9月10日に厚生労働省が2020年の人口動態統計を発表していたので、がんの部位別死亡者数について、これまでの変化をグラフにしてみました。
これを見ると、胃がんと肝臓がんの死亡者数が減少傾向にあり、とても喜ばしいことです。
胃がんの死亡者数減少に関しては、胃がんの原因菌とされるヘリコバクター・ピロリ菌に感染している人の数が若い人ほど少なくなるので、衛生状態の改善による効果が現われてきたのかもしれません。
肝臓がんに関しては、過去に厚生省の怠慢のため、注射器の使い回しによる肝炎ウイルスの感染拡大という人災があり、それがやっと終息しつつあるということのようです。
肺がんに関しては、喫煙率が緩やかに減少しているので、大気汚染の悪化がなければ、いずれ頭打ちになるものと思われます。
心配なのは、大腸がんと膵臓がんの増加で、これは、国民の食生活の見直しが急務であることを意味しているのではないでしょうか?
なお、2020年のがん死亡者総数は37万8356人で、一昨年に比べて1931人増えています。
一方、全死亡者数は137万2648人で、一昨年に比べて8445人減少しており、全死亡者数が減少するのは11年ぶりのことだそうです。
これは、新型コロナウイルスに対する感染防止対策によって、インフルエンザ等の感染も抑制されたためで、コロナによる死亡者数が3466人だったのに対して、それ以外の呼吸器系疾患による死亡者数は17万2704人で、一昨年に比べて2万530人も減少しているのです。
特にインフルエンザの死亡者数が、一昨年の3575人から954人へと、約四分の一に減少しているのには、私も驚きました。