新谷研究室

新谷研究室の教育・研究・社会活動及びそれにかかわる新谷個人の問題を考える。

口述試験2

2008年02月09日 09時24分37秒 | 教育・研究
昨日、一昨日は修士課程の入学試験。一昨日は学科試験、昨日は口述試験だった。
いつものことながら大学院入試はまずは準備が大切。その準備がじゅうぶんでない人たちが多い。
それと口述試験。口述試験は総合的にその人間の能力資質を見る。まずは研究計画書。それなりの書き方というものがある。それと説明能力。緊張するな、とは言わない。しかし、緊張の中でも自の言いたいことをきちんと説明すること。それは何より、自分のしたいことに対する自信だろう。それと一番遠い人に聞こえるような声で話すこと。すこし大きな声で話すと声が自分から離れていくのがわかる。離れていくことができるのは自信のある言葉だけだ。小さな声でぼそぼそ話すというのは人に聞かれたくないからだ。そういう言葉には自分の一番自信のない部分だけが乗っかっていく。外に向けて出す言葉か、うちに向けて出す言葉か、そのちがいだ。整理されたものが外に出て行く。未整理なものは自分の内に向かう。そういうことができるように、日頃のゼミや研究会で発言するという形で練習しなくてはならない。
自分の書いた研究計画書を読み返してみるといい。できる限りケチを付ける気持ちで読む。それは提出する前にする作業なのだが、提出してしまってからも読み返すべきだ。そうするといくつかのボロが見えてくる。そこを準備しておくべきだろう。僕は質問するときはなるべくそういうところを先に質問することにしている。それを上手くクリアできれば、それでいい。クリアできなければ…それは自己責任だ。
一部には事前に予想質問を想定して回答を準備しようとした形跡のある人がいる。おおむね想定外の質問が来るとボロボロ崩れることが多い。無理して質問を自分の想定したもののほうに引っ張っていこうとする人もいる。それは失敗だ。
自分の弱みとか強みというのは台詞として準備されるものではない。概念として把握しておくべきこと。つまりはどういう突っ込まれ方をしてもその場で言葉を紡ぎ出せばいい。難しいことではない。自分の知の体系を持つことだ。それが日々の研究というものだろう。自分の知の体系、それは卒論なり、修論なりを書いた段階でできているものだ。そのことにもっと自信を持てばいい。


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妹尾 堅一郎
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