今日で5年半!もの小泉内閣が総辞職ということで感想を。まあ功罪いろんな総括があるんだろうから概括的に感想を書いても仕方がないので、しばしば大衆迎合のポピュリズムだと悪し様に言われるワン・フレーズ・ポリティクスの対内的な効用について。
最後の談話でも数々のワン・フレーズを繰り返していますが、メディアが伝えるのは対外的な功罪ばかりです。まぁ情報の伝え手として自らに与えた影響と自らが伝える情報のインパクトばかりに目がいくのは当たり前か。典型的なステレオタイプ↓
小泉劇場終幕 訓練していた「ワンフレーズ」(朝日新聞 Sep. 26 2006)
署名記事(政治部・伊藤宏記者)だけあって!?、最後のワンフレーズリストがネガティブなものばかり以外は朝日新聞には珍しく無理矢理な展開がないように思う記事でしたが(でもステレオタイプ)、伊藤記者が指摘するように「自分の言葉で話すように」→「自分の言葉で考えるように」していたのは、霞ヶ関の誰もが(少なくとも総理マターになりそうな案件を扱う人間は)気づいていたことだと思います。自分の頭に入ってることしかしゃべらない場だから応答要領なんか見なくてもいいのです。国会で頭に入りきってないことを答弁する時は途中からは棒読みになることの方が多かった(のでは)。
これを逆に言うと、頭に入らないことは自分からはしゃべってくれないことになります。だから説明がまどろっこしくてスッと頭に入らないとダメだとは言われないまでもプッシュもしてもらえないことになり、あんまり度が過ぎると「旧郵政省の訳の分からない論理は小泉内閣では通用しない」ってことになる((((;゜Д゜)))ガクガクブルブル じゃぁどうするかというと、長くて30秒ぐらいでスッと頭に入るように説明するよう心がけるわけです。これって大抵の役人が最も苦手なこと。
おかげで?(実際の説明者にこう説明してくれと持っていく立場としては)、頭では分かっているつもりのことでも何でだろう、一言で言うと何だろう?と考える癖がついた気がする。いやそんなの小泉政権になる前から身につけていて当然だろうと言われればハイそれまでなのですが、ある分野に非常に詳しい(悪く言うと族)議員のように官僚の論理をマスターしてしまう政治家が少なくない中、あるいは記者クラブで日々専門性を高める記者が相手では一つ一つ説明すると分かってもらえてしまうのです。でも「一言で言うと?」と玉ねぎの皮をむくように一つ一つ核心に迫ろうと考えていくと、実は矛盾が見つかったり、やっぱり筋が悪いと分かったりと、結果として中身までよくなることがしばしばあったように思う。
何でもワンフレーズで片付けて説明不足というのが主な批判だったように思うし、これを話し出すと、じゃぁそもそも政治家が(あるいは総理が)どこまで説明能力を持っているべきなのか、スタッフとしての役人との役割分担は?と議論が拡散するので対外的な功罪に踏み込むのはやめます。ただ、ワンフレーズ時代の終わり(?)を持って行政内部からこうした洗練化の努力がなくなって欲しくないなあと思います。
最後の談話でも数々のワン・フレーズを繰り返していますが、メディアが伝えるのは対外的な功罪ばかりです。まぁ情報の伝え手として自らに与えた影響と自らが伝える情報のインパクトばかりに目がいくのは当たり前か。典型的なステレオタイプ↓
小泉劇場終幕 訓練していた「ワンフレーズ」(朝日新聞 Sep. 26 2006)
「最初に衆院選に立候補して落選した時、長々と難しい演説をしたのが失敗だと思った。それ以来、短く、わかりやすく、自分の言葉で話すように意識して訓練した」。小泉氏からこんな話も聞いた。小泉氏は記者団の質問に答える時、応答要領を全く見ない。「ワンフレーズ」のわかりやすさと「ぶっつけ本番」のライブ感覚が劇場政治に強烈な破壊力をもたらした。 |
これを逆に言うと、頭に入らないことは自分からはしゃべってくれないことになります。だから説明がまどろっこしくてスッと頭に入らないとダメだとは言われないまでもプッシュもしてもらえないことになり、あんまり度が過ぎると「旧郵政省の訳の分からない論理は小泉内閣では通用しない」ってことになる((((;゜Д゜)))ガクガクブルブル じゃぁどうするかというと、長くて30秒ぐらいでスッと頭に入るように説明するよう心がけるわけです。これって大抵の役人が最も苦手なこと。
おかげで?(実際の説明者にこう説明してくれと持っていく立場としては)、頭では分かっているつもりのことでも何でだろう、一言で言うと何だろう?と考える癖がついた気がする。いやそんなの小泉政権になる前から身につけていて当然だろうと言われればハイそれまでなのですが、ある分野に非常に詳しい(悪く言うと族)議員のように官僚の論理をマスターしてしまう政治家が少なくない中、あるいは記者クラブで日々専門性を高める記者が相手では一つ一つ説明すると分かってもらえてしまうのです。でも「一言で言うと?」と玉ねぎの皮をむくように一つ一つ核心に迫ろうと考えていくと、実は矛盾が見つかったり、やっぱり筋が悪いと分かったりと、結果として中身までよくなることがしばしばあったように思う。
何でもワンフレーズで片付けて説明不足というのが主な批判だったように思うし、これを話し出すと、じゃぁそもそも政治家が(あるいは総理が)どこまで説明能力を持っているべきなのか、スタッフとしての役人との役割分担は?と議論が拡散するので対外的な功罪に踏み込むのはやめます。ただ、ワンフレーズ時代の終わり(?)を持って行政内部からこうした洗練化の努力がなくなって欲しくないなあと思います。
ちゃんと中身のあることを「長く」話しても、自分たちの都合のいいところだけを切り取って、一部だけを強調するマスコミがよく言うよ…って感じですが (-_-;)
仰るとおり、事の本質や矛盾点、方向性などを自分の中で明確にしておかないと、ワンフレーズで相手に伝えることはできないですね。
論点あやふや&矛盾しまくり&喋りも文章も長い私は、ワンフレーズで表現するのがとっても苦手です。「結果から先に言ってくれ」とよく言われます(涙)
とかはともかく、首相が自らの言葉で語ったこの5年半、いろいろありましたが、決して日本の政治において、悪いものではなかったと私は思います。
ワンフレーズ化は考えをシェイプするいい訓練だと気づかせてくれたので今後もそういう視点を持っていたいものです。