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「ドリアン・グレイの肖像」 観劇4回目・その1

2009年08月30日 22時21分58秒 | 山本耕史さん
そこの人!(って誰??)
「えっ??」って言わないで、ね。
「えええええ~~~~っ???」って思ってますから、私が・・・・(爆)

ええ。そうです。
今日は「前楽」といわれる日です。
そして、観劇のプロ(笑)なお友達から、
「もし、観られるなら前楽を選びなさいな」って言われていた、その日、です。
チケットなんて持ってません。
無理だと思っていたから買いませんでした。
昨日のチケット購入時も散々迷ったけど3階席は遠すぎるって思ったし・・・・

なのに・・・・

行っちゃいました。三軒茶屋。世田谷パブリックシアター。
「当日券」っていう悪魔のささやきに抗いきれず・・・・・
(補助席で1.2階席を用意しますって言うんですもん。係りの人が!/アハハ)

・・・・・・・

舞台も4回目、しかも3連続となるとそれなりに落ち着いてきてました。
オペラグラスを握りながらも全体の流れを追える余裕があるなあ、
などと、勝手に思いつつ、
始まりのピアノを聴き、じっくりと余裕を持って観てるつもりでした。私。
今日も1幕中で笑える場面もあったし観るほどに独特の言い回しもすんなり頭に入るようになってきたし。

だけど。

1幕の最後。
シビルの自殺のことをドリアンが知った翌日の朝。
バジルがドリアンの家をたずねてきた場面。
ドリアンはワインを浴びるように飲みながら対峙するシーンで。
ドリアンが嗤い、バジルが怒り、そのぶつかり合いの最後。

ドリアンが
「バジル・・・」と声をかけた、その声に。。。

私は凍りつきました。
何だろう。この、声。
自責の念と悲しみに、消えてしまいそうな弱々しさ。
友人に見捨てられることへの恐怖。
目の前に居るのにあまりにも弱弱しく憐れな小さな子どものような、ドリアン。

声の微妙な揺れは、なに?
かすかな揺れがこころに入り込んで掴まれる・・・

だから。
バジルはそれ以上責められなくなって。
だから。
バジルはそのままドリアンを正せなくなった・・・

・・・・・恐ろしいほどに魅力的なドリアン・グレイ・・・・・

それがすべて「バジル・・・」と呼びかけた一言に凝縮して・・・

悪魔の魅力。それかもしれない。
「美しい」というだけで周りの人を巻き込んでいく、
その姿が目の前にあった。

突然、美しさだけで人を魅了するっていう意味が判った気がした。


そして今日のラスト。
私の最後のドリアンのラストは。。

怖かった。
とても、怖かったです。ヘンリー卿が・・・・

ドリアンの死を目の前にして、
淡々と表情も変えずに指輪をドリアンに返し(ドリアンの手にはめて)
そして、去っていく彼が。
無闇にさっそうと、去っていく彼が・・・
すごく、怖かった。

4回目にして初めて、ヘンリー卿がとても残酷に見えた瞬間でした。

。。。つづく。。。

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