またまた遅い報告ですが…
2月の文楽公演 第二部 を観てきました。
演目は
花競四季寿(はなくらべしきのことぶき)
六代目竹本織太夫襲名披露口上
摂州合邦辻(せっしゅうがっぽうがつじ)合邦住家の段
お目当ては摂州合邦辻です。
以前(ずっと前ですが)歌舞伎でこの演目を観た時に、どうもよく判りませんでした。
玉手御前の行動が。まったくの謎。
もともと浄瑠璃として書かれ上演されていたものが、後に歌舞伎でも上演されるようになったわけで、人間がやることが前提ではない訳ですね。
なので、やっぱり文楽で観た方が納得できました。
もともと玉手御前は二十歳くらいの設定で継子で息子の俊徳丸とは年が近いのです。
昔は現代と感覚が違うので、二十歳すぎで人妻となれば「年増」だそうです。
その玉手が自分の息子(継子ではあるが)に恋をして、逃げた俊徳丸を追って来る訳です。
玉手の夫はかなり年上で実の母も俊徳丸との方が似合っているのに、とこぼすほど。
そんな状況で玉手は義理の息子俊徳丸に恋をして許婚が愛想を尽かすように、俊徳丸に毒まで飲ませてしまうのです。
しかし、これには深い訳があり…最後は俊徳丸の病も癒え、玉手御前の本心も明らかになります。
前半押さえた感情を秘めた様子の玉手御前が美しい。
人形を遣うのは桐竹勘十郎さん。
ほんとに上手いなあ…とつくづく。
感情が生き生きしていて、素晴らしいと思いました。
次は5月ですね。
義経千本桜が楽しみです。