2014年7月30日(水) 晴れ
雌阿寒温泉→五合目→八合目→雌阿寒岳→剣ヶ峰分岐→八合目→阿寒富士分岐→二合目→オンネトー→雌阿寒温泉
昨日は斜里岳から摩周湖に立ち寄って、国民宿舎野中温泉へ到着する。そして、すぐさま洗濯を開始した。丁度、出発してから4日が経っていたので着替えも残り少なくなってきた。洗濯機が洗濯をしている間に、お風呂へ直行する。ここは残念ながら混浴はない。露天風呂も別々になっていて、よしず一枚で仕切られていた。洗い場は石鹸もシャンプーも何もなく、あるのは椅子に桶だけである。勿論、鏡もシャワーもなく、シンプルな温泉だ。内風呂の床は板張りでまさしくこれぞ温泉という感じだった。お湯は無色透明で硫黄の臭いがするとても好きな温泉である。そして、風呂上りに冷えた缶ビールでほっとする。洗濯は既に終わってしまい、乾燥機を回したいところだが、先客が使用していて、しばらくは放置する。そのうちに、食事がお膳で部屋まで運ばれた。食べて飲んで最後は乾燥機を回して就寝だった。翌朝は今回もおにぎりをお願いして出発した。三日目ともなれば体が幾分重くなってくる。今日の雌阿寒岳のコースタイムはそれほどでもないので、早目に下山して明日の宿まで約300kmの大移動をしなければならない。計画では手っ取り早く山頂をピストンと考えていたが、この天気と歩く時間もさほど変わらないということで、オンネトーへ下山して戻ってくるコースに変更した。
<登山口を入れば、足元は歩きづらい根っ子の連続>
野中温泉から数十m歩けば登山口がある。そこで、例によって登山届に記帳する。暗い樹林帯を行けば、リスが顔を出す。それも4回ほどだ。ここには、たくさんのリスが生息しているらしい。足元は根っ子がむき出しになり歩きづらかった。それを我慢して進めば1合目を過ぎ、3合目あたりから視界が開けたようになった。アカエゾマツの森からハイマツ帯になり、身をかがめて歩く破目になる。
<視界がやっと開けてきて>
<オンネトーの湖が見えてくる>
しばらくはハイマツに囲まれながら登れば視界が開けてきて、森と湖に囲まれた国立公園の風景が飛び込んでくる。しだいに大きな岩がゴロゴロしはじめ、ザレた山道に変わる。高山植物も出てくるが咲き残りの感がある花ばかりだった。登山者もそれなりに多く、昨日出会った毎日が夏休みのパーティと再び再会した。
<咲き残りのコマクサ>
<フップシ岳>
<六合目あたりから>
<メアカンフスマ>
<赤沼>
9合目からは直ぐに火口の中が良く見える場所へ到達した。火口壁の外輪へ近づくとジェット機のような噴射する音が聞こえてくる。更に奇岩、巨岩がジャンダルムのように立ち並び、火口底まで垂直に落ち込んでいた。この変わった景観が想像できないほど穏やかだった山道は、ここから火口の端を歩くことになる。そして、見慣れない風景が次々に飛び込んできた。その度に胸を躍らせる。
<右上に噴気が上がっている>
<雄阿寒岳と剣ヶ峰>
<山頂はもう直ぐ>
<雌阿寒岳>
時間はまだ8時30分、山頂でゆっくりおにぎりを食べてもいいが、風当たりが強く、パンをかじって我慢する。目を転じれば雄阿寒岳、阿寒富士、霞んではいるものの阿寒湖が望まれた。このまま山頂は通過して、青沼を見に行く。この時点ではまだピストンと考えていたが、剣ヶ峰分岐まで下がってから周回コースへと変更した。
<阿寒富士>
<山頂から火口を覗いて>
<右奥に雄阿寒岳を遠望>
<山頂を振り返って>
<阿寒富士と青沼>
<剣ヶ峰分岐から>
<青沼>
対照的な赤沼と青沼だが、コバルト色の青沼が印象的だ。この山は活火山で2000年の夏までは登山禁止状態だったという。その点、雄阿寒岳は原生林に囲まれた山のようだ。ピンネ・シリは男山(雄阿寒岳)、マッネ・シリは女山(雌阿寒岳)とアイヌの人達は両山を夫婦山と呼び慣していたという。
<登ってみたい阿寒富士>
<咲き残りのメアカンキンバイ>
<イワブクロ>
<八合目の分岐から>
ここまで下がると風も落ち着き、時間も既に9時を回っていた。ここいら辺で朝ごはんのおにぎりを食べて、力強く下山したい。コース変更してしまったので、幾分余計に歩くことになる。この先は景色もなくなり、単調な山道へと変わった。オンネトーから登られて来る方は一応、阿寒富士まで登られるようだった。時間があれば私もそうしたいが、今回は無理だ。下山後は300kmほど移動しなければならない。指をくわえるように、数人が阿寒富士へ向かう姿を見送る。
<アカエゾマツの林へ突入して>
<オンネトー>
オネトーヘ下山して登山口の雌阿寒温泉までは約1時間だが、それはそれは長く感じた。夏だから暑いのは分かってはいるが、単調な道に飽きてしまう。やれやれと、野中温泉まで無事に戻り、一目散にお風呂へ飛び込んだ。時間が早いので、まだ誰もいない。そして、温泉にゆっくり浸かり、サッパリと汗を流す。下山後に宿泊者は無料で入れるのが有難い。さて、次の宿泊地、旭岳温泉までは長い。途中で美味しい物でも食べながら行きたいものだ。
メアカンフスマとも再会できました。