新谷研究室

新谷研究室の教育・研究・社会活動及びそれにかかわる新谷個人の問題を考える。

矛盾

2008年02月15日 23時58分40秒 | 教育・研究
本日は部局長会議やら教育研究評議会やらがあった。その中で研究不正なんたら委員会というのがあった(同じメンバーでいろいろ委員会名が変わるのだ)。内容は秘密なので何も書けないが、同席した部局長なんかとの雑談で出たことだ。学位の乱発という批難が一部である。執行部もそう言う。学位を3年で出せと言う指図がある。いずれも満たさなければならないのだが、これは矛盾するよなあ。
しかし、公式の意見として言ってはいけないことらしい。なぜならば藪蛇になるからだ。3年で学位を出す努力をしてますか?と言われてしまうからだ。努力はしているのだ。しかも、定員を満たせというご指令もある。こんなんを総合すると、猫も杓子も博士課程に入れて、それらに3年間で質の高い博士論文を書くように指導する体制を作れ、ということ。すっげぇ、無理難題。
意欲のある学生ならばちょっと時間をかければ学位に到達させられるかもしれない。しかし、3年で、と時間を区切られるのは困る。教育はそういうものではないからだ。時間を区切った高校までの教育のようになる。優良可不可の序列化がなされる。学位は優にあげるということになってしまう。なるべく優をたくさん出すとすれば、時間をかけるしかない。
ま、そういう常識が今の大学には通らない。
で、学位の乱発とはどういう意味になるのだろう?乱発と量産のちがいは?乱発と全員に学位を、とのちがいは?わからないことが多すぎる。

それはともかく冬のソナタを見ているのだが、この高校の担任は誰かに似ているなあ。

彷徨の季節の中で
辻井 喬
新潮社

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