北海道昆虫同好会ブログ

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2019年秋、絶滅危惧種の蝶イシダシジミの生息地で草刈り

2019-11-14 00:29:07 | イシダシジミ
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2019年秋、絶滅危惧種の蝶イシダシジミの生息地で草刈り




2019-11-12(火)の北海道新聞朝刊16Pのオホーツク版に絶滅危惧種とされ種の指定種として厳重に保護されることになったイシダシジミ( アサマシジミの北海道亜種 Lycaeides subsolana iburiensis Butler)の管内唯一の生息地、陸上自衛隊遠軽駐屯地演習場で草刈りが行われたことが報じられていました。








従来、環境省等は絶滅危惧種や種の指定はするものの、せいぜい採集禁止の看板を立てるくらいの対策しか行われないケースが多いなかで、地域住民などがこの蝶の幼虫が食べる食草ナンテンハギに覆い被さる笹や小灌木、ヨモギ、ワラビ、フキなどを草刈り機で刈り倒すという実効性が期待される対策を開始したのは注目に値する。







2019年10月中旬に草刈りを実行したのはNPO法人丸瀬布昆虫同好会、遠軽町職員など計12名。この産地では過去に自衛隊による草刈りが行われた翌年にイシダシジミが大発生したことがあり、以前からこの発生地での継続的な草刈りが推奨されていた。




今回の草刈りの効果が期待される。ぜひその後の経過も知りたいものです。




この記事は北海道オホーツク地域の北海道新聞購読者などごく一部の人々の目にとまるだけとおもわれ、広く北海道全域ないし全国にも知ってほしいとおもい本ブログでも紹介させていただきました。



かってはオホーツクや道東をはじめ道内各地に普通に産する蝶で、この蝶がこれほど減ってしまうとは誰も考えてはいなかった。



減少の理由は種々考えられているがはっきりしないものの、開発など人間の営みにともなう生息環境の破壊(豊かな草原の消失)や生息地の自然環境の急激な変化によるところが大きいと考えられます。





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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
イシダの草刈りについて (喜田和孝)
2020-11-26 15:25:57
記事掲載ありがとうございました。そもそもわれわれは生息地の復元を目指して保全に着手しておりますので、以前もコメントさせていただいた通り、環境復元のための調査を主体としてH21年(2009年)から活動してきました。当時は調査と域外保全が主たるものでしたが、H23年か22年(はっきりとした記録が出てきませんが)には自衛隊の管理者との話し合いにより、以前スキー場として利用していたときと同様、11月に草刈りを行っていただける約束を取り付け、矢崎さんが書かれている通り、少なくとも2012年には効果を発揮するほどの草刈りが行われていました。ところが近年積雪が早まり、11月の草刈りが十分に実施できない年があること、10月は不在のため時期を早めての草刈りも難しいとの回答を得ました。そこで、NPO丸瀬布昆虫同好会と丸瀬布教育センターで10月に草刈りを行うことになりました。2年目になる2020年は、環境省釧路事務所の協力も得られ、3者で草刈りを行う体制になりました。現在その効果を研究者の方に検証していただきながら進めています。効果の速報を見ながら、今後も正しい草刈りを行って参りたいと思っております。草刈り従事者の一人として代弁ながら。
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