8月の読書メーター読んだ本の数:8
読んだページ数:2144
ナイス数:882
ふたりの花見弁当 食堂のおばちゃん(4) (ハルキ文庫 や 11-5)の
感想シリーズ4作目。お馴染みになったはじめ食堂の、今回はお店から一歩出た外の世界も描かれた。常連さんの風景。一子さんと二三さんの銀座の食べ歩き。要や万里くんの仕事や休暇。どこかにしっかり食べ物のことを置きながら、それぞれの人に一歩踏み込んだ描かれ方がされていて、さらにこの世界に深見がでたかな。楽しい物語。続きがあるのならばまた手にしましょう。そして他の作品も読んでみたくなっている。
読了日:08月30日 著者:
山口恵以子愛は味噌汁 食堂のおばちゃん(3) (ハルキ文庫)の
感想孝蔵さんと一子さんのはじめたお店は、一子さんと高さんの代で洋食から家庭料理に変わり、二三さんが大切にそれを守り引き継ぎ。そしていま、万里くんが加わったことで少し新しい風が吹き込んできた。色んな事件が絡まったお話だけれども、通して思うのは万里くんの成長記録?最後のお話はまさにそれ。きっと、変わらずに在るものの横に今の風が寄り添うようになるんだろうな、と思えるラストが心地よかった。イロイロ作ってみたいメニューもあるけれど、一番は。孝蔵さんのコンソメスープを飲んでみたかったなと思います。
読了日:08月25日 著者:
山口恵以子恋するハンバーグ 食堂のおばちゃん(2) (ハルキ文庫 や)の
感想図書館、単行本で読了)再読)文庫4冊大人買い(笑)ここまでは再読コースなのですが、すっかり忘れている諸々もあって素直に楽しめました。はじめ食堂が始まった時からの物語。何よりも孝蔵さんがかっこいい。というか良すぎる(笑)一子さんの庶民感覚もとても素敵で本当に身近にこんなお店があったらなぁ、と思える世界。そして私は四葉銀行の老夫婦がまたとても好きです。世代別の理想の夫婦があちらこちらに?そんなことも思いつつ今回は読んでいました。
読了日:08月21日 著者:
山口恵以子食堂のおばちゃん (ハルキ文庫)の
感想単行本・図書館で読了)再読)さすが、の一言。実際作者ご本人が食堂のおばちゃんだったこともあるだろう、どっしりと地に足の着いた安定感があって本当に楽しい。そして美味しい。人と人の関係や姿も、かっちりと歩んだそれぞれの人生の時間に応じたものに思える。だから何度も読みたくなる。文庫になったら手元に欲しいな、と思って漸くかなえたシリーズ。このまま次に進む(^^)
読了日:08月16日 著者:
山口 恵以子くちぶえ番長 (新潮文庫)の
感想再読)図書館→本屋さんで今回手元に来てもらい帰省の友で一気に読む。おじさんになったツヨシが小学4年生の時のくちぶえ番長マコトとの思い出を語る。懐かしい色に包まれながら子ども時代の夢中で真っ直ぐで切なく甘くほろ苦い世界が描かれて、子どもよりもきっと大人が引き込まれてしまうんじゃないかな、と思う。ラストがなんとも切ないのだが、だからこそまた、思い出したその時代が光り輝くのかな。と、感じるのはおじさん、おばさん(笑)同年代の子どもたちにもきっとたくさんの思いを引き出してくれる世界のように思う。気持ちのよい世界。
読了日:08月13日 著者:
重松 清紙の動物園 (ケン・リュウ短篇傑作集1)の
感想初作家さん)図書館本)読友さんの感想がきっかけ。恥ずかしながら翻訳本であることは手にして初めて知った。ハヤカワSF文庫。とても久しぶりでそして。海外の作品は昔と変わらず難しくて苦手で、そして大部分が理解し難く…私はちっとも成長できてなかったorz。。そんな状態だったが「紙の動物園」はもどかしすぎたがラストはとても切なく「心智五行」は興味深く「文字占い師」は重すぎるしラストの息苦しさも別格の真っ暗闇だったけれど考えさせられる物語として残る。この本はなぜSF?と思った違和感は訳者あとがきで理解しました。
読了日:08月11日 著者:
ケン リュウ黒書院の六兵衛 下 (文春文庫)の
感想最後の武士。いや、最後の旗本。六兵衛とは何者か?というひとつ事のみを問い続け、様々な憶測、妄想を経て終いには神仏にまで奉られ。彼の最後に加倉井にかけた言葉が重い。時代の終わりと始まりを繋いだ姿。江戸城の奥で最後のさいごまで武士としての矜持と振る舞いを貫き通した、やはり最後の武士、か。箱館に散った彼といい幕末は出自は違えども武士として生き抜く力は生まれから武士であるより強いのか。鰻の件から後は終わる時代への想いも重なり辛さ、淋しさを感じながら読み終えた。黒書院の六兵衛。想像よりずっとおおきな深い物語だった。
読了日:08月09日 著者:
浅田 次郎黒書院の六兵衛 上 (文春文庫)の
感想的矢六兵衛とは一体何者なのか。その一点をひたすら追って淡々と進む物語。いや、一向に進まない作業と粛々と「その時」に向かって流れる時間、か。謎だらけの一人の男がここまでとことん訳がわからないとは。同時に。江戸城の無血開城になるまでの勝安房守を筆頭に名もない武家の人々の奮闘、混乱が、時を経るにつれてとても寂しくて切なくなっている。加倉井隼人は謎を解くことができるのか。下巻に進む。
読了日:08月01日 著者:
浅田 次郎読書メーター