碧緑香華

中国語、武侠小説、ドラマの話などなどにたまに日常の話を織り交ぜて

陸小鳳伝奇 第二章 き

2013-06-24 22:19:10 | 古龍

『見えたのは獣の刺繍が施された緑の服を着て両腕を背中に組んで入り口に立ち眼光が鋭くキョロキョロと辺りを見回している老人の姿が見えた。』

 その後ろには、笑いながら話をしている普段ならば規則や制度を口実に逃げ口上が完璧な捕り手頭。その傍らを見ればほかの2人の緑の服を着た老人も来ていた。二人の顔の表情もまた厳かで冷ややかで目もギラギラと恐ろしく同じようだった。この三人の老獪な老人はいったい何処からやって来たのだろうか? 

 陸小鳳はため息をついた、そしてそっと戸を引き開けて一目散に石段の下へと踵を返した。2人の木偶の坊な大男は彼が帰ってくるのを見て、あたかも目の奥で笑っているようだった。

 この時、陸小鳳はまったく彼らを見てない振りで、大手を振って行ったり来たりし大声で「お前等!さっさと酒の用意をしてくれ!何でも命令に従う者が来たぞ!」

 なんと其処には酒の用意が出来ていた。陸小鳳は一気に13杯も飲み干した。方家の兄妹と藍胡子はただ彼の飲んでいるのを見ていた。

「我々は、とっくにお主が戻ってくる事を知っていたのだ!」この言葉は彼らは言うまでも無く、また言う必要は無いのだ。

陸小鳳は再び酒を三杯飲み干し、やっと人心地ついて「足らんな?」と言った。

藍胡子は笑いながら「罰として飲む酒と、おごられて飲む酒とどちらが本当に美味い酒かな?」

陸小鳳も笑いながら「金の掛からない酒なら全て美味い酒だ!」

藍胡子は大笑いをして「では、私はお主にもう16杯を奢るとしよう!」

「良かろう!」そして、陸小鳳は16杯の酒を飲み干した。そしてどっかりと椅子の上に腰を下ろし、両目で藍胡子を真っ直ぐに睨みつけて、突然「本当にお主は西方の玉羅刹が恐ろしいのか?」と聞いた。

「本当に恐ろしい!」と藍胡子

 「しかし、お主は玉天宝を殺す度胸が有ったのではないか?」

すると藍胡子は「私にはそんな大きな肝っ玉は無い、彼の死は決して手を下したのでは無いのだ!」

 「本当にお主ではないのか?」

藍胡子は頭を振りながら「しかし、私は殺人犯が誰かを知っている、只お主に代わって羅刹牌を探してほしい、私はおぬしに代わってこの殺人犯を探し出して来て、逆境時代の友人に引き渡そう。」

 「逆境時代の友人?それは崑崙の頂上の(大きく艶やか曇りの無い鏡)、山天鍾乳洞の中の逆境時代の友人ではないのか?」と陸小鳳は聞いた。

 「彼らはそこですでに20年隠居している。まさかお主が彼らを知っているとは思いもよらなかった」と藍胡子は驚いた。

陸小鳳はため息混じりに「私でさえ彼らがまだ死んでいないなどとは思いもよらなかった」


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
>八雲幇主 (xihuan)
2013-06-25 20:18:42
>八雲幇主
ありがとうございます。なるほどと思いました。
妄想出来なくて直訳してしまったので、変な文章だなって思っていたんです。
これからも、ご指南を宜しくお願いいたします。
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「歳寒三友」は江南七怪とか桃谷六仙のような名前... (八雲慶次郎)
2013-06-25 12:56:42
「歳寒三友」は江南七怪とか桃谷六仙のような名前です。意味は日本で言う松竹梅のことです。

崑崙山の頂上“大光明境”小天龍洞に住む歳寒三友ではないのか?

…くらいでいいのではないでしょうか。
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