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DOCOMORO100

モダニズムだけじゃない建築ブログ

旭川駅すぐそば

2014年04月17日 22時13分12秒 | 建築

 旭川駅から徒歩圏内に「蔵囲夢」という煉瓦倉庫建築群が在ることは、以前記事にした。その建築群の中に、一棟の木造建築が建っている。「上川倉庫㈱事務所」だ。宮下通り側のファサードは、擬洋風縦長窓や半円形の窓が特徴的で、大きなぺディメント、下見板張りで白く塗られた外壁なども、とても魅力的である。煉瓦倉庫建築群の中に一棟だけ在る木造事務所というのが、良い感じだ。以下の写真は横へ廻って撮影したものである。

更に、裏側へ廻って撮ったのが、以下の写真。

小さいが、当時の様式を伝える貴重な建築だ。

「上川倉庫㈱事務所」
設計者:? 竣工:1913年 旭川市宮下通11丁目右7


細部に見どころ多し

2014年04月16日 21時21分40秒 | 建築

 旭川の「おかだ紅雪庭/旧岡田邸」は、昭和初期に豊富な予算で建築された。各所に見どころが有り、例えば階段手摺などもそうだ。


 床の間の落し掛けにも、特徴ある樹種が使われている。


 木製建具の枠が丁寧に造り込まれていて感心した。


 階段明り取りの丸窓のデザインは、まるでフランク・ロイド・ライトのデザインを思わせる。


 外部のデザインも秀逸だ。以下の写真は階段部の外壁である。


 このように、見るべき部分が山盛りの建築だ。


旭川の旧岡田邸で、クラッシックギターのコンサート

2014年04月13日 16時23分35秒 | 建築

 昨日、4月12日に旭川市の登録有形文化財「おかだ紅雪庭/旧岡田邸」において、クラッシックギターの師匠である宮下先生のコンサートが開かれた。この建築は現在「旧岡田邸200年財団」が運営する、蕎麦と日本料理の店舗として活用されている。紅雪庭の紅は、秋の真っ赤な紅葉(もみじ)を表しており、その名の通り秋の庭は見事な景色を見せる。現在はまだ少し雪が残っていた。
外観も内部も洋風だが、和の部分も沢山取り入れられていて、細部のディテールがとても凝っている。

トップの写真(平側)にも住人用の玄関が有るのだが、正面玄関は上の写真だ。店舗おかだ紅雪庭の入り口もこちら側である。

エントランスには石材を使うなど、ふんだんな資金力を想像させる。

玄関ドアの欄間や、ドア自体のガラス中に設置されたステンドグラスが素晴らしい。

このドアのガラス中のステンドグラスは、とてもシンボリックだ。

このように、細部に秀逸なデザインが多々存在する為、何回かに分けて紹介したいと思う。

 コンサートも好評で、その後の食事会も大変良かった。その内容は以下の写真である。(Cafeブログ復活か?苦笑)


「おかだ紅雪庭/旧岡田邸」
設計者:? 竣工:1933年 旭川市5条通り16丁目
文化庁登録有形文化財


旭川の美味しいお酒

2014年04月06日 18時56分03秒 | 建築

 旭川を代表する日本酒と言えば男山酒造の「男山」と、本日UPする高砂酒造の「国士無双」だろう。どちらも名前が勇壮であるが、とても飲みやすく美味しいお酒だ。ブログでは味をお伝え出来ないのが残念である。
 高砂酒造は旭川駅前を通る宮下通りを挟んで建築群が建つ酒造メーカーで、明治期からの建築を見ることが出来るし、作業所としてRC造のモダニズム建築も在る。

これが、なかなか格好良いプロポーションを持っている。この奥、線路側に煉瓦造の建築も在るのだが、高砂酒造の施設なのか分からなかった。角先生の本やインターネットで検索しても出てこない。唯一、パンフレットにちらっと煉瓦造の建築が写っているが、果たして以下の写真の建築と同じなのか不明だ。ひょっとしたら所有者は別かもしれない。

「高砂酒造明治酒蔵」の入り口から入ってすぐの右手は、土蔵であるが、現在は店舗や資料室として使われている。

冬でも“飲み頃”を知らせる杉玉は下ろさないようだ。

この土蔵の内部が、資料室となっている。その他酒蔵部分でも資料館的に展示が行われていた。

通りの反対側から、和風建築の住居部分がちらっと見える。内部に入ることは叶わないが、重厚そうな雰囲気は塀越しにも分かる。


 実は次の土曜日にも旭川へ行く。クラッシックギターの師である宮下先生のコンサートが開催されるのだ。宮下先生は旭川市の御出身なのだが、宮下通りとは縁が有るのだろうか。

「高砂酒造一連の建築群」
設計者:? 竣工:明治40年代~昭和4年 旭川市宮下通17丁目


来週にも解体

2014年04月05日 16時30分31秒 | 建築

 今朝の北海道新聞に、札幌市民に人気だったCafe「櫻月(サクラムーン)」が解体されるという記事が掲載されていた。元は数学者で北大初の女性教授桂田芳枝氏の自宅だったものを、20年以上Cafeとして使用していたのだが、そのCafe自体は2012年に閉店した。解体後は東京の不動産会社がマンションを建てるという。
 このCafeは同じ社会人院生だった同級生に連れてきてもらったのが初めてで、何度か訪れたことがある。客席は洋室のテーブル席だったが、本来は和風建築だったそうだ。一部、畳の部屋も残っていた。メニューが多彩でとても良いCafeだと思っていたので閉店は残念だったし、またまたファンの沢山いる建築が解体され、マンションが建ってしまうことに、溜息がでるばかりだ。

「櫻月(サクラムーン)/旧桂田邸」
設計者:? 竣工:1954年 札幌市中央区南6条西26丁目


北海道ならでは?

2014年04月01日 20時07分47秒 | 建築

 「カンパーナ六花亭店」は、北海道らしい広大な敷地の中に建っている。内部空間は天井が高く、とても広い。「ゆったり」という言葉の上を行っている。カフェスペースや商品の展示範囲はそんなに大きくとっておらず、贅沢な使い方だ。

夏には、ぶどう棚が広がる風景を見ることが出来るのだろう。

 同じ敷地にギャラリー「神々の遊ぶ庭」が建ち、現代アートなどの展示を行っているようだ。

この建築は、ファサードと内部の印象が全く違っていて面白い。中は洗練されたデザインである。

 更にもう一棟「ジンギスカン白樺」が建っているのだが、冬季は営業していない為、近付けなかった。

 どの建築も、北海道の風土に合った良いデザインだった。

カンパーナ六花亭店・ギャラリー神々の遊ぶ庭」
設計者:高市都市・建築・デザイン 竣工:2010年 
北海道富良野市清水山

 


そう言えば

2014年03月05日 20時32分36秒 | 建築

 そう言えば、こんな写真も有った。小樽のヨットハーバーに建つ「石原裕次郎記念館」である。撮影したのは2006年であった。展示品の中には、映画「栄光への5000キロ」で使用した510ブルーバードや、裕次郎さんの愛車ベンツの300SLガルウィングクーペなども有り、是非また見に行きたいと思っている。
 写真のような良い天気の日にヨットハーバーのヨットを眺めながら、このような建築の周りをぷらぷら歩くのも、贅沢な時間かもしれない。

「石原裕次郎記念館」
設計者:山下設計 竣工:1991年 小樽市築港5−10


沖縄へはお気を付けて!

2014年02月02日 20時25分48秒 | 建築

 penkou師匠から建築ジャーナル2月号と建築保存物語を頂戴いたしました。添えられていたお手紙には、沖縄行きのことが書かれていました。くれぐれも、お気を付けて行ってきてください。
 それにしても、日本は南北に長い国です。こちら北海道は連日氷点下の真冬日が続いています。その北海道内でも、雪があまり降らない地域もあって、例えば道東の釧路はそんなに積もる土地ではありません。これらの写真は1月中頃のものです。

場所は、釧路の地酒「福司(ふくつかさ」の酒蔵ですが、何と日曜日は休館日で内部見学できませんでした。

残念です。杉玉は「おいで、おいで」と言っているのに・・・。

 歴史的建築とは言えませんが、やはり道東の造りだと感じさせるおさまりに見えます。樋や庇の出、外壁の仕上げなど…。ちょっと華奢な感じです。ドカ雪が降ったら、痛むように思えました。

 福司は、道内では日本酒がお好きな方に知られた銘柄です。実は…、まだ飲んだことがありません。


この面白い建築は映画館

2014年01月02日 20時19分48秒 | 建築

 2014年がスタートして2日目となった。今年はがむしゃらに前進しようと思う。厳しい状況も耐え続けていると慣れるものだなと実感中だ。そうこうしているうちに、一つ良いことが起こったり、一つ困難を切り抜けたりする。相変わらず問題も発生するが、全体的には減ってきたりする。

 さて、阿佐ヶ谷を歩いていたら面白い建築を見かけ、シャッターを切った。どうも映画館らしい。札幌に戻ってから調べたところ、宮崎駿さんのアニメ「天空の城ラピュタ」からとった「ラピュタ阿佐ヶ谷」という建築であった。当初はアニメの専門館としてスタートしたのだが、現在は日本映画の名画座としても広く知られているそうだ。
 オーナー自らが設計案を出したそうで、カフェスペースも有り、内部は木質材料が多く使用されていて落ち着いた雰囲気だ。今度は映画も観てみたいと強く思った。

「ラピュタ阿佐ヶ谷」
設計者:才谷遼(設計案) 竣工:1998年 東京都 杉並区 阿佐谷北2-12-21


明けましておめでとうございます

2014年01月01日 18時45分53秒 | 建築

 ここ数年、我慢の年が続いておりますが、今年は歩む速度を上げたいと考えています。私のBOXINGの師である小林弘会長に、東京を離れる際頂いた色紙には、ずばり「我慢」と書かれてあります。小林会長の座右の銘だと思いますが、会長はWBAもWBCも無い、ジュニアやスーパーなんてクラスも無い、本当に限られた人間しか世界チャンピオンと名乗れなかった時代のスーパーチャンピオン(5回以上防衛したチャンピオン)でした。そんな会長の言葉を胸に、ド根性で頑張ります!

 さてトップの写真は昨年行った数少ない建築探訪から、倉本先生の「ばあちゃん家」です。遠くニセコの山にまだ少しだけ雪が残っていますが、夏に溶けない雪は無い!やまない雨は無い!さあ、がんばんべー。

「ばあちゃん家」
設計者:倉本たつひこ 竣工:1971年 北海道虻田郡ニセコ町


価値ある建築を守れ!神奈川県立近代美術館の素晴らしさ その2

2013年12月31日 18時16分37秒 | 建築

 本年も色々お世話になりました。本当に有難うございました。来年も宜しくお願いいたします。
 ここ数年はなかなか大変な、我慢の年が続いておりますが、そのうち何とかなるでしょう。そんな訳で、来年は精力的に建築探訪したいと思います。

 厳しい状況が続くのは、この名建築も同じようだ。今回は細部に焦点を当ててみたい。

初めて訪ねた時は、「エントランスからして、格好良いなあ」と即座に思ったのだが、実は本当の入り口はこの階段の下であった。企画展を観る為に2階に上ると、丁度よいと思える広さの展示スペースが待っていた。もしも。このスペースが狭いとお考えの向きがいらっしゃったなら、是非一緒に新館の修復を訴えてほしいと思う。

展示スペースから中央部分に出ると、すっきりした意匠の内部階段が有る。

大谷石の壁に囲まれた中庭には、イサム・ノグチの作品「コケシ」が展示されている。トップの写真がそれである。大谷石の壁のディテールも秀逸だった。

流行りなど関係の無い価値を持ったデザインである。

「神奈川県立近代美術館・鎌倉館/新館」
設計者:坂倉準三 竣工:1951年/新館1966年 鎌倉市雪の下2-1-53
DOCOMOMO JAPAN選定建築(当ブログ25件目)


価値ある建築を守れ!神奈川県立近代美術館の素晴らしさ その1

2013年12月01日 21時28分17秒 | 建築

 只今、一生懸命生きている最中である。鎌倉に、やはり一生懸命生きている名建築が在る。言わずと知れた「神奈川県立近代美術館・鎌倉館/新館」だ。
 今回その鎌倉近美が「危機的状況にある」と御連絡を頂いたmさんやpenkou師匠と、この名建築を訪ねたのは2008年であるから、もう5年が経つ。実際に見て素晴らしい建築だと感じたし、建築された時代背景やこの建築に関する事を学んだ後は、尚更にその価値を知った。その建築が今、存続が危ぶまれているという。

 神奈川県立近代美術館の保存に関するサイト「神奈川県立近代美術館100年の会/小さな箱・大きな声WEB/NEWS」では2016年の敷地返還の際、鶴岡八幡宮に美術館も一緒に返却という動きになっている旨が記載されていた。しかし、現神奈川県知事をはじめ、様々な方の考えがあるのだろう。価値在ある建築に機器が迫っている。
 価値ある建築の保存を実現させる為には、市民レベルからの働きかけが絶対に必要だ。微力でも、何か動きださなければいけない。そんなわけで私も本当に小さな動きだが、この建築の素晴らしさを沢山の方々に伝えたいと思う。まずは、その敷地に馴染んだファサードデザインと、気持ちの良い大きさについて述べたいと思う。

 鎌倉の近美は、前述の通り、鶴岡八幡宮の敷地内に建つが、決して環境に悪影響を与えるような、大きさでもデザインでもない。北海道弁で云うならば「あずましい」佇まいなのだ。しかも、この建築は戦後まもなくの物資も乏しい時代に、様々な創意工夫によって建てられた。何とも、人の心に優しく語りかけてくる建築なのである。設計者はもう多くの説明を必要としない、坂倉準三氏である。

このように池の反射光が、天井にゆらゆらと像を創り出したりする。私は、とても良い日に訪れることが出来た。その素晴らしい建築を廻った時のことを、これから数回に分けて書いてゆきたいと思う。

「神奈川県立近代美術館・鎌倉館/新館」
設計者:坂倉準三 竣工:1951年/新館1966年 鎌倉市雪の下2-1-53
DOCOMOMO JAPAN選定建築(当ブログ25件目)


竣工前

2013年11月17日 16時11分46秒 | 建築

 建築家のあかりコンペで福岡市を訪ねたのは2010年であったから、博多駅はまだ工事中であった。駅としての機能は生かしながらの工事であったので、施工は大変だったと思う。正面の大時計はまだ動いておらず、正午を指したままであった。

この大時計のデザインは、鉄道の車両や建築、空間などもデザインされている水戸岡鋭治氏である。鉄道車両に関して全くの無知なのだが、787系の「つばめ」という車両もデザインされていて、これがなかなか格好良い。工業デザインという世界も、大変魅力的だ。

「JR博多シティ」
設計者:博多駅開発設計共同企業体(三菱地所設計、ジェイアール九州コンサルタンツ) 竣工:2011年 福岡県福岡市博多区博多駅中央街1番1号


博多の建築が、いくつか残っていた。

2013年11月10日 19時32分45秒 | 建築

 黒川紀章氏の「福岡銀行本店」の写真を探していたら、2010年にUPしていない写真がいくつか有ることを発見した。まずINA新建築研究所の「博多駅前ビジネスセンター」である。ファサードを見た瞬間「マイケル・グレイブスか、アルド・ロッシか?」と思ったのだが、違っていた。窓の比率や、石の割付方を見て勘違いしてしまった。建築家の主導でデザインする場合と違い、大きな設計事務所のデザインは、特徴を探すのが大変だ。INA新建築研究所のHPを検索したところ、全国各地で大きなプロジェクトを沢山手掛けている。どれも優れたデザインであるが、一人の人物がデザインしているわけではないので、統一感を見出すことは難しい。

 上の写真は、恐らく館名を記録する為に撮影したのだと思う。なにせ、札幌に帰るまでこの建築の設計者を知らなかったのだから。何か印象深かったので、撮影した。きっと外国人の設計に違いないと思いながら。

「博多駅前ビジネスセンター」
設計者:INA新建築研究所 竣工:1999年 福岡県福岡市博多区博多駅前3丁目25


蕎麦も堪能出来るが

2013年10月27日 23時52分43秒 | 建築

 やはり「道の駅中札内」と同じ敷地に、「旧農家住宅(浜野家)」が建っている。浜野家は富山県から入植した農家であったそうだ。現在は開拓記念館部分を無料で開放している。更に蕎麦屋の店舗部分があるのだが、訊ねた際は昼食時ということもあって、満席であった。

 昭和63年までは、住宅として使用されていたそうである。北陸地方の農家に多く見られる「ワクノウチ造り」という特有の工法なのだそうだ。木造軸組の模型が展示してあり、大きな居間の空間を、どのように構成しているかが分かる。

「開拓記念館/蕎麦店「蕎良」/旧農家住宅(浜野宅)」
設計者:? 竣工:1919年 北海道中札内村大通り南7丁目