東野 圭吾 著 講談社文庫。
人が人に対して抱く気持ち。
その中でも、負のエネルギーである「悪意」
それを、人は一体どのくらいの激しさで相手に対して抱くことが出来るのだろう。
この作品は、「犯人」は簡単にわかります。
そして、その犯人と、加賀恭一郎刑事とのやり取り、「何故?どうして?」がとても重要なポイント。
そのポイントを、いろいろと騙されながらも考えて考えて、ラスト。
読み終わっても、とても複雑な思いで、現実に置き換えて更に考え込んでしまいました。
加賀恭一郎が出てくる作品ってことで、前作で教えていただいた1冊なのですが、彼が何故教師を辞めたのか、その原因もここで判ります。なんともやりきれないものが全体を覆い、それは彼の苦い記憶もある意味で関係している話の運び。
「嘘をもうひとつだけ」もこの前に読んだのですが、そちらは、加賀恭一郎のひととなりの確かさ、抜群の推理力と相手に対する思いやりのようなものが、鮮やかに描かれた短編集で、すっきりと読み終わりました。で、今度は長編~と読み始めたのですが、その内容のまったく違う扱い方に、びっくりし、引き込まれ、そしてまだ、考えています。
犯人の気持ちが理解できない。そこまでの「悪意」が存在することを私はどこかで否定したいと思ってしまう。でもまた一方では、今の世の中そんな状態なんてめずらしくないような気もする。
人と人。
相手と自分。
身内と他人。
仲間と一人。
親と子。
推理小説の分野で、こんなに考え込んでしまうことは初めて。これは、そんなお話でした。傑作です。今まで読んできた作品中で一番かも。
人が人に対して抱く気持ち。
その中でも、負のエネルギーである「悪意」
それを、人は一体どのくらいの激しさで相手に対して抱くことが出来るのだろう。
この作品は、「犯人」は簡単にわかります。
そして、その犯人と、加賀恭一郎刑事とのやり取り、「何故?どうして?」がとても重要なポイント。
そのポイントを、いろいろと騙されながらも考えて考えて、ラスト。
読み終わっても、とても複雑な思いで、現実に置き換えて更に考え込んでしまいました。
加賀恭一郎が出てくる作品ってことで、前作で教えていただいた1冊なのですが、彼が何故教師を辞めたのか、その原因もここで判ります。なんともやりきれないものが全体を覆い、それは彼の苦い記憶もある意味で関係している話の運び。
「嘘をもうひとつだけ」もこの前に読んだのですが、そちらは、加賀恭一郎のひととなりの確かさ、抜群の推理力と相手に対する思いやりのようなものが、鮮やかに描かれた短編集で、すっきりと読み終わりました。で、今度は長編~と読み始めたのですが、その内容のまったく違う扱い方に、びっくりし、引き込まれ、そしてまだ、考えています。
犯人の気持ちが理解できない。そこまでの「悪意」が存在することを私はどこかで否定したいと思ってしまう。でもまた一方では、今の世の中そんな状態なんてめずらしくないような気もする。
人と人。
相手と自分。
身内と他人。
仲間と一人。
親と子。
推理小説の分野で、こんなに考え込んでしまうことは初めて。これは、そんなお話でした。傑作です。今まで読んできた作品中で一番かも。