ブログ雑記

感じることを、そのままに・・・

恩師逝く

2006-12-02 22:22:45 | Weblog
終戦直後の貧しい時代に逞しく生きる術を教えてくれた先生が亡くなった。ものは無くても楽しかった。兵隊帰りの逞しい大きな人だった。度のきつい瓶の底のような分厚い眼鏡の奥には何時も柔和な目が輝いていた。もう59年も昔のことだ。それでも鮮明に昨日のことのように思い出す。額に掲げられた写真を見て本当に懐かしかった。見上げるように大きな人だと思っていたけれど棺は大きくなかった。もう会えないと思うとせつなかった。時間は立ち止まる事無く静かに立ち去って行く。先生は八十五才で逝き、小学生も六十五才のおじいさんになってしまった。年を経ても恩師は心の拠り所だった。現在の様子を見ていると私の恩師は本当の教育者だったと思う。

同級生には一人しか会わなかった。彼女はハンカチで涙を拭っていた。同じ思いの人がいた。先生は素晴らしかったのだ。