じゅういちのはち 2005-02-04 09:30:18 | 日記・エッセイ・コラム 僕の隣室には年老いた大佐が住んでいる。僕たちはすぐに仲良くなり、一日に何度かは二人で一緒にコーヒーを飲むようになった。 「君のような若い人が、なぜこんな暗い部屋にとじこもっているんだね?」と彼は言う。「外はからりと晴れて良い天気だぞ」 「眼が悪いからですよ、大佐」と僕は何百回めかの同じ返事を繰り返す。「明るい光に弱いんですよ。夕方か曇った日の他は外に出ることもできないんですよ」 「予言者の眼か?」 「そうです。きまりでね」