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がんに克つ

父のがんを治すためにがんを研究しました。がんは意外と簡単に治ることを知ってもらえたら、亡き父も喜んでくれると思います。

免疫監視療法

2024-06-23 08:46:56 | 健康・病気

今回は、『見えてきたガンの征服 生命の力が生み出したBRP療法』(佐藤一英:著、実務教育出版:1995年刊)という本をご紹介します。

この本によると、著者の佐藤一英(さとういちえい)医師は、1972年に次のような「免疫監視療法」を考案したそうです。

1.まず、がん細胞に放射線の微量照射、あるいは抗がん剤の微量投与をしてがん細胞に刺激を与え、がん細胞は体内に巣くう異物であり、免疫系が攻撃する対象物であるという目印をつけてやる。

2.そこにがん患者以外の健康人から採取した免疫の主役であるリンパ球を少量注入して、そのリンパ球に患者の体内のがんの存在は異物であると捉え、攻撃すべき対象であることを強く認識させる。

3.注入された少量の他人のリンパ球は、患者の体内のがんは異物であり攻撃対象であるという情報を持つことになり、患者自身のリンパ球に対してこの情報を伝える。

4.それまでがんがあっても攻撃もせず存在を許容していた患者体内のリンパ球は、注入された他人のリンパ球(異物)と、もたらされた新たな情報によってがんを強く攻撃し排除するようになる。

この治療法は、延命効果まで含めると30~60%に治療効果が認められ、これによって末期がんから奇跡的に回復して通常の生活に戻ることができた人もいたそうです。

そして、1980年には、偶然に「BRP療法」を発見したそうです。

発見のきっかけは、別の病院で進行胃がんの手術を受け、退院後は抗がん剤を服用し続けていた69歳の女性が、症状が悪化して佐藤医師のところに運び込まれてきたことで、早速「免疫監視療法」を開始したところ、この患者はなんとか流動食が摂れるまで回復したそうですが、腹水が溜まった状態は改善せず、腹腔が膨満して苦しいという訴えがあったそうです。

しかし、単純に腹水を抜くと、そこに含まれるタンパク質(アルブミン)を失うことで患者の状態が悪化する可能性があるため、患者自身の腹水からアルブミンを取り出して患者の血中に戻してやることを思いつき、腹水を採取して安全性を確認した後、これを精製して得られた自家アルブミンを患者に注射したそうです。

すると、その翌日には患者の症状が劇的に改善したため、がん患者から得られる自家アルブミンには、単にアルブミンタンパクだけではなく、何かがんに有効な、生命現象の賦活に重要な役割をする特殊な物質が含まれているに違いないという結論に至ったそうです。

そこで、この未知のタンパク質をBRP(Bio-Reproducing-Protein=生物組織再生化タンパク質)と名付け、無害性を可能な限り精密に調べて問題がないとなった時点で、他のがん患者にも投与してみたところ、BRPはどのような種類のがんに対しても効果を発揮することが判明したのだそうです。

佐藤医師の治療法は、これまで聞いたことがなかったので、どこまで信用できるか疑問でしたが、調べてみると、福島大学名誉教授の経済学者・相澤與一氏が、「佐藤療法」でがんを克服した体験を語っていました。(『一社会政策研究者の中間回顧(下)』より)

それによると、相澤氏はイギリス滞在中に悪性リンパ腫で大腸の一部を切除する手術を受け、帰国後の検査で、少なくとも肝臓にはかなりの浸潤(転移)があることが判明し、抗がん剤投与を勧められたそうです。

しかし、退院後にイギリスで2週間おきに2回受けた抗がん剤の副作用がひどかったため、奥様が代替療法を捜し求め、彼に佐藤一英医師の免疫療法を受けさせたところ、たった1回の点滴処置が劇的に奏効して肝臓への浸潤が消滅したのだそうです。

したがって、この治療法はそれなりに信用できると思われますし、治療回数も少なく、副作用もないので、これまで標準とされてきた方法(手術、抗がん剤、放射線)に代わって、「佐藤療法」はこれから大いに注目されることになるかもしれませんね。

「免疫監視療法」や「BRP療法」は、現在でも「横浜サトウクリニック」やその他の協力病院で受けることが可能なようなので、ご興味のある方は『見えてきたガンの征服 生命の力が生み出したBRP療法』の巻末の一覧表をご覧ください。

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フグの毒

2024-05-05 08:55:07 | 健康・病気

今回は、『皇漢医術百話』(木村克己:著、温知社:1936年刊)という本に、フグの毒では人間は死なないということや、逆にフグ中毒で難病が治ってしまうことが書かれているので、詳しくご紹介したいと思います。

それによると、陸軍少将・多賀宗之氏の友人に、数代にわたってフグを研究している広島県在住のフグ研究者がいて、この本の著者である木村克己氏は、その研究者の体験談を多賀氏から聞いたわけですが、その特筆すべき点は以下のようになります。

1.リンパ系関係の疾病を持たない人間は、決してフグ中毒を起こさない。

 フグ毒はリンパに作用してその活動を促すので、リンパの活動によって除去せらるべき何物もない時は、中毒症状を起こさないのである。

2.フグ中毒を起こした場合、仮死状態になることがあるが、決して死ぬことはない。

 もしリンパ関係の疾病がある者がフグ毒を食べた場合は、活動を促されたリンパは病毒を駆逐しようとして、そのところに烈しい抵抗を生じ、循環系統や、呼吸器や、神経の働きは一時その作用を休止する。これを医者や世間一般の人は中毒で死んだといっているが、それは死んだのではなく、仮死状態になっただけである。仮死状態は3日ないし5日間、多くて1週間位である。しかしながら例外として49日間仮死状態を継続した記録保持者がいる。

3.フグ毒は人間を仮死状態にしてまでリンパに働くが、その作用が済むと人は自然に覚醒する。

 仮死状態となった者は、決して強直状態を生じない。また数日以上そのままにしても臭気も発しない。医療を施さず、放置して自然に覚醒するのを待つのが最善である。覚醒時の状態はだれもかれも一様で、醒めると直ぐ両腕を掻く、次に胸を掻く、次に背を掻く、その掻き方は極めて激しく、皮膚が破れるかと思われる程強く掻く、そうして大きな欠伸を幾回となく続ける。

4.これで梅毒ライ病等は奇麗サッパリ治ってしまう。

 つまりリンパ系統が猛烈に働いて、体内の毒素を悉く排泄浄化してしまうからで、梅毒やライ病にはこれ程簡単で、かつ偉功ある療法は他に決してない。

5.コレラ、疫痢、チフスその他一切腸の急性疾患には、フグの卵の乾物を服用すると腸のリンパが猛烈に働き、毒素を排泄して全治する。往年コレラ大流行の時は、横浜でその患者を見つけ次第服用させて治した。

6.ある梅毒の患者があった。これはフグを食べて若干日仮死すれば必ず治るのであるが、勧めるわけにもならず、そこでフグの黒焼を久しく連服させたら、身体中に腫物が出来た。それを松葉でつぶしつつ経過させたら、その後腫物全部カサブタとなり、更に剥離して全治した。

7.癌は如何なる種類のものでも、フグの中毒で仮死状態になったものについて見れば、癌の部分と健康部との境界に皮膜が出来て自然に脱落するもので、これは胃癌なら大便の中から、子宮癌なら月経と一緒に、排泄された癌腫の脱落片を発見する事によって証明される。

以上です。

なお、誤解のないように説明しておきますが、ここで私が言いたいのは、がんを治すためにフグを食って仮死状態になれということではありません。

そうではなく、フグ中毒の場合、身体が毒に対処しているうちに腫瘍が自然に剥がれ落ちてしまうわけですから、がんはフグの毒に比べたらささいなことだということです。

ですから、がんを宣告されても動揺することなく、むしろ生活習慣を見直す絶好の機会を得たことを喜んで、本ブログでご紹介している対処法をできるだけ多く実行するようにしていただきたいのです。

なお、フグの毒では人間は死なないという主張はそのまま信じるわけにはいかないので、いろいろと調べてみたところ、『天城の山の物語 猫越峠 わさび沢』(野木治朗:著、俳句研究社:1964年刊)という本に、フグ毒で死亡診断後6日目に生き返った実話が紹介されていました。

それによると、酒の肴にフグの素人料理を食べた5人が全員中毒を起こし、全身がケイレンして体は硬直し、皮膚が紫色に変わって、これを診た医師は、死亡したものと判定して、何等手を下さなかったそうです。

ところが、唯一人、その場でフグを食べなかった人物がいて、彼は桑畑に5人分入れる穴を一つ一つ堀り、棒鱈のように堅くなった5人の体を埋めて首から上だけ地上に出し、石の枕をあてがったそうです。

そして、5日間、桑の木を燃やして煙をあげ火をたやさないようにし、その間ろくに眠らず、めしも食ったり食わなかったりと大変苦労したのですが、6日目の朝、石を枕にして埋まっていた男等の顔がそろって素顔になり、その日のうちに真ン中の男の眼玉が動き出し、それと前後して、全部の者が息を吹き返したのだそうです。

これに関しては、『斯くして全快すべき肺自己療養法』(上野実雄:著、天然療養社:1918年刊)という本に、淡路島の近海では、漁師がフグの中毒で苦しむときは、海岸の砂を掘って、首から下を数時間生き埋めにすることによって再生したことが書かれているので、フグ中毒患者を土に埋める治療法は広く知られていたのかもしれません。

また、フグ中毒に限らず、医師から死亡判定された人が生き返ったというニュースは時々目にすることがありますから、木村氏の話もある程度信用してもよいのではないかと思われますし、死者を葬る場合は、生き返る可能性を常に考慮しておく必要があるようです。

ところで、『損害賠償 被害者救済の法律』(加藤了:著、日本経済新聞社:1982年刊)という本によると、昭和50年1月15日夜、京都南座の初春公演に出演していた人間国宝の歌舞伎俳優、8代目・坂東三津五郎が、ひいき筋の会社役員ら5名と一緒にフグ料理店にフグを食べに行き、結局彼だけがフグ中毒となり、翌16日午前4時40分ごろ死亡するという事件があったそうです。

この場合、もし『皇漢医術百話』を読んでいる人が周囲にいて、1週間ほど死体を放置して様子を見ていたら、違った結果になっていたかもしれませんね。

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青汁ががんに効く理由

2024-04-07 08:49:52 | 健康・病気

前回は、青汁を飲む際の注意点をご紹介したので、今回は、青汁がなぜがんに有効なのかということを、『森下流 驚きの自然医食療法 ガンにも効く食べかた』(森下敬一:著、メトロポリタンプレス:2016年刊)という本を参考にしてご説明します。

なお、著者の森下敬一氏は、東京歯科大学助教授や東京都葛飾赤十字血液センター所長などを歴任した血液生理学専攻の医学博士で、プロ野球・西武ライオンズの広岡達朗監督が、森下氏の指導のもと選手に玄米食を推奨し、日本一になったことは有名です。

また、森下氏は、「正食・整腸・浄血・細胞賦活」によって多くのがん患者を治療したそうです。

このうち、「正食」については、本ブログで何度もご紹介してきましたが、この本では、玄米・雑穀を主食とし、野菜、海藻、小魚、貝類を副食とする食事を推奨しています。

そして、肉・牛乳・卵などの動物性たんぱくをとると、腸内で腐敗し、毒素が発生することが分かりやすく説明されています。

これを読んで思い出すのは私の父のことで、私は、がんを宣告された父に玄米・菜食を強く勧めたのですが、父は「肉は栄養だ」と言って聞く耳を持ちませんでした。

おそらく、多くの日本人も、私の父と同じように栄養学の専門家やマスコミに洗脳されて、「肉は栄養だ」と思い込んでいるのではないかと思われますが、この本にはそういった人たちの洗脳を解く力があるように思われます。

2番目の「整腸」とは、腸内の環境を善玉菌優位に保ち、悪玉菌による毒素の発生を抑制することで、森下氏は酵素の摂取を推奨しています。

ただし、私はこれだけでは不十分だと思いますので、本ブログの「大腸の管理-乳糖」なども参考にしていただきたいと思います。

3番目の「浄血」とは、血液を汚す飲食物を廃止し、血液を浄化する食品を積極的に摂取することで、この本には、森下氏が推奨する食材やメニューが載っています。

最後の「細胞賦活」(さいぼうふかつ)とは、細胞を活性化させ、新陳代謝を高めて自然治癒力を強化することです。

それでは、ここからが本題です。

まず最初に予備知識ですが、植物の緑色のもとはクロロフィル(葉緑素)であり、当然のことですが、青汁には大量のクロロフィルが含まれています。

一方、血液の赤色のもとはヘモグロビンですが、これはクロロフィルと化学構造が非常に似通っていて、中心にある金属元素が鉄かマグネシウムかという違いしかありません。(次図参照)

クロロフィルとヘモグロビンの違い
【クロロフィルとヘモグロビンの違い】(画像はYouTube動画「Chlorophyll vs Hemoglobin」より)

森下氏によると、食事によって体内に取り込まれたクロロフィルは、腸壁を通り抜ける過程でマグネシウムが鉄に変換されてヘモグロビンとなり、複雑なプロセスを経て最終的に赤血球が誕生するのだそうです。

このことを裏づける事実としては、赤血球のもとになる細胞(赤血球母細胞)が腸粘膜の、特に腸絨毛組織内で見られることが挙げられるそうです。

また、がんやその他の多くの病気の原因は血液の汚れであり、血液を浄化することによって病気を治療することができるというのが森下氏の主張です。

そして、葉緑素には、以下のような効果があるそうです。

1.食べ物として摂取すると、非常に効率よくきれいな血液ができる。

2.血液中の毒素を体外に排出する作用がある。

3.細胞の若返りを促す。

4.傷口を乾燥させ、治りが早くなる。

5.病菌の活動を弱める。

6.アレルギー反応を鎮める。

したがって、葉緑素には強力な血液浄化作用があり、がんの原因が血液の汚れであるのなら、青汁が抗がん作用を示すのも当然だと納得できます。

現在がんで闘病中の方には、前回の注意事項を参考にしていただき、かつ、農薬にも注意しながら、ぜひ青汁を活用していただきたいと思います。

最後に、西洋医学では、血液は骨髄でつくられるという説が定説となっていますが、この本にはそのことを否定する証拠が列挙されているので、ついでにご紹介します。

1.オタマジャクシには、骨髄を持つ骨がないが、カエルとオタマジャクシの赤血球や白血球の形や数がほとんど同じであること。

2.敗戦後、戦争で四肢を失った患者さんたちを診察したが、これらの人々は骨髄の9割以上がなく、理論上は極度の貧血状態になるはずなのに、血液を調べると正常だった。

3.先輩や指導の先生の意見は、残っている骨(扁平骨)の骨髄で血液がつくられているというものだったが、検査してみると、それらは造血能力のない黄色骨髄だった。

このように、この本は、現代医学で認められていないことについてもその正しさを堂々と主張し、逆に現代医学の間違った常識に対しては、分かりやすく論理的に反論しているので、がんを宣告された人が最初に読むべき好著ではないかと思います。

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青汁の飲み方

2024-03-03 09:07:30 | 健康・病気

以前、本ブログの「青汁の効能」という記事で、がん治療に青汁が有効であることをご紹介しましたが、最近、『青汁は有毒である 安全なのみ方』(清水桂一:著、銀座クッキングスクール出版局:1962年刊)という本を見つけました。

物事に功罪両面があるのは当然であり、青汁に対する批判的な見方も知っておいて損はないので、今回はこの本の内容をご紹介します。なお、著者の清水桂一氏は、科学者ではなく、料理研究家です。

清水氏の「青汁は有毒である」という主張の主要な部分を抜き書きすると、おおよそ次のようになります。

1.青汁をぐっと一息にのみこむのは、害がある。のみ方としては、一口づつかむようにしてのむべきである。だ液のまじらぬものは、消化吸収の第一段に於いて落第している。

2.生野菜は、たべるなら、少量でなければいけない。大量にたべては、有害である。

なお、その証拠として、長寿国として有名なフンザや太陽の恵みを受けたインドネシアの料理、および日本の料理本の古典などを紹介し、いずれも野菜を生で食べることが少ないことを指摘しています。

3.青汁というのは、生野菜としては、到底たべられない程の大量を、押しつぶして、そのアクの多い、ゆでて捨てる部分だけをのんでいるのだ。害がなければ、不思議である。

4.青汁を一度でも口にした人は、如何にまずいものであるかを知って居るだろう。まずいものを、死ぬまでたべたら、大変である。青汁を、続けてのんでいたら、短命になると、私は、考えている。

これらの指摘は、とても論理的で、特に青汁をぐっと一息にのみこむなという意見は、一理あるなと感心させられます。

ところで、日本に青汁を広めた医学博士の遠藤仁郎(えんどうにろう)氏は、生涯青汁を愛飲して97歳の天寿を全うされたそうです。

したがって、青汁を飲み続けると短命になるという主張は、間違っている可能性があるようです。

一方、青汁は有毒であると主張した清水桂一氏は、72歳で病死されています。

同じく料理研究家のバーバラ寺岡さんも、『生野菜は男も女もダメにする』(日東書院:1987年刊)という本で、生野菜は有害であると論じていますが、やはり72歳で病死されています。

料理研究家が推奨する食事は、味覚を重視しているので、結果的に健康を害する場合があるということでしょうか?

いずれにしても、青汁を愛飲した人が長生きして、青汁を飲まなかった人が70代前半で病死している以上、青汁が有毒であるとする清水氏の主張は、そのまま受け入れることはできないようです。

ただし、青汁を飲んで体調を崩す人がいるのは事実なので、最後に漢方医の見解をご紹介しておきましょう。

『漢方研究』(月刊漢方研究:1975年10月号)という雑誌に掲載された「漢方療法と食養生」(伊藤清夫:著)という記事には、次のように書かれています。

「たとえば青汁療法であるが、私はたくさんこれで失敗した患者をみている。いわゆる陰虚証によいハズがない。」

つまり、体質によっては青汁が有害な場合もあるというのが漢方医の見解ですから、心当たりのある方はご注意ください。

ちなみに、『漢方の診かた治しかた』(寺師睦済:著、福村出版:1966年刊)という本によると、陰虚証とは、「新陳代謝機能の極度に沈衰しているタイプで、栄養わるく痩せて元気なく、血行もわるく手足が冷え、脈も沈弱で、いわゆる虚弱無力体質の持主」だそうです。

もし、自分の体質がよく分からないという場合は、効果が実感できない健康法は長く続けないようにするのが賢明だと思われます。

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糖尿病の治し方

2024-02-04 08:41:57 | 健康・病気

前回はビワの葉療法で糖尿病が簡単に治ることをお伝えしましたが、ビワの葉が手に入らない場合でも大丈夫なように、今回は『病人救済の記録 難病は癒る』(海老塚四郎兵衛:著、明玄書房:1959年刊)という本から別の治療法をご紹介します。

この本の著者の海老塚四郎兵衛氏は、6歳のときに腸チフスに罹って以来胃腸が弱く、15歳で心臓弁膜症、17歳で湿性肋膜炎を患い、脊柱曲り、肩こり、頭痛、下痢に苦しみ、21歳のときには体重がわずかに37.5kg程度しかなかったそうです。

その頃、陸軍薬剤監の石塚左玄氏が食養によって万病を治すということを耳にし、その診療所を訪ねたところ、石塚氏は海老塚氏の皮膚の色と爪の色を診ただけで、海老塚家の食事の内容を立派に指摘し、「これは白米病だから白米を廃さなければ治らない。そうして自分の教える食物を摂取したならば、こんな胃腸病は1か月を出でずして治してやる。」と断言されたそうです。

そして、白米をやめて、半搗米(はんつきまい=精米の度合いが5割程度の米)に胡麻塩をすってかけ、味噌汁・沢庵漬とともに食べるように言われたので、その食養生を実行したところ、1か月もしないうちに下痢は止まるし胃痛は治り、5年間苦しんだ病気が簡単に全治してしまったのだそうです。

なお、石塚左玄氏の食養生の詳細については、本ブログの記事(「食養道の「憲法」」等)を参考にしてください。

その後、海老塚氏は健康に日々を送っていたのですが、壮年になって体重が増えすぎてしまい、それを見た友人から玄米を食べるよう勧められたことがきっかけで、56歳から玄米食を始めたところ、体重は適正値に戻り、健康状態も良好になったそうです。

海老塚氏は教養豊かな人だったので、玄米食がなぜ健康に良いのかを徹底的に調べ、ついに、正食法について講演をしたり、病気に苦しむ友人や知人を救うようになり、多くの経験を積んで『病人救済の記録 難病は癒る』を出版するに至ったのでした。

さて、前置きが長くなりましたが、海老塚氏は糖尿病について、「私の経験では余りに簡単に治ってしまいます。」と断言し、西洋医学の問題点を次のように批判しています。

1.糖尿病というものは、人間が不正食をやったために、体の機械の一部が破損して糖分が尿の中に出る病気であるから、不正食を止めて正食を摂り、体の機械を治すことによって、初めて全治する。

2.しかし、医者のやる糖尿病の治療というのは、ただ糖の出ない食事を摂らせておいて尿のみを検査し、尿中に糖の出ないのを唯一の医療と心得て、不正食を強いている。

3.不正食をしたために起った病人に、更に不正食をやらせるので、中年以後の人は高血圧となり、心臓麻痺や脳溢血で倒れるのである。

海老塚氏は、以上のことを糖尿病の患者に説明し、玄米と野菜、海草、貝類、果実等を摂取する正食法を指導するとともに、漢方の大家・荒木正胤氏に患者を紹介し、患者に適した漢方薬を処方してもらうことにより、多くの糖尿病患者を救ったそうです。

確かに、海老塚氏の指摘は正論で、私も以下の4冊の糖尿病関連書籍を読んでみましたが、西洋医学の専門家には「正食」という概念がなく、血糖値のみを問題にし、海老塚氏が言うところの「不正食」である白米や肉を平気で推奨しているので、糖尿病患者が増え続けているのも無理はないと感じました。

『毎日おいしい糖尿病レシピ』(吉田洋子:監修、成美堂出版:2015年刊)
『血糖値を体型別治療でどんどん下げる』(松葉育郎:著、技術評論社:2017年刊)
『順天堂医院が教える毎日おいしい糖尿病レシピ415』(河盛隆造・高橋徳江:監修、学研プラス:2019年刊)
『おいしい かんたん 作りおき 糖尿病レシピ12週間』(中尾俊之・金澤良枝:監修、ナツメ社:2023年刊)

なお、漢方薬は体質と症状に応じて使い分ける必要があるため、漢方医の診断が必要ですが、代表的な漢方処方が『だれにもわかる漢方治療の実際』(荒木正胤:著、岩崎書店:1958年刊)という本に次のように書かれているので、よかったら参考にしてください。

【糖尿病に対する代表的な漢方処方】

漢方薬
適応症
白虎加人参湯 多尿、ロ舌がカラカラにかわいて、皮膚もカサカサしている場合
八味地黄丸 やせて、臍下に力なく、精力が減退し、便秘の傾向があり、多尿で、多少のロ渇もある場合
当帰芍薬散 肥満して、ロ渇もあり、疲労しやすく、性欲減退し、尿量が少ない場合

この本では、インスリンの注射では糖尿病は治らないことを指摘し、正食法を断行して漢方の手当てをすれば、比較的かんたんに根治できると明言しています。

正食法の内容については、砂糖は禁止し、玄米・菜食を実行し、分量もへらしますが、果物、植物性の油、豆類、海藻類、牛乳、かるい魚類、適量の酒類をもちいることはさしつかえないそうです。

そして、糖尿病にはハリ、灸の効果が絶大なのですが、ハリの治療は、病気の程度によって使用するツボが一々ちがうので、灸(脾兪と足三里に米粒大を10~15壮)を継続して、漢方薬を併用することが、もっともかんたんで効果があるのだそうです。

最後に、これは私が知人から直接聞いた体験談ですが、血糖値を下げるのには小豆カボチャが有効だそうです。

調べてみると、『化学的食養雜誌』(化学的食養會:1913年7月刊、第69号)という雑誌に掲載されている「化學的食養法と天源淘宮術(承前)」(山本勝:著)という記事に、次のようなことが書かれていました。

明治38年8月に、糖尿病を患っていた著者の山本勝氏が、前述の石塚左玄氏に糖尿病に対する食養法を尋ねたところ、「今日唯今より肉玉子の如き邪味は一切断ち、小豆粥と南瓜とを塩からくして食え」と言われたそうです。

そこで山本氏は、小豆とカボチャを塩からく煮て、10日、20日、1か月と食べ続けたところ、腹力も増し、便通も宜く、気分もやや爽快を覚えるようになり、尿中の糖量も次第に減少してきたのだそうです。

したがって、正食法に漢方と小豆カボチャを組み合わせれば、糖尿病も簡単に治療できるのではないかと思われるのです。

なお、健康の基本は栄養、運動、休息の3つですから、適度な運動を毎日続けることも忘れないようにしてください。

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