goo blog サービス終了のお知らせ 

夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

そういうことに・・・なっている?!

2018-09-09 18:42:04 | 子供のこと身辺雑記
中等部と高校部と6年間過ごした母校の学園祭へ今年も長男は行きました
卒業して9年・・・・・

それでも自分が部長を務めたESS 頑張っているか 存続しているかが気になるようです
部員も減り 劇はおろか展示などの活動すらできていなかったようですが 
顧問の先生によれば 部員はいて 部も残っているとのこと




























学園祭のパンフレットから






長男が買ってきてくれた学校の名前いりの文具品

グッズを先に買えば良かったのだけれど 展示とかを先に見て回っていたら 早々とほぼ売り切れになり 買いたいと思っていた品も買い損ねたのだとか


ところで 長男と元担任のF先生との ほぼ持ちネタのようになっているやりとりがあるのですがー
今年も長男は言われたそうです
「〇〇 まだ彼氏できんのか?」(爆)

人を見る目は確かな先生♪

かつては実の妹からも「お兄ちゃん ホモなん?」と訊かれてしまった長男

そして長男の否定の言葉は「僕は 女のこが好きな事になっているんや」

ーことになっているーが何故つく?
いや全然否定になっていないからね

ーほぼ お約束のやり取りをする長男と私・笑


「まったく もう男子校出身言うだけで 学校でもネタにされることあるのに」

「じゃ学校の真ン中で叫べば?  僕は女好きや~~~~~って」と私

長男「できるかい!!!!」

おあとが よろしいようで





「だんだん集まる」ー19-

2018-09-09 13:51:47 | 自作の小説
百個に増えた仏壇は水・花・お茶・ご飯を取り換えるだけでも時間がひどくかかる
これだけで筋肉痛になりそうなくらいだ
なんせ軟弱者なもんで

小さな母は婆様に 馬場本家の家の離れで育てられ そこからこの家まで歩いて通い 婆様に教えられるままに仏壇の世話をしていたそうだ

朝晩と一人では危ないからと唐十郎さんが付き添う事も多かったと

仏壇の祟りによる死という悪い噂のせいで「お前の親が村を滅ぼすんじゃ」と母に向かって石を投げる大人や子供までいて
婆様や唐十郎さんが母を守ってくれたのだと

起きてから 仏壇達への用意をしながら ちらっと母が話してくれた
三人がかりで百の仏壇

これを母は殆ど一人で村を出るまで続けていたのか ずっと

「ナンゾ ワルイコトヲシタカモシレン オヤノカワリノツグナイヤテ オモオウテタカ」

「セワシテクレルンハ アリガタイケド カワイソウデナア」

「ホンマニ カワイイヒトヤッテナ」

「ワレラモナア ヒャクモオルト ヨウケンカシテシモウテ オコラレタリ」

「マタ オコラレルンガ ウレシュテナア」


「オコラレタイカラ ケンカシテモテ」


「セワシテクレルモンガ オランヨウニナッタラ ワシラハバラバラニナル」


「-モウ イナクナッテヤルカラ!-ナンテ アンマリサワグトオコラレタ」


母が懐かしそうに言う
「でも最後の時には 私が出て行こうと 出ていくしかないと思い詰めた時には あの時には
ー出ていっていいんですよーそう言って後押ししてくれたじゃない」


「ソウカテナ ナイテハルン ミルノガツラカッテン
ジユウニナッテホシイト ソレガネガイヤッタ」

「コノバショカラハ ソウハナレラレンワテラヤケドナア  ナンヤキマリゴトガアルミタイデ」

「モウワテラハ ノロイモタタリモセン ヒツギノノイエノモノニハ」


「コノ モリトサンモナ タダマモリタイトオモテルンヤ」


「マタ コウシテサイカイデキテ ホンマニウレシイワ」

そこで号泣したのが いつも江戸時代のヤクザさんみたいな言葉で話す仏壇だった
「アッシハ アッシハ 」
ぐおおおおお~~~~か何か地鳴りのような声で泣くのだった
感極まったらしい


それが急に仏壇達が静かになった
黙りこんだ


これは何事かと思ったら インターホンが鳴ったんだ

玄関に来たのは馬場の徳二郎さんだった
いつもの磊落さは影を潜め強張った表情だ

「松琴さんが戻っていらっしゃると聞きました」

「そう 昨日ね まずは上がらないか」

昨日 婆様や唐十郎さんと過ごした部屋に通す

雅ちゃんは遠慮したのか コーヒーだけ出して隣の部屋へ引っ込んだ
話の内容が気にはなるのだろう

「お久しぶりです 松琴様 馬場の徳二郎です」
遅れて部屋に入ってきた母さんに 徳二郎さんは そう挨拶をした

「あら! あのトクちゃん?」と母はひどく懐かしそうな表情になる
「このコがとてもお世話になっているそうね 有難うございます
随分助けられて おかげで暮らしやすかったと聞いています」


母と徳二郎さんは確か十歳ほどの年の差になるはず
母がここを出て行った時に徳二郎さんは十歳ばかしか
それにしても「松琴様」って・・・

「様」?!


「松琴様は それは綺麗なお姉さんで 古巫女だった雪琴の馬場本家の奥様から次の巫女になる者としてひどく可愛がられてて
憧れと 人によっては妬みもー

あの長介さんも憧れていたクチで 守人さんが本当に松琴さんの子供と唐十郎さんに確認してから 嫌がらせの計画を止めて
ー唐十郎さん側についた

学校の宿題で分からないことがあると 松琴様にたずねにいっていた
松琴様は優しくて教え方も上手でわかりやすかったんで」


「私に石を投げてきた子供と喧嘩してくれたことがあったわね
年上で体も大きな相手に負けなかった
長介ちゃんが一目置くほど 喧嘩には強かったものね トクちゃんは」

喧嘩早かったのか徳二郎さん
今では全然そんなふうに見えないけれど

「悪い事を言いふらす人間がいたから 本当の事は何一つ知りもしないで

優しくて賢い松琴様は憧れでした

その頃の子供の頃の僕はなんにも知りませんでしたがー
本当になんにも わかっちゃいなかった」

母さんが少し怪訝な表情になる

長椅子に座らず床に正座していた徳二郎さんは がばりと床に手をつき・・・・・土下座をした

「すみません 松琴様の不幸の原因は 僕のーわたしの親のせいです」

徳二郎さんの話をまとめれば こうだ

徳二郎さんの母親は早くに病気で亡くなったのだが その闘病中 治療にかなりのお金がかかった
徳二郎さんの父親は木材の世話を任されており 金を作る為に不正を 使い込みをした
たまたま棺野のー和守は それに気づき・・・・・・

徳二郎の父親の金が必要な事情を知る和守は誰にも言わないことを約束したが 徳二郎の父親はそれを信じられなかった

悪い事をしているという後ろめたさが募りー
募った挙句に更に悪い方向へ考えが流れた


知った人間がいなくなれば もう恐ろしいことはない
自分の横領の罪を押しつけることもできる

和守だけ殺すつもりがー婦人会の集まりが早くに終り 留守にしていた梅美も帰ってきてしまった

鬼になっていたのか
梅美さんも殺し 
大広間で遊ぶ幼い松琴にも手をかけようとした時に・・・・・・何かが騒ぎ出した


ひどく恐ろしい思いをした徳二郎の父親は逃げ出し

けれど その恐ろしい思いは記憶から消えず 繰り返し夢を見た
人を殺す自分 血塗れの姿

そこに迫って来る何か

徳二郎の父親は気がおかしくなり入院することとなった

孤児となった徳二郎は子供のいない同じ馬場姓の親戚に引き取られ

唐十郎の運転で父親が入院する病院へ見舞いに行き 父親が時折漏らす譫言から いつか事の真相を知った

自分の父親は人殺し

事実が分かった時には 既に松琴は 僕の母は村を出て行った後ー

村の住人に真実を明かそうとする徳二郎さんを唐十郎さんは止めたと言う

「徳二郎もそんな父親の被害者じゃないか お前さんの父親も もう罰は受けている
自分のしでかした悪事に心がもたなかった
今更 古い話を蒸し返してどうなる

それより村の為に自分に力を貸してくれないか
一緒に動いてくれないか」


前向きに未来を見つめて生きるんだーとも唐十郎さんは言ったとか

それでも徳二郎さんは ずっと心苦しかったそうだ


言いたい 本当の事を言いたいーそう思いながら僕の手助けをしてくれていたのだと

だから あの時 とうとう徳二郎さんは言ってしまったのだ

{「この古民家に住んでいたのは 松琴さんだから」}



唐十郎さんから 僕の母がここにいた事とかは言わないように口止めされていたにも関わらず




「それでーそのお父様は今も病院に?」
そう母が尋ねる

「いえ・・・昨年 正気を取り戻さないままに亡くなりました」


「そうですか」
母は暫く黙っていた 両手の指を組んで ふうっと息を吐く
「-ならば もう終わったことです 私には・・・・・事の次第がはっきりして良かったです
唐十郎さんの言われるように徳二郎さんには罪は無い
全部四十年以上も昔のことです

徳二郎さんが我が身を責めることなど 何一つありませんよ
今迄辛かった 苦しかったことでしょう

死んでしまえば仏様
それでいいと思います」


もう全部 終わったこと それでいいと母は言った

ならば 僕が言うことなど何もない

過疎化したこの村
徳二郎さんが今も独身なのは 村に適当な相手がいないだけではなかったのか

もしや・・・それが自分への罰だと思い家族を持たずにいたのか

それはそれでいたましい気がする


徳二郎さんは 無言のまま深く頭を下げ続け・・・・・

僕は言葉を捜していた