北海道昆虫同好会ブログ

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国内希少種の追加指定 -指定前の標本の「譲渡し等の禁止」-の問題点

2016-06-11 18:21:44 | イシダシジミ

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国内希少種の追加指定 -指定前の標本の「譲渡し等の禁止」-の問題点(指定前の 標本の処遇について、適切な配慮がなされるべきことが検討されたか


○環境省への質問



(d-1) 種の保存法第3条に「この法律の適用に当たっては、関係者の所有権その他の財 産権を尊重(しなければならない)」という規定が置かれているが、今回の追加指定(前 回の指定におけるヒョウモンモドキも同様の問題を孕んでいた)により、この規定と の関係で、指定前に民間(一般私人・アマチュア)の蝶類愛好家・収集家の手許で適 法に所有されている指定種の標本の「譲渡し等」については、どのような取扱いにな るのか。


(d-2) それら国内希少種の指定前の標本の「譲渡し等」を禁止する趣旨・目的は何か。


(d-3) 哺乳類などと蝶を一緒にして 41 種を一括して指定するのはあまりにも乱暴であ る。もっときめ細かな対応が必要で、棲息地における現状だけではなく、標本がどの くらいあるのかとういう現状把握も必要ではないか。今回の追加指定3種の民間で所 有されている標本数がどの程度であるか把握しているのか。


(d-4) アマチュアの同好者が国内希少種の標本の譲渡し等を受けて研究したり、図鑑を 出版したり、展示会を開いたりすること、年長者の同好者が年少者の同好者に標本を 譲渡し等してコレクションの世代間保存を行うという行為への影響はどう考えている のか。

(d-5)「ゴマシジミ中部亜種」という指定種の括りは、かような罰則を伴った規制法に 要請される「明確性」の要件を欠いているのではないか。ちなみに矢後氏はパブコメ 公開時に、環境省には「関東・中部低地亜種」の名称および亜種名の学名表記(ssp. kazamoto)を推奨していたが。


○環境省の回答

(e-1) 種の保存法第 12 条第 1 項により、指定前の標本についても、有償の所有権又は 占有権の譲渡・移転(売る・買う・賃貸し・賃借り・預ける・預かる)はもちろん、 無償での所有権又は占有権の譲渡・移転(あげる・もらう・ただで貸す・ただで借り る・ただで預ける・ただで預かる)は全て原則禁止される。


(e-2) 国内希少種については、国外希少種のような事前登録による規制解除の措置は用 意されていない。


(e-3) 国内希少種の学術・研究目的での譲渡・貸借・陳列はその旨の申請があれば適切 に許可する。


(e-4)公的研究機関(大学や博物館など)は届出を出せば自由に国内希少種の寄贈を受 けられる。


(e-5) 販売・頒布目的でない展示は法文上も自由である。


(e-6)国内希少種の標本の所有者による廃棄・破壊行為と相続による移転は規制対象外 である。


(e-7) かような規制を行わないと、国内希少種の標本を得るための採集行為を誘発して 希少種の絶滅を助長することにつながるので、希少種の保存のために必要な措置であ る(種の保存法第 12 条と第 3 条は矛盾しない)と考えている。


(e-8)種の違いに応じて指定の内容を変えることや、蝶の標本数の実態把握は作業が煩 雑になるからできない。今回の追加指定3種の民間での所有標本数は、実態は調べて いないが、「非常に多くの標本数がある」とは認識している。ただ、公的機関の受入等 で対処は可能なのではないか。


(e-9) 標本譲渡の自由については、そもそも「野生生物をお金に替える」という行為は いかがなものかという考え方もある。

(e-10)「ゴマシジミ中部亜種」は ssp. kazamoto を指すものとして明確な認識ができるも のと考えている。



この項、続く。




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