パンダとそらまめ

ヴァイオリン弾きのパンダと環境系法律屋さんのそらまめによる不思議なコラボブログです。
(「初めに」をご一読ください)

The Siege(邦題:マーシャルロー)

2006-09-26 23:59:53 | 映画
ケーブルテレビのチャンネルを回していたらやってて、そうえいば前もやっててデンゼル・ワシントンとブルース・ウィリスが出ていて面白そうだなぁと思っていたので、ちょっとだけちゃんと観てみた(といっても途中からのながら見ですけど)。The Siege(封鎖)、邦題はなぜかマーシャルロー。(以下ネタばれしまくりなので注意)
      
これ、シャレになってないです。あまりにも現実に起こったことと似すぎていて。ビックリしていつ制作されたのかみたら98年だった。その3年後、そう9/11後の出来事とそっくり。この映画では
 ・イスラム過激派が
 ・NYのど真ん中でテロを敢行し多数の死傷者が出て
 ・でも軍、FBI, CIAはさっぱりうまく協力できず、
 ・容疑者がいるということで戒厳令が出て軍政がしかれ
 ・戒厳令下で逮捕、勾留、拷問など何でもアリの状況に・・・
って過程が描かれているのですが、テロの死者(600人と3000人)と軍事介入の場所(ブルックリンとアフガン・イラク)、収容所の場所(同じくブルックリンとグアンタナモ)が違うぐらいであとはほとんど現実に起きてることじゃん。何なんだコレ、予言者か? 

一番現実と違うのは映画では一応の解決をみることですかね。シニカルな私でさえ法治国家(アメリカ)万歳と思ったので(笑) こんなに格好いいMiranda Warning*は記憶にないなぁ。他方で現実世界では、勾留・拷問の扱いで3ブランチ巻きこんだ激論が続いています。議会のいわゆるMcCain Detainee Amendmentに大統領がSigning Statementで“対抗”したのは昨年末だし、グアンタナモの被収容者にも憲法・国際法の保障が及ぶと連邦最高裁が判決を出したのはこの6月だし(Supreme Court Blocks Guantánamo Tribunals, June 29 2006 NY Times)。
 *刑事モノにつきものの、ほら、You have the right to remain silent(あなたには黙秘する権利があります)とかとか言うヤツ

ちょっと気になるのが今が中間選挙直前だってこと。HBOもなかなかアジなマネをと思ったけど勘ぐりが過ぎますかね(単に9/11前後にテロがらみの映画を持ってきただけか)?


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