![]() | 真田十勇士 |
松尾清貴 | |
小学館 |



舞台になり映画にもなった物語
その容貌ゆえにか天下の智将とうたわれた真田幸村
だが 彼は自身では凡庸な人間であると思って生きてきた
自由を求めて抜け忍となった猿飛佐助は名家の誰々の忘れ形見と名乗り あちこちでカタリを続けていたが正体を見破られ その家の娘をさらって山中の荒れ寺にたてこもる
救いを求められた幸村がそこへ向かう
佐助と対面した幸村は自分を殺せと言い ならばと死のうとする
「真田幸村の名と命、おいらに担がせちゃあくれねえかい」
佐助は真田十勇士をつくることから始めた
同じ里の抜け忍で山賊をしている霧隠才蔵をスカウトに行く
真田幸村の息子の大助 幸村の忠臣・海野六郎 猿飛佐助 霧隠才蔵 望月六郎 三好清海入道 三好伊三入道 由利鎌之助 筧十蔵 根津甚八
寄せ集めにも思えたこの十人
それぞれの事情と思惑を抱えて集まった男達
真田幸村も彼等も共に変化し 一つにまとまる
淀君の招きに応じて大坂城へ向かった時から ある覚悟をしていた真田幸村
淀君が頼りたかった男 縋りたかった男
辿り着くところは「死」と知りながら 大坂城に向かうことで幸村は「想い」に答えた
淀君の大きな裏切り
死んでいく男達
軽く始まった物語は 終盤 十勇士の死が始まったところで思わず感動させられる
真田幸村の物語は 死へむかうと知っていながら
何を考えているか 心の奥底は分からなかった男 真田幸村
不器用だった 器用には生きられなかった男
その雄々しい死にざま
実は誰よりも勇者 そして報われぬ忠義者
それでも徳川の謀略の裏をかかんとする佐助 才蔵 火垂
生き残った者達もいることが救いになっている
全員死んでしまっては 救いのない物語になってしまっていたから