毎週の“お仕事”の日というわけで国連本部へ行っていそいそと午前中会議に出ていたのですが、午後は関連のミーティングがない! ということで、だったら普段出ない会議に出てみようと興味本位で予定をチェックしたら、G77+Chinaが環境ネタの決議案を話し合うClosed Group Meetingをやるとあったから参加してみた(私が“働いている”代表団は途上国)。一応G77+Chinaを解説すると、大体マルチ(多国間)の会議の場だと戦術上交渉グループに分かれることがまぁ多くて、中でもよくまとまるのが途上国140カ国弱がいるG77+Chinaかな。後はEU、EU以外というのが大雑把な分かれ方(本当に大雑把ですみません、モノによってはOPECや島国連合や農業輸入国やいろんな別れ方がありますが)。他の交渉グループの中がどうなってるの(・ ・?)というのは単に半年に一回ぐらいやるような大会議に出るだけだとさっぱり分からないんですね。
いや、話には聞いていますよ、実際は少数の一部の国の意見がゴリ押しして通ってそれが「途上国の一致した意見」ヅラしてるってのは。大会議で観察してると何となく分かるし(グループの結束を乱す国に食ってかかる場面もあるし)。昔途上国支援ネタのWorkshopに出た時に先進国側は5,6人だけで後の70-80人は途上国、というシチュエーションになって何となくグループ内の雰囲気みたいなのを感じたことがあったけど、和気藹々としながらも議論をリードするのはやっぱり4,5人になっちゃってたような気がする。そういう人は大抵はグループ内の大国かそうでなければそのイシューのエキスパートかどちらか。
んでいざグループ内ミーティングに参加してみると、やっぱり本当でしたというのが正直なところか。まず、そもそも会議に来ていない。140カ国近くいて、いや大事なイシューじゃなかったからとかいろんな理由はありますが(去年の決議から足し算引き算する話だった)、グループ内ミーティングに参加してたのは30カ国弱かなぁ~。んでその中でもリードするのは大国/(中小国の)エキスパート数名といった感じ。彼らが有無を言わさず議論を進めて(もっともコレは人による)、グループ内なら騒げば通ると言った雰囲気も手伝って、やっぱり一部の国の意見が「途上国全体」の意見扱いされる状況が構造的にあるってことなのかなぁ。会議が終わった後「えぇーっ、ココ話し合い終わったんだっけ?」とか中国※が言ってたぐらいだし。 ※ちなみに「大国」というとすぐ連想するのは中国でしょうが、language difficultyもあって「普段は」あまり議論をリードしないように観察しています。そもそも、いざとなるとどんなイシューでも一国でひっくり返すぐらいの力がありますし、元々。
グループ内会議に参加さえしない国の立場からすると、それでもBetter Than Nothingというか、そもそもいろんなイシューをカバーする人的リソースが元々なくて、少々自国の意見と違うことが混じってあっても、元来何もできなかったハズのactionができるというウマミはやっぱり相当大きい気がしますね。
まぁ「そんなものだ」とでも思ってれば何ともないのでしょうが、そうして出てきた意見が無条件に「途上国の声」「弱者の叫び」「環境悪化の加害者先進国に立ち向かう正義の被害者」みたいな扱いをされることが多い(気がする)のは些か不満。マルチな場で、利益が一致する小グループならともかく巨大交渉グループを通して出てきた意見を本音と捉えるのは、裁判での国準備書面の内容を国の担当者の本音と捉えるのと同じぐらい馬鹿げています(全然例えが分かりやすくないですね、要するにブラフがいっぱい入って本心とは別ということが多いですよということ) じゃぁ他にどうやって「途上国の声」を拾うのか云々話は尽きないわけですが、まぁおいおい。
いや、話には聞いていますよ、実際は少数の一部の国の意見がゴリ押しして通ってそれが「途上国の一致した意見」ヅラしてるってのは。大会議で観察してると何となく分かるし(グループの結束を乱す国に食ってかかる場面もあるし)。昔途上国支援ネタのWorkshopに出た時に先進国側は5,6人だけで後の70-80人は途上国、というシチュエーションになって何となくグループ内の雰囲気みたいなのを感じたことがあったけど、和気藹々としながらも議論をリードするのはやっぱり4,5人になっちゃってたような気がする。そういう人は大抵はグループ内の大国かそうでなければそのイシューのエキスパートかどちらか。
んでいざグループ内ミーティングに参加してみると、やっぱり本当でしたというのが正直なところか。まず、そもそも会議に来ていない。140カ国近くいて、いや大事なイシューじゃなかったからとかいろんな理由はありますが(去年の決議から足し算引き算する話だった)、グループ内ミーティングに参加してたのは30カ国弱かなぁ~。んでその中でもリードするのは大国/(中小国の)エキスパート数名といった感じ。彼らが有無を言わさず議論を進めて(もっともコレは人による)、グループ内なら騒げば通ると言った雰囲気も手伝って、やっぱり一部の国の意見が「途上国全体」の意見扱いされる状況が構造的にあるってことなのかなぁ。会議が終わった後「えぇーっ、ココ話し合い終わったんだっけ?」とか中国※が言ってたぐらいだし。 ※ちなみに「大国」というとすぐ連想するのは中国でしょうが、language difficultyもあって「普段は」あまり議論をリードしないように観察しています。そもそも、いざとなるとどんなイシューでも一国でひっくり返すぐらいの力がありますし、元々。
グループ内会議に参加さえしない国の立場からすると、それでもBetter Than Nothingというか、そもそもいろんなイシューをカバーする人的リソースが元々なくて、少々自国の意見と違うことが混じってあっても、元来何もできなかったハズのactionができるというウマミはやっぱり相当大きい気がしますね。
まぁ「そんなものだ」とでも思ってれば何ともないのでしょうが、そうして出てきた意見が無条件に「途上国の声」「弱者の叫び」「環境悪化の加害者先進国に立ち向かう正義の被害者」みたいな扱いをされることが多い(気がする)のは些か不満。マルチな場で、利益が一致する小グループならともかく巨大交渉グループを通して出てきた意見を本音と捉えるのは、裁判での国準備書面の内容を国の担当者の本音と捉えるのと同じぐらい馬鹿げています(全然例えが分かりやすくないですね、要するにブラフがいっぱい入って本心とは別ということが多いですよということ) じゃぁ他にどうやって「途上国の声」を拾うのか云々話は尽きないわけですが、まぁおいおい。
あ、違いました。「大国」だけなら、アメリカとかアメリカとかアメリカを想像するんですが、傘下の小国に睨みをきかせながら「途上国のリーダー」ヅラをす
るのが… あ。ダメ。これ以上はダメダメっ
小国がまとまって大国に付く理由は、やっぱり経済支援だったり軍事同盟だったりするんでしょうか? そうだとしたら、環境とは直接関係のない利害で自らの立場を決めなきゃいけないなんて、間違ってる…
って、もしかして日本も小国の一員なのかしら??
交渉グループ内でなびく理由は単純に人的リソースが足りなくて、大国は人員も多いので、「こうですよ」と説明されるとハイと言ってしまうというプラクティカルな話が実はかなり大きいように思いますが、その他はやっぱりそういう打算が働くわけで、いや全部が打算の積み重ねでそもそ(以下自粛)。
よく言われることですが、日本はちょっとお上品過ぎるぐらいですかね。