碧緑香華

中国語、武侠小説、ドラマの話などなどにたまに日常の話を織り交ぜて

陸小鳳伝奇 第二章 ち

2013-06-26 22:45:50 | 古龍

彼は身をひるがえすと、後ろの壁板の梨花門を開けた。すると直ぐに其処へ秘密の門が現れた。

陸小鳳は何も語らず立ち上がると直ちに歩き出した。

藍胡子は「彼らの追随を恐れる事は無い。彼らもお主が羅刹牌を探しに行くのを知ったから、絶対にお主の産毛一本たりとて触れはしないぞ!」

陸小鳳は、机を回り込み後ろの秘密のもんへと出て行く、突然振り返り

 「聞きたいことが有る」と言った。

 「玉天宝は西方玉刹の息子であるからには、当然場ではない筈だ」

藍胡子は同意した。

 「では、誰が彼から銀子50万両も勝ったのだ!」

 「私よ!」方玉香が叫んだ。

陸小鳳は笑った。

方玉飛は、ため息をつきながら

 「残念ながら簡単に勝ったものの、負けるのも早くて、二日も掛からずに彼女はまた50万両を負けてしまった!」

 「負かしたのは誰だ!」

 「私だ!」藍胡子

陸小鳳は大笑いをした。

 「これこそ、龍には龍、鳳凰には鳳凰、賭博師には賭博師、南京虫には南京虫と言う事だ!」

彼は笑いながら出て行く、外にはまた扉があった、手を伸ばして「ドンドン」と叩くとなんと鉄の扉だ。

再び道を行き十段の石段を登ると、満天の星を見ることが出来た。星は煌々と瞬きすでに夜の深まりを知りえた。

一陣の風に吹かれ、陸小鳳は突然の寒さを感じた。なぜなら彼は突然これから直ぐに行かなければならない遠い道のりと、氷に閉ざされた松花江と凍てついたラハスを考えたからだ。

突然、寒くてたまらなくなった。

今はまだ秋なのだ!

晩秋。

★第二章は、これにて終わりです★

また、第三章にチャレンジできたらと思っています。

叱咤激励のコメントを頂けるととても励みになります。

よろしくお願いいたします。

?武侠迷の関西幇会の幇主、八雲慶次郎様からのコメントで訂正やアドバイスを頂いております。本文の訂正をする事は今回いたしませんので、コメントを参考に読んでくださいませ?


陸小鳳伝奇 第二章 し

2013-06-25 20:50:34 | 古龍

陸小鳳はため息混じりに「私でさえ彼らがまだ死んでいないなどとは思いもよらなかった

藍胡子は

 「お主は、まださらに恐ろしい事に彼らがすでに西方の玉羅刹教の中の施主の老人達だという事は思いもよらないだろう!」

陸小鳳は呟いた

 「彼は、意外にもこの三人の妖怪老人を手中に治め、その腕前が本当に大きな力になると見たのだ!」

 「幸い私には彼に対処する方法がまだ有る」と藍胡子は言った。

 「どんな方法だ!」

 「先に、羅刹牌を探し出し彼に返す、そして再び彼の息子を殺した犯人を彼に引き渡す、そしてすぐに遠い所へ隠れ、再び彼を怒らせない」

 「なるほど!これがただ一つの方法のようだな!」陸小鳳は苦笑いしながら言った。

藍胡子は「だからお主は、このまだあまり寒くない好機に急いでラハスへ行くがよい」と陸小鳳に言った。

「ではお主は李霞が絶対に其処に居ると断定できるのか!」と陸小鳳

 「彼女は絶対に居る」

 「お主は何故わかるのだ!」

 「私には当然知る事のできる方法があるからだ!」

 「其処へ着いたら、俺は絶対に彼女を探し出せるのか?」

 「お主が、喜んで行きさえすれば、たとえ彼女を探し出せなくてもある人物がお主を探しに連れて行くさ!」

 「どんな人物なんだ?」

 「お主がそこに着くと直ぐに、ある人物が連絡してくるよ」

 「誰なんだ!」

 「行けば解るさ!」

 「老獪な老人三人が外を塞いでいるではないか、俺はどうやって出て行くんだ?」

藍胡子は笑いながら

 「狡猾な兎はあらかじめ逃げ道を用意してあるのさ!」

彼は身をひるがえすと、後ろの壁板の梨花門を開けた。すると直ぐに其処へ秘密の門が現れた。


陸小鳳伝奇 第二章 き

2013-06-24 22:19:10 | 古龍

『見えたのは獣の刺繍が施された緑の服を着て両腕を背中に組んで入り口に立ち眼光が鋭くキョロキョロと辺りを見回している老人の姿が見えた。』

 その後ろには、笑いながら話をしている普段ならば規則や制度を口実に逃げ口上が完璧な捕り手頭。その傍らを見ればほかの2人の緑の服を着た老人も来ていた。二人の顔の表情もまた厳かで冷ややかで目もギラギラと恐ろしく同じようだった。この三人の老獪な老人はいったい何処からやって来たのだろうか? 

 陸小鳳はため息をついた、そしてそっと戸を引き開けて一目散に石段の下へと踵を返した。2人の木偶の坊な大男は彼が帰ってくるのを見て、あたかも目の奥で笑っているようだった。

 この時、陸小鳳はまったく彼らを見てない振りで、大手を振って行ったり来たりし大声で「お前等!さっさと酒の用意をしてくれ!何でも命令に従う者が来たぞ!」

 なんと其処には酒の用意が出来ていた。陸小鳳は一気に13杯も飲み干した。方家の兄妹と藍胡子はただ彼の飲んでいるのを見ていた。

「我々は、とっくにお主が戻ってくる事を知っていたのだ!」この言葉は彼らは言うまでも無く、また言う必要は無いのだ。

陸小鳳は再び酒を三杯飲み干し、やっと人心地ついて「足らんな?」と言った。

藍胡子は笑いながら「罰として飲む酒と、おごられて飲む酒とどちらが本当に美味い酒かな?」

陸小鳳も笑いながら「金の掛からない酒なら全て美味い酒だ!」

藍胡子は大笑いをして「では、私はお主にもう16杯を奢るとしよう!」

「良かろう!」そして、陸小鳳は16杯の酒を飲み干した。そしてどっかりと椅子の上に腰を下ろし、両目で藍胡子を真っ直ぐに睨みつけて、突然「本当にお主は西方の玉羅刹が恐ろしいのか?」と聞いた。

「本当に恐ろしい!」と藍胡子

 「しかし、お主は玉天宝を殺す度胸が有ったのではないか?」

すると藍胡子は「私にはそんな大きな肝っ玉は無い、彼の死は決して手を下したのでは無いのだ!」

 「本当にお主ではないのか?」

藍胡子は頭を振りながら「しかし、私は殺人犯が誰かを知っている、只お主に代わって羅刹牌を探してほしい、私はおぬしに代わってこの殺人犯を探し出して来て、逆境時代の友人に引き渡そう。」

 「逆境時代の友人?それは崑崙の頂上の(大きく艶やか曇りの無い鏡)、山天鍾乳洞の中の逆境時代の友人ではないのか?」と陸小鳳は聞いた。

 「彼らはそこですでに20年隠居している。まさかお主が彼らを知っているとは思いもよらなかった」と藍胡子は驚いた。

陸小鳳はため息混じりに「私でさえ彼らがまだ死んでいないなどとは思いもよらなかった」


陸小鳳伝奇 第二章 い

2013-06-20 15:14:54 | 古龍

さてさて、ほぼ一年ぶり(一年一ヶ月)のブロクを書きます。

四本眉の陸の旦那様・・・・本当に忙しいのと、中国語の勉強に身が入らない事から、続きを読むことが出来なくてほったらかしててごめんね~

そして、やっと第二章をラストまで何とか翻訳(妄想訳のほうが正しい)しました。

長くなるので何回かに分けて、此処へ書いていきますね~(って誰に言ってるんだか)

もう、誰も此処の存在を覚えていないよなぁ~~~ 出来れば読んだ方から感想、間違いの指摘がほしいけど、自己満足の世界かな??

ではでは、前ぶりの言い訳はここまでにしましょう。

前回のラスト一行から始めます。

『陸小鳳はただ聞こえない振りをした』

 この月の内に招いた面倒な事はすでに多すぎるので、彼は暫く休養する決心をし、決してもう他人の余計な事には関わらない事にした。まして、都にまだ欧陽情が居るならなお更だ、傷の養生をし、西門吹雪の新婚の夫人の出産につき合わなくては、彼は彼女たちに雪が降り始めたら、必ず都に戻り、彼女たちと羊肉のしゃぶしゃぶに付き合うと答えて有る。

 欧陽情のその二つの目が心に秘めた深い情を伝えた事を思い、彼は明日朝一番に都へ帰って行こうと決めた。

十八段の石段を彼は上に向かって二歩踏み出した時、秘密の扉は再び閉まり始めたが彼はあけることが出来た。

 「銀鈎賭坊…氷山美人…鉄製の空き部屋…西方の玉羅刹…」彼はこれら全てが一つの恐ろしい夢だと思うことにした。ただ、残念な事にこれら全部は夢ではないのだ。

彼は間もなく扉が押し開き、外の人間の笑いながら話す事を耳にした。

 「お前の父親は酒を飲み、賭博をした全部私のものになったのだ!」

別の一人が冷ややかに

 「お前の物?どれがお前の物だ!」

この者の声はとげとげしく、思い上がり偉ぶっていて、まるで口を開くと人を罵っているかのようだ。陸小鳳はため息をつき見ることさえしなくても、すでにこの人物が誰かを知っていた。

しかし、彼は我慢できなくなって見たいと思った、指を一本で門の外に並んだその絵を少し押し開いた、見えたのは獣の刺繍が施された緑の服を着て両腕を背中に組んで入り口に立ち眼光が鋭くキョロキョロと辺りを見回している老人の姿が見えた。