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トランプ大統領に司法妨害はなかったか?モラー特別検察官の真意は?

2019年04月19日 | 日記

モラー特別検察官の調査報告をどのように読むかは立場によるものと
思われる。

一般的にはトランプ陣営とロシアの共謀があったかどうかがそもそもの
目的だとの認識だったが、どうやらそうではないらしい。
実際、この点については、報告書でも共謀は認めれなかったとしている。
(ただ、うまくいけば共謀を認めさせることができるという期待はあったかも
とは思う。個人的見解)

目的は司法妨害があったかどうかだったことがわかる。
モラー特別検察官指名のそもそものきっかけがトランプ大統領
によるコミー前FBI長官の解任だったことからも納得できた。
この点についての分析についてはロイターの記事が簡潔にまとめている。ここ

ただ、この点について、バー司法長官も指摘するように、元になる犯罪
(ロシアとの共謀)がないのに、その捜査妨害はあり得ないということになる
のではということになる。これが従来からの実務だと思う。
モラー特別検察官は、そういう従来の立場をとっていなかったのだ。
そういう見解では最初からこういう捜査を開始するのは出来なかったことは
わかっていたからと思う。
(あるいは、とにかく捜査開始するきっかけさえあれば、何とかなるという
見切り発車だった可能性もあり得る。)

司法妨害に関する部分の結論部分は次の通りである。
伝統的な見解はとらない。だから最終結論は出さない。
得た証拠からは、伝統的見解では必要とされる、大統領の行為と意図について
難しい問題がある(つまり証明できないということ)。
しかし、一方で大統領が司法妨害をしなかったと自信をもって判断することはできない。
よって、大統領が犯罪を犯したと結論しないが、同時にまた無罪というわけでもない。

 

歯切れが悪い。
このまとめからみるかぎり、何としても有罪にしたかったということのようだ。
伝統的見解ではおそらく無罪となることはわかっている。ということでそういう立場はとらないと
いうのは、政治的にどうかは別にして、法律論としてはおかしいと思う。
捜査から得た事実と適用される法律基準に基づくと「大統領が司法妨害をしなかったと自信をもって
判断することはできない」という判断をしたという。
それなら起訴できないのは当然である。
検察官がなすべきことは、犯罪を犯したと認めるPROBABL CAUSE があるかどうかの判断であって、
犯罪がなかったことが証明できるかどうかではない。
無罪推定が原則のはずだが、モラー特別検察官の場合は有罪推定の原則らしい。

法律的には難しいので、民主党が議会で追及できることを意図して、判断をあえて留保したのでは
ということになる。
無罪推定の原則からいくと司法妨害は証明できないという結論に当然なるはずのもの。

そういえば、コミー長官がヒラリーのイーメール問題で、重大な過失を認定しながら(犯罪になる)、
起訴はあり得ないという判断を正当化したのとは、全く逆の立場だ。
(なお、当時の司法長官はコミー長官にCASE(事件)という言葉の使用を禁止、MATTER
(問題)を使うよう指示したという。こういう印象操作は政治の世界では
日常茶飯事のこと。民主党の人たちは、問題視していない。)

法的には起訴に該当するが、政治的に起訴しないというのは理解できるが、
法的には不起訴に該当するが、政治的には起訴というような判断は、
法律判断を求められているはずの特別検察官の報告としてはおかしいように思う。

 

民主党と共和党の対応の違いをみるのはそれなりに面白いが、ヒステリックすぎるのは
いい加減にしてはという気がしないでもない。

物事を判断するにあたっては、それぞれの人がその件についてどういう立場にあるか
を見極めること。
立場が異なれば、同じ人が異なることを言う。
同じ立場になれば、みんな同じことをいう。
立場を超えて、物事をみることである。