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夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

「霧道谷にて」ー8ー琴子

2009-05-21 23:35:39 | 自作の小説

中々戻って来ないので心配した倉元さんは 香夜美さんと仲よさ気に話しながら歩いていた

ほっとする反面 何か胸の奥に はねるものがある

まるで別の生き物のように

それを捩じ伏せる

香夜美さんは美しかった

甥の陽一のことも可愛がっている

いい人なのだと 何故思えないのか

あの美しさ

自分の心の狭さを思うのだけれど どうしようもない 情けない

香夜美さんは美し過ぎる
無言になってしまった私の前を探偵が通り過ぎー少し間をあいて香夜美さんと並んで歩いた 「あんまり田舎で驚いたでしょう
ここで閉じ込められるように育ったのよ
だから姉もわたしも人とは何処か違うかもしれない

でも姉はゼロから あなた達という居場所を見つけた

ひどく羨ましいと思う

わたしは姉のように作りあげることができないから 子供の頃からずっと姉が持つモノを せがんでねだって 時にひどいことして横取りするしかなかったの

姉は頼めば 大抵譲ってくれる優しい人なのに わたしは問答無用にただ取り上げたくなるのだわ

でもね わたしに無いもの持つ姉が わたしはひどく好きなの

人が姉にひどいことをしたら わたしは許せない

だけどその大切な姉にいつもわたしはひどいことをしてしまうの

後でひどく寂しく辛い思いも味わうというのに

きっとわたしは何処か壊れているのね」

「何故会ったばかりの私に?」

寂しそうに香夜美さんは微笑む

「 さあ いつか姉にわたしが何を感じていたのか知ってほしいから

わたしは姉のようでありたかった

けれど 姉にはなれないの

わたしは自分を抑えられない

じきに じきに 酷いことをしでかしてしまうわ」

自制できない感情の烈しさ

善悪も何もない

良い存在でありたいのに その枠にはまっていられないと
香夜美さんは言うのだった

許さなくてもいい

判ってほしいと

私には 香夜美さんが何をしようとしているのか 分からなかった

一緒に姉の家へ来るかと思えた香夜美さんは 少し手前で他の家へと行き

これからの事を兄達と話すうち
私は眠り込んでしまった

それは私だけでなく 兄も探偵さんも

義姉もだった

その間に陽一ちゃんがいなくなっていた

雨の音で目が覚めたのだ

探偵は香夜美さんの家へと走り 義姉のはるみは 動きやすい私の服に着替えた

地理に不案内な私が家に残り 兄と義姉も陽一ちゃんを捜して外へ

暫くして戻ってきた探偵は 香夜美さんも 近所の人もいないと言う

一体 何が起きようとしているのか

雨は激しさを増してきている

探偵は気になる事を言った

小道脇を流れる川の水嵩が増していると


氾濫する怖れがあるのは川なのに 濃い潮の香りがした

ひどくひどく嫌な感じがする

香夜美さん
あの人は止めて欲しかったのではないだろうか

だからこそのあの言葉

なら 止めるのは 私の仕事

あの美しい人が どう壊れてしまうと しまうというのか

私が見つけて止めなくては!

(「霧道谷にて」-7-のお話は↓をクリック お願いします)

http://blog.goo.ne.jp/yumemi1958/d/20090410


田中啓文著「邪馬台洞の研究」 講談社文庫

2009-05-21 21:36:29 | 本と雑誌

田中啓文著「邪馬台洞の研究」 講談社文庫
田中啓文著「邪馬台洞の研究」 講談社文庫
田中啓文著「邪馬台洞の研究」 講談社文庫
私立伝奇学園高等学校民俗研究会シリーズ第二作

やたら食べる諸星 比夏留が主人公

食べる量が ギャル曽根も真っ青

しかも珍妙な技を持つ

部の顧問の先生はひどく怪しいし

著者の別の落語家さんのシリーズとは また違った味わいがあります

妙な脱力感が好きな方へ


田辺青蛙著「生き屏風」角川文庫

2009-05-21 09:49:40 | 本と雑誌

田辺青蛙著「生き屏風」角川文庫
田辺青蛙著「生き屏風」角川文庫
県境の番をする妖鬼の皐月は馬の首の中で眠る以外は そうあやかしらしさがない
ひどく長生きではあるらしいのだが

そんな皐月に 屏風の中に帰ってきた死人の相手をしてくれと 妙な依頼が

だが屏風の中の女の相手は楽しかった

寧ろ生きている人間の思案の方が 気持ち悪い

皐月と生き屏風の奥方の楽しい時間は ずうっと続くかに思われたのだがー

「猫雪」
皐月の前の番してた妖かしは猫の姿をしていることが多い

彼が気に入っている人間は 雪になりたいと言った・・・

「狐妖の宴」
皐月のもとに惚れ薬を作ってくれと娘が来て頼むがー

皐月は狐妖へ教えてもらう

皐月の先代の番であった猫姿の妖かしと狐妖の昔話

それはちょっと切なくて

第15回ホラー小説大賞短編賞受賞作品です

やたら血みどろなだけがホラーでない

こういう作品も受賞できるところが とてもいいですね

恐ろしくはないホラーあります


昨夜見た夢

2009-05-21 01:43:12 | 子供のこと身辺雑記

昨夜見た夢
少し具合の悪かった夜 不思議な夢を見ました

何 夢なんてものは 不思議なもの 妙なものではあるのですが

二時間置きに気分が悪くなって 目覚めてはトイレに起きてました

その時も 私 起きたつもりでした

トイレに入ろうとすると どうも天井に妖しいモノが張り付いているようなのです

で電球が切れているのか明かりがつかない

私ってば ひどく冷静に 2階の寝室に戻ったら 電球が切れていること 主人に言わなくちゃと思ってるんです

でトイレ出て しんどくて気持ち悪いのにシャワー浴びたいなんて思うのです

窓の外では午前三時頃なのに 友人とそのお母さんが会話してるの

ただ浴室の窓から見える景色は現実と違い 遠くに山見える田畑なのです

その時間既に鍬ふるっている男性の姿も見えます

友人は私の名前を出して
話しに行こうと思ってるなんて言っている

みんななんて早起きなんだろうと思いつつ 寝室に戻った私は 寝返りうち 手が 何かに当たって思い出すのです

ああ主人が横に寝てたのだと

で ごめん あのね トイレの電球消えてるって言って

夢の中でまた眠り 更に夢を見るのです

服屋さんで私は 娘に合う服を何点か選んでいます

その夢の中でも体調悪く またトイレに行くのです

トイレ近くに何か怖いモノがいます

私は目だけ合わせないようにして それの傍らを通り過ぎるのです

そうして私は気付くのです

ああ 私は今 夢を見ているのだと

二重にも三重にも 夢の中で夢を見る夢を見ました

目が覚める少し前に見ていた夢は もう昔に死んだ犬達が出てくる夢でした

チビ エル テリー
他にいた白い犬は初代のランでしょうか

夢の中で犬達は 私が迎えに行くのを待っていました

私は餌を持って行くのです

今夜はどんな夢を見るのでしょうか

時々 そのまま物語になっているような夢を見ることもあります

起きてから どんな意味があるのだろうかと しみじみ考えこむような夢も

つけたイラストは娘の遊び描き

狼をモトにした妖かしーのようなものだとか