山川草一郎ブログ

保守系無党派・山川草一郎の時事評論です。主に日本外交論、二大政党制論、メディア論などを扱ってます。

近代産業社会における指導者像

2004年07月15日 | 政治のかたち
有能な指導者の必要条件は、哲学と時代認識、それに狡賢さである。さらに詳しく言うならば「日本国の現状を歴史の中に位置付け、将来への道を描き出せる才能」と「それを現実社会の欲求に結び付けて実行する大胆さ」ということになるだろうか。 一般に、特定の組織や地域、業界の利益を代表する政治家は批判の対象にされがちだが、近代議会が納税者の代弁業務から始まったという歴史的事実(=衆院議員が代議士と呼ばれる所以) . . . 本文を読む

自民49議席は国民の警告だ

2004年07月12日 | 政局ウォッチ
自民49、民主50の参院選結果をどう見るか。民主党の上積み分は前回の共産党票か、それとも前回の小泉無党派票か。56%という相変わらずの低投票率の中での民主の躍進は、何を意味するのか―。 考え出すと眠れない選挙結果だが、いずれにしても与党が参院で過半数を維持するため、政権内で公明党の影響力が今までにも増して強まることは間違いないだろう。 自民・公明の強力タッグに朝鮮労働党の「閣外協力」をもってし . . . 本文を読む

政治思想と2大政党

2004年07月09日 | 政治のかたち
今後、日本の政治に2大政党制が根付くとして、その主体は日本社会の大きな2つの思想的潮流を代表していなくてはならない。 いわゆる「55年体制」の時代は、自民党と社会党が2大政党として認知されていた。しかしながら、この2党は、思想として一応は「保守」と「革新」を標榜していたものの、実態は「経営者」(産業資本と農家)を代表する自民党と、「労働者」を代弁する社会党との階級対立、労使交渉の域を出なかった。 . . . 本文を読む

過去への投票、未来への投票

2004年07月08日 | 政局ウォッチ
七夕から一夜明けた今日、拉致被害者の曽我ひとみさんが家族との再会のため、ジャカルタへ発った。支持率急落の小泉政権が、参院選での劣勢挽回の願いを託した長い旅だ。 投票日まであと3日。予断は禁物だが、各種報道のように「民主躍進、自民は現有議席割れ」の可能性は極めて高いだろう。比例で民主が第1党になることも、ほぼ間違いない。 自民党は今回の選挙で、基本的なPR方法を間違えたのではないかと思う。直立不 . . . 本文を読む

オオカミ少年の断末魔

2004年07月05日 | 政局ウォッチ
「無党派層が関心がないといって寝ててくれればいいが、そうもいかない」と言ったのは森喜朗首相だったが、今の小泉純一郎首相は正反対の心境ではないだろうか。 前回参院選で「自民党をぶっ壊す」と豪語した小泉首相は、3年間でこの公約を相当分、実現したようだ。 経世会時代、単なる「利権配分システム」になりさがってしまった自民党は、小泉総裁のもとで無党派層の支持を民主党と競い合う「保守政党」に近づいた。確か . . . 本文を読む

選挙を知らない子供たち ― 「駅前投票」の提案

2004年07月05日 | 社会時評
最近の投票率の低さは何に起因するのだろうか。第一に考えられるのは「政治への無関心」だが、これは「現状への満足」の裏返しでもあるので、対策の立てようがない。政治への不満が限度を超せば、どんな無関心な若者でも投票所へ向かうだろう。 むしろ問題なのは、「投票に行ったことがない」「投票の仕方を知らない」という若者が増えているように思えることだ。たとえば、選挙権が18歳で与えられるなら、高校や中学で「投票 . . . 本文を読む