碧緑香華

中国語、武侠小説、ドラマの話などなどにたまに日常の話を織り交ぜて

陸小鳳伝奇 四(銀鈎賭坊)に

2007-01-31 13:10:39 | 古龍

陸小鳳も笑った。

  彼は笑いながらまっすぐに、氷山に向かって歩いていった、数多くの高い連峰によじ登った事が有るにもかかわらず、今の彼はこの氷山だけに登りたいと思ってた。

  それは勿論、化粧の良い香りも、更には酒の良い香りもしない。

  花のように美しいこの様な女は、美しいだけでなく自らが良い香を放っている。

  彼女は紛れも無くこの種の女に違いない。

  陸小鳳は今、蜜蜂に成り変わり、花の香りを辿って蕊の上に飛んで行きたいと思った。

  都合よく彼はまだ酔っ払っていなく、やっとの事で彼女の後ろに位置する事ができた。

  氷山は振り返らなかった、細くて柔らかな美しい手は、点棒を持ち、大と小どちらに賭けるべきか考えていた。

  親はすでにサイコロを振り始めている、そして「パン!  」と賭博床に壷を並べて置き、大声で「賭けるなら早くしろ! 」と一喝した。

  氷山はまだ考えていた、陸小鳳は目配せをし、集まった人の頭越しに彼女の耳元で「この賭けは絶対に小だぜ!」

  細い手の中の点棒は、直ちに賭けられたがそれはなんと「大」の方に賭けられた。

  「開!」

                             つづく d(^r^)ニンマリ

  


陸小鳳伝奇 四(銀鈎賭坊)は

2007-01-26 12:00:00 | 古龍

第三回目です。前回同様、最後の一行から・・・・

「この人間は、こともあろうに女だった!」

  彼女の身なりはフワフワと軽い淡緑色の柔らかな絹の長い着物を着ていた。柔らかくまるで彼女の肌に貼りついている様で、彼女の体はすらりとして美しく成熟していた。

  見たところ彼女の肌はきめ細かく滑らかで白玉のようで、時に氷のようでさえある。

  彼女の美しい顔には、化粧はまったく施されておらず、その二つのすんで明るい瞳は、どんな女達も夢見るほど美しく輝いている。

  彼女の目じりにさえ陸小鳳は映らない、陸小鳳は誠心誠意を込めて見つめていた。

  方玉飛は頭を揺すりながら笑って「この部屋の中には見栄えの良い女達が少なくとも七・八人居るのに、何故お前はどうあっても彼女なのか?」

「なぜかって!彼女は俺を気にも留めないんだぜ!」

「まさかすべての女がお前を見て、跪きその脚に口づけすると思っているのではるまいな?」笑いながら方玉飛は言った。

  陸小鳳はため息をついて「彼女は少なくとも、俺を一目見るべきだ、俺はそんなにみっともない男ではない」

  「たとえ彼女がお前を見たとしても、彼女には近寄らない方がいい」

  「何故だ?」

  方玉飛は低く抑えた声で「この女は氷山で、もしもお前が彼女の心を動かしたいなら、気をつけないと霜焼けになるぞ!」

  陸小鳳も笑った。

  


陸小鳳伝奇 四(銀鈎賭坊)ろ

2007-01-21 21:24:25 | 古龍

第二回目のUPです。今回は、ワードのコピーではなくて、新たに文章を整理しながらタイプしてみました。

前回の最後の一行からの続きです。

『陸小鳳と方玉飛が入ってきた時、さすがに皆はついつい頭を上げた。』

  群れ集まっている人々の中で、まるで鉄釘の磁石のように、陸小鳳と方玉飛は、紛れも無く人々の視線を集めた。

  「その自惚れた二人の若僧は誰だ?」

  「銀緞子の衣装を着ている一人は、まさしくこの賭博場の主の義理の弟だ!」

賭けに興じながら、またそんな話を始める。

  「あなたの言っている彼は、正しく(藍胡子)あの新しい夫人の弟だ」

  「実の弟!」

  「彼は(銀鷂子)と呼ばれている方玉飛なのか?」

  「聞くところによると、彼は本当に有名な道楽息子で、女郎買いや、賭博をして暮らす。様々なものに精通していて、軽功もとても良いと聴いている」

  「だから、多くの人は彼が花泥棒(強姦)だと言う!」

  賭けをしながら、笑って言う「実際には女の方から彼に言い寄ってくるので、夜中に花泥棒をする必要はまったく無い。」

  「聞くところによると、彼の姉の方玉香も有名な美人だそうだ!」

  「花とも、玉とも比べ物にならないほど美しく薫り高い」一人が、目を細めながらため息をついた。

「その女はまた、美人と言う二文字でどうして形容できるかと言うくらいの、絶世の美女そのものだ!」

  「方玉飛の傍らの小男は、誰なんだ?なぜ眉毛とよく似た髭を伸ばしているのか?」

  「もしも、私の見当はずれでなかったら、彼は確か、あの四本眉毛の陸小鳳!」

  「陸小鳳!」

  陸小鳳もまた人々の中では伝奇的人物になっているような人である。

  すべての人が、彼の名前を呟きながら、まっすぐに目を凝らして彼を見つめた。

  ただ一人を除いて・・・・

  この人間は、あろう事か女だった!

☆本日は此処まで、続きは後日を・・・・お楽しみに☆


陸小鳳伝奇 四 (銀鈎賭坊)い

2007-01-17 13:24:25 | 古龍

『銀鈎賭坊』

『好心救美』

  夜、秋の夜。

  晩秋。

  暗く静まり返った長い坑道には、人一人居なくただ一つの明かりだけが有った。

  残りの白い提灯は、ほとんどがとっくに灰色に変わってしまっている、傾いた坑道の狭い突き当りの門の上には、提灯の明かりに光っている銀の引っ掛け鉤がある、それは正に漁師の親父が使う釣り針の様だ。

  銀鈎は秋風の中で停まることなくゆらゆらと揺れている。秋風はまるでため息をついているようだ、ため息は、何故に世の中の人々の多くはこの銀鉤に吊り上げられたいと思うことが有ろうか?

  方玉飛は暗く、湿った冷たい霧の中から、まばゆく明るい銀鉤賭坊の中へ入った。濃い色のマントを脱ぐと、その下から、彼の体ぴったりとしつらえられた極めて手の込んだ銀緞子の衣装が現れた。

  毎日この時が最も愉快なひと時であるがとりわけ今日は愉快だ。

  それは陸小鳳が彼の傍らに居るから、此処の所彼の最も好きで尊敬できる友人が陸小鳳だからである。

  陸小鳳もとても愉快だ、なぜなら彼が正に陸小鳳自身だから。

  贅沢にしつらえられた大広間の中には、温かさと楽しさと酒の香りの中に上等な紅おしろいの良い香りが混ぜ合わさり満ちており、ひっきりなしに金銭の打ち合わさる警戒で耳に心地よい音が聞こえていた。いかなる音楽と比べても世の中でこれ以上のものは無い。

  彼は、この音を聴くのが好きで、世の中の別の多くの人と同じで、彼も贅沢と楽しみは好きだ。

  銀鉤賭坊は嘘偽りの無い贅沢な所、いつでもさまざまな贅沢な人の為に、様々な贅沢と楽しみを用意してある。

  その中で最も贅沢なものは、当然、賭博だ。

  すべての人が賭博をし、すべての人が一心不乱に彼らの賭博に集中する、しかし、陸小鳳と方玉飛が入ってきた時、さすがに皆はついつい頭を上げた。

☆まだまだ、勉強不足なので、意訳ではなくて妄想訳で読んでいる部分も有ります野で、その辺は悪しからず。 訳文に関しての苦情はご遠慮下さい。

その代わり、読みました、の足跡を残していただけると、この次の励みになります。どうぞ宜しくお願いいたします。☆