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夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

諸田玲子著「旅は道づれ きりきり舞い」 (光文社文庫)

2022-01-26 20:36:04 | 本と雑誌

 

「きりきり舞い」「相も変わらず きりきり舞い」に続くシリーズ第三弾

シリーズは「きりきり舞いのさようなら」まで出ております

 

江戸時代「東海道中膝栗毛」が人気を博した十返舎一九

大酒呑みで中風病み 貧乏暮らしの中 娘の舞は自分の器量頼みの玉の輿を夢見はしていたが

父の押しかけ弟子の尚武と夫婦になることに

だが一九は妻えつとの夫婦喧嘩で舞の婚礼衣装の白無垢を墨だらけにしてしまった

まあどうにか衣装は都合できたが 婚礼の場の客で正体不明の人間が

岡っ引きも乗り込んできて すわ噂の泥棒かとーなったが

「おどろ木、桃の木」

 

 

正月の「万歳」だが相方がいない 聞けば太夫は妻がいなくなり涙にくれてると

美男の太夫目当ての女達の差し入れも引きもきらずーなのに

どんな女房かと思えばー

全く美女ではなかった

それでも

「われ鍋にとじ蓋」

 

 

 

旗本に嫁ぐ予定の京の公家のお姫様まあ

嫌がらせが多く 預かってくれと頼まれた一九は多額の謝礼目当てに引き受ける

勿論 舞がまた苦労することになるのだが

性格もよい まあ

北斎の娘で気難しいお栄の心も和ませる

ところがまあの輿入れ先の旗本の家のとんだ事情を知った舞は 破談にすべく動くのだった

結果まあは幸せに

「捨てる神あれば」

 

 

 

一九が酔っての大判振舞いで五十両もの借金を

払えないのでカタに丈吉(一九の隠し子なのだが 弟子の尚武の子とされていて よって舞が母親になってしまっている)が連れていかれた

半ばぼけた老女はこれがかつての婚約者の子供だと丈吉のことを思い込んでいる

破談になった相手

その相手は老女ではなく他の女性を妻にした

ならば丈吉を可愛がるのはおかしい

心配になる舞

どうにかして丈吉を取り戻そうと

「坊主憎けりゃ」

 

 

 

上方で暮らす舞の兄の市次郎からの誘い

会えるのはこれが最後になるかもーと一九一家は旅に出る

しっかりお栄もついてきて

ところが一九の偽物が出るらしくって

「旅は道づれ」

 

 

 

調子を崩した一九を置いて女ばかりで伊勢まいりへ行くことにした一九の妻えつ 舞 お栄

宿で一九の偽物に遭遇する

一九の生家と関わりある者らしくって

舞は一計を・・・・・

 

あれやこれやあった旅だが 一行は江戸へ帰る

江戸には彼らの帰りを待ってくれている人々がいた

「世は情け」

 

 

 

解説は文芸評論家の細谷正充氏