goo blog サービス終了のお知らせ 

くりぃーむソ~ダ

気まぐれな日記だよ。

機械仕掛けの青い鳥(96)

2019-07-05 20:34:37 | 「機械仕掛けの青い鳥」
 少尉は、少しがたぴしゃと軋む風防ガラスを、まるでベランダのガラスを開けるように、するりと開いた。勢いの強い風が、ゴウーッと耳が痛むほど音を立て、操縦席の中になだれこんできた。
 努力の甲斐なく、風防ガラスを開けられてしまったソラは、勢いのある風に軽々と舞い上げられ、風防ガラスの内側にドスン、と背中から叩きつけられた。

「さぁ、どこにでも飛んでおいき」少尉は、風に吹かれて目を細めながら、青い鳥をそっと持ち上げ、外に腕を伸ばした。

「どうして? 私の声が聞こえないの? 一緒に帰ろうよ。お願い――」

 ウミの声は、少尉に届いていた。そしてその小さな姿も、少尉は目にしていた。
「こんな小さな神様がいたなんて、知らなかったよ」と、少尉は目を細めたまま言った。「ありがとう。もしも願いを叶えてもらえるなら、この戦争を早く終わらせてほしい……」
 巻き上げる見えない風の圧力に押しつけられ、青い鳥とウミは、飛行機の外に飛び出していった。

「ウミ!」

 ソラは迷わず、風防ガラスの縁に手を掛けて飛行機を蹴ると、グルグルと回りながら離れていく青い鳥に向かって、勢いよく飛び出していった。
 パッチリと開けられた青い鳥の目が、赤く光った。風に舞い上げられ、宙に放り出された体が、嘘のように動きを止めた。
 青い鳥の首に手を回し、ギュッと目をつぶっていたウミは、ゴウゴウと吹きつける風の音が止んだのに気がつき、ハッと目を開けた。
 青い鳥が大きく翼を広げ、羽ばたくことなく、空中に浮かんでいた。ウミが顔を上げて見ると、痛めている片方の羽根が、半ばまでしか開いていなかった。
「大丈夫?……」青い鳥の顔を見ながら、ウミが心配そうに言うと、

「ウミ!」

 ソラの声が聞こえた。
 ウミが振り向くと、右手をうんと伸ばしたソラが、磁石で引きつけられるように近づいてきた。
「お兄ちゃん」と、ウミは言いながら、ソラに向かって片手を伸ばした。
 二人の指先がわずかに触れると、すべての景色が真っ白く染まってしまうほどの光が、辺りを覆い尽くした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

よもよも

2019-07-05 06:13:35 | Weblog
やれやれ。

街中に選挙ポスターを掲示する

ボードが建ちはじめて、

そろそろ選挙か?

思ったら、とうとう始まったね。

毎回思うけど、なんか盛り上がんないでしょ。

一大イベントなんだけど、

どうしてか自分でもめんどくさいと思ってしまう。

考えると、

なんか候補者の言ってることが、

いちいちうさんくさく聞こえてしまうのが、

理由みたい。

結局、候補者に魅力が無いって事??

アイドルの総選挙は盛り上がんのにね。。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする