは大いに励みとなった。

ネットと放送 2

2007年07月07日 | インターネットと放送の融合
当時何度も伝統的なメディア代表者や「放送チーム」と議論をした項目を思い出しながら挙げてみると。

1.競技結果のウェブ上への反映はいつ行うべきか。

   ウェブチームは当然リアルタイムに近いかたちで掲載することを提案したが
   放送チームは30分以上の時差を設けるよう主張。結果的に15分の時差を
   設けることで合意。ただ、実際に競技が始まってしまうといつの間にか
   ほぼリアルタイムに更新されていたように思う。

2.競技中の会場からのテレビ用画像のネットへの取り込み。

   その前のアトランタ大会では開催されている全競技会場のテレビ画像から
   1分間に15画面スナップショットで取り入れネットのコンテンツとして
   利用することができたが、この長野では散々もめた末、6画面、大体10
   秒に1回ということに落ち着いた。ウェブを担当するほうからすれば
   折角すべての会場にテレビカメラが入って中継していても、実際にTVで
   放送される部分はごく限られているのだから良いではないかと思うが、
   これがなかなか。ただ楽しければ良いではないかと言うウェブチームと
   放映権を持つ放送チームの違いが際立つ会議でした。

3.競技施設、公式施設内にウェブ専用のカメラの持ち込み。

   これは、固く禁じられていました。唯一の例外が表彰式会場で、選手の表彰
   が始まる前のイベントはTV放送の範囲外ということで表彰式が始まるまでを
   ウェブで中継。始まるとウェブはシャットダウンすることで合意。
   ただ、白馬のジャンプ台にウェブカメラを前年の夏に据付、選手の練習
   風景などを何分に一回か画面を送っていたものを、本番に入ってもとりはず
   せず、そのままになっていたので。

ネットと放送

2007年07月01日 | インターネットと放送の融合
楽天からTBSへと既存のメディアへの経営統合の働きかけが行われる中、TBS側から賛同を得られなかった理由のひとつに、「楽天のインターネットと放送の融合は具体性が無いこと、提案には魅力がなかった」と言うことが報道されていたと思う。 いったい楽天がどのような提案をしたのか中身はわからないので何とも評価することはできないが、私自身の経験から言えば、インターネットと伝統的な放送を視聴者を楽しませると言う観点からだけみれば大いに融合の利点があると思う。このインターネットと放送が融合してコンテンツ提供が柔軟にダイナミックに広範囲に実現できたときの楽しみ、可能性についての議論が持ち株比率や役員の受け入れの議論に先立って話し合ってみるのが良いと思うのだが。実際にはしているのかも知れないが。

今から9年前、1998年の長野オリンピックとパラリンピック開催に当たって双方の公式ウェブサイトの責任者を担当した。 当時の組織委員会からはサイトを訪問する世界中の利用者すべてを満足させるコンテンツを用意することという大変な命題を与えられて、関係民間企業はもちろん、各国大使館、各自治体、官公庁、競技連盟などとサイトの青写真を元にお願いに回り、苦労はあったが皆さん「国を挙げてのプロジェクトだから」とたいへん協力的で今では懐かしい思い出になっている。

その中で放送局の制作したコンテンツや正式TV放映画像のコンテンツをどのようにインターネットを通してウェブ上に配信できるかが大きな課題であった。私たちは競技開催日が迫るなか、中々結論が出ずイライラする日が続いたものだった。
ただ、このときも、提案はネットを担当する我々の方からで、放送機構側としては、放送としての課題が山積しており、ただ楽しいことなら何でもやろうというネット側からの提案は中々真剣に検討が進められなかったのは確かである。放送側からすれば当時は与えるところがばかりで得るものが少ないというのが現実だったのだろう。

店主のランニング記録

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