タイムアウト

小部屋に区切ってあった
　
通された玄関横の部屋は
３組同じ部屋には入れる
４人掛けのテーブル３席
長方形の狭い面を
それぞれ壁につけてある

一つのテーブルでは3人の先客が　駄弁りながら生ビールを飲んでいた
奥の部屋にもそこそこの客がいるようだ　子どもが柱に頭でもぶつけたのか大泣きしている

「ビールの銘柄は何にしますか」「サッポロ」「それはありません」「じゃあ何があるんですか」
「エビス」「？じゃあエビス」　などのやりとりの後
とりあえず　つまみの料理３品とビール１本を二人で注文した
「くりかえします」といって３品だけのつまみを復唱した

「ビールとお通しを先にお持ちします」
お通しは　食べたくないものならことわるつもりで内容を聞いた
「聞いてきます」といって　店員は厨房に入っていった　

しばらくしてから　ビールとお通しを２個持ってきた　
何を聞きにいったのだろうか　何もそのことには触れないのでわからない
小鉢の中には豆腐をつぶしたおからのような物が入っていた
そのお通しは　おいしかったからまあいいかと思ってビールを飲みながら料理を待った
料理といってもサラダなど簡単ですぐにできそうなものをたのんである

それから40分経っても注文した料理が1品も来ない　もうあきらめて
「注文の品をまだ作ってないようだったら　また改めて来ますから」といって席を立った
店員は「今順番で作ってます」という　「だいぶ待ったから」
といって　お通し２個とビール中ビン１本分の代金を払って外に出た　

こんなに待たせるならはじめに　時間がかかると伝えてくれてもよさそうに思う　
私はそんなに長時間　待てるほど気が長くはないのだから
待たせたお詫びに少しぐらい料金を負けてくれてもよさそうにも思ったが　
しっかり料金センサンビャクゴジュウエンとられた　やけに高く感じた

これでは厄が憑いてはしまう
飲み直して厄払いしなくては
同じ島田の三笑亭に向かった

ここは　いつものように客が多い
バイトさんは今日は休みで
親方と奥さんだけで切り盛りしていた

5分でシメ鯖が出てきた　かにサラダもすぐに来た　４０分後には満足感に浸った

隣りの席で女性二人連れの客が「はじめっからここに来ればいいけだよ」
と焼酎にスダチを入れて飲みながら言った　私は大きくうなずいた

二人連れは先に帰る「良かったらどうぞ」と残りの漬物を差し出した
妻は外人ではないが漬物は食べない　私は入れ歯にはきつかったが全部食べた
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