続・弓道の極意

私が一生をかけて極めようとしている弓道について、日々の気づきを積み重ねていくブログ

詰合いとはさぼらないこと

2010年01月27日 | 積み重ね
私の師匠は、御歳80歳に迫ろうとしているのに、まだ現役で弓を引いており、しかも、いまだに的中率は9割を超えている。

先生はいつも「会が日に日に浅くなっていくのがわかる」と言われるのだが、私から見れば、詰合い、伸合いとも、惚れ惚れするようにしっかりとしていて、力に満ちている。

「どうすれば先生のようになれるのですか?」と聞くと、必ず「正しい稽古を積み重ねてきた結果だ」という。

正しい稽古とは何か?先生曰く「さぼらない」ということらしい。

先生は誰に対しても、「さぼっている」ところを次々に指摘し、これを正していく。

自分も昔は散々言われたが、先生に言われて気合を入れなおすと、本当に射が見違えるように変わった。

特に初心の頃は、いろいろなところに課題を抱えているから、そこに意識が集中してしまうのであるが、そうすると他がおろそかになって緩みが生じる。これが「さぼる」ということらしい。

それを先生はいちいち「さぼっている」と指摘してくれる。実際、先生に指摘されたところを意識して、詰合い直すと、感じられる感覚が全く変わってしまうくらい射が変わるのである。

そうした経験を何度もすることで、いかに射にとってさぼらないこと、すなわち、詰合いが大事かがわかってくるのである。